刑事群像

著者 :
  • 講談社
3.10
  • (1)
  • (9)
  • (32)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 103
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193856

作品紹介・あらすじ

大田区の路上で発見された女性の全裸遺体。殺人事件として捜査一課七係強行班が動き始める。被害者は経営コンサルタントの坂上実咲。その名前は、捜査一課に二年前の痛恨の記憶としてのこる「金融ブローカー殺害事件」を呼び起こした。
被害者の身辺調査を進める中で、二年前の事件をきっかけに辞職した捜査一課中本班の元刑事・沢崎の名前が挙がった。
奔放な被害者の異性関係、捜査は難航する中、捜査一課は、中本班・強行班の二班合同体制をとる。
愛人の会社社長、山代組、ホスト、婚約者、覚醒剤の売人……被害者のまわりに蠢く人間たちと欲望、刑事同士の思惑……、二年前の記憶と闇に消えたもの。
女が最後まで守り続けた光とは。
刑事たちは、何を求め、何を探し続けるのか。警察小説の名手が満を持して放つ、捜査一課シリーズ最高傑作!

警察小説の名手が満を持して放つ、捜査一課シリーズ最高傑作!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 路上にさらされた、女性の全裸死体。
    怨恨か。
    それとも、過去の事件に関係があるのか。

    小林班の大河内。
    中本班の庄野。
    小林班から中本班に移った、今里。

    所属する班、といった垣根を超え、自分の手柄よりも、事件解決のためにベストを尽くそうとする。
    刑事がいい人ばかりで、読んでいて清々しかった。

    複雑な背景を追い続ける展開で、何が真相なのか、興味を引くストーリー。

    タイトルがぴんと来なかったけれど、既出の作品のキャラクターが集結、という意味のよう。
    知っていればよりたのしめたのかもしれないが、理解上は未読でも問題はなかった。

  • 捜査一課シリーズ4

  • 愚直に事件を追いかけている姿には好感が持てた。
    被害者が加害者で、事件が絡まり合っていて、誰がどのような思惑で行動したのかが分かりにくかった。殺し殺されのような関係。
    闇金融、不正会計、殺人、脅迫、毒婦、暴力夫。不幸と悪事のドミノ倒しのよう。
    元刑事は切ないなぁと思った。彼らのためを思って行動したのに却って追い詰めることになるなんて。事件は解決したけれども刑事たちの苦悩は晴れないのだろう。

  • 1月-6。3.0点。
    贄の夜会の大河内刑事シリーズ(シリーズだったのか)。
    経営コンサルタントの女性が殺害される。殺害後、全裸で放置と酷い姿。
    男女関係か、以前の詐欺事件の絡みなのか、捜査。
    渋い感じの警察もの。群像は元刑事のことかな。
    途中、中だるみ感があった。次作も期待。

  •  謎解きの重層性は、とても素晴らしい。
     ただ一つの疑問は、二つのシリーズが合体する必要性が、どれくらいあったのか?

  • 殺害され全裸で道路脇に放置された坂上実咲.捜査に当たる大河内,渡辺,庄野たち.奔放な実咲に関連する数名が捜査線上に上がるが,調べていくうちに3年前の事件との関連が出てきて捜査が展開する.元警官の沢崎も絡む.あまりにも多くの登場人物なので,メモを取りながら読み進めた.被害者の部屋に容疑者と息子を集めて,謎を解明する場面が秀逸.実咲が3年前に絡んだ殺人に関連して,意外な事実が明らかになる最後の場面も良い.しっかり楽しめた.

  • 警視庁捜査一課シリーズ、大河内率いる小林班と庄野率いる中本班のタッグ。

    「贄の夜会」等で活躍する大河内チームと「刹那の街角」で活躍する庄野チームが一緒に読めるなんて、何て私得。と言っても、既出の作品を読む必要はなく、今作は単独で読むことが出来ます。二班の合同捜査になっても、子供の喧嘩のような変なバチバチ感は少なく(ないわけではない)、ストレスなく読めて良かった。そういうお約束みたいな足の引っ張り合いの展開ってよくあるだけに、大事なポイントだと思う。そして、個々の捜査員による地道な捜査。一人の変人刑事による卓越した推理とかではなくて(そういうのもアリだけど)、捜査の積み重ねで得た事実の一つ一つから何重にも絡まった事件の真相を解きほぐしていく展開はリアルがあって、これぞ香納作品における警察小説だと思った。

  • 警察小説。

    女性の全裸死体が発見された。事件の真相は・・・。

  • 面白かったです。

  • 二人の刑事、大河内・庄野が別の作品にそれぞれ出ているらしい。
    香納作品の読者ではあるが、かなり昔に読んだので覚えていない。それを知らなくても作品は独立していて問題はない。
    事件を細やかに丁寧に捜査、推理、検証していく内容は自分に合っていて、読んでいて面白い。
    ただ、高級なマンションのセキュリティには説得力がやや欠けて残念だが、それを若い刑事が見つけて、それを褒めるべきか。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1963年、横浜市出身。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。91年「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞を受賞。翌年『時よ夜の海に瞑れ』(祥伝社)で長篇デビュー。99年『幻の女』(角川書店)で第52回日本推理作家協会賞を受賞。主にハードボイルド、ミステリー、警察小説のジャンルで旺盛な執筆活動をおこない、その実力を高く評価される。

「2023年 『孤独なき地 K・S・P 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

香納諒一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×