日本精神史(上)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 120
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (506ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194617

作品紹介・あらすじ

長くヨーロッパの文化と思想を研究対象としてきた著者は、ここ20年ほど、日本の文化と思想の研究にとりくみ、その流れを歴史的に追跡してきました。その成果がついに一書にまとまったのが、本書です。題して、『日本精神史』。
「精神」とはなにか。
ヘーゲル研究者としてスタートした著者は言う。「あえて定義づければ、人間が自然とともに生き、社会のなかに生きていく、その生きる力と生きるすがたが精神だ」。
テキストとして残された思想はもとより、土器や銅鐸、仏像、建築、絵巻、庭園など、あらゆる文化を渉猟し、縄文時代から江戸時代の終わりまでを、一望のもとに描く、まさに畢生の大作です。
ただし、著者は、難解であることを潔しとしません。ヘーゲルのわかりやすい翻訳で脚光をあびたように、あくまでも流麗な文体で、明解に描いていきます。
思想も絵画も仏像も、ひとしく日本の精神の歴史としてとらえ、あらためて、日本とはなにかを問いかける清新な傑作と言えます。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、ヘーゲルの『精神現象学』をわかりやすい日本語で翻訳したことで知られていますが、ふだんは学習塾を営む在野の哲学者であり、『丸山眞男をどう読むか』(講談社現代新書)という著書で丸山について批判的に論じています。

    わたくし自身は著者の丸山批判には同意できないと感じているのですが、ともあれ著者が江戸時代までの日本思想の通史を刊行しているということで、丸山とは異なる思想史的方法に基づく考察が展開されているのではないかと期待していました。しかし残念ながら、本書のなかにそうした問題意識を読み取ることはできませんでした。

    もちろん著者は、たとえば『古事記』の解釈に際して、日本の歴史意識の「通奏低音」を取り出してくる丸山とは異なる観点から考察をおこなっているのですが、本書全体が明瞭で一貫した方法論に基づく日本思想史とはいえないように思います。強いて言えば、イメージの中に精神の運動を読みとり、作品のなかに共同体の意志を読みとるといった議論の仕方に、著者の理解する、どちらかといえば生命哲学的なヘーゲル主義が反映しているような気もしますが、それにしてもはっきりとこうした方法に基づくと宣言されているわけではありません。

    むしろ、五木寛之の「百寺巡礼」シリーズに近いエッセイとして読むほうが、おもしろく読めたのではないかという気がします。個々の論点に関しては、興味深い切り口がいくつも示されており、おもしろく感じたところもけっして少なくなかったのですが、余計な期待が先走ってしまったせいなのか、細部の魅力に十分に浸ることなく読み終えてしまったように思います。

  • あの長谷川宏氏が日本に視点を当てたというので、とりあえず上巻を図書館から借りだしてみた。前に借りた方々は最後まで読んでおられる形跡はあるが、本当に丁寧な扱いをしておられる。こういう本を借りる人は、本好きなんだろうなぁと思った。私もこの状態を保ったまま、この本を読了したい。他の本の都合で、155頁で中断。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:121.02//H36//1

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784062194617

  • 流石に塾経営者。ルビ打ちも適宜に読みやすい。
    鑑識眼と造詣が裏打ちされてあっぱれ。
    広く若者に読んでほしいと思われているのでしょう。教科書的でもあますが、ざっと日本人の「こころ」に触れられる。

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著者プロフィール

1940年生まれ。東京大学卒業。著書「ヘーゲルの歴史意識」「格闘する理性」他。訳書フッサール「経験と判断」ハーバーマス「イデオロギーとしての科学と技術」他。

「2019年 『美術の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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