著者 :
  • 講談社
3.55
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本棚登録 : 2699
感想 : 436
  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194853

作品紹介・あらすじ

青春は、謎と輝きに満ちている――
台湾生まれ、日本育ち。超弩級の才能を持つ「このミス!」出身、大藪賞受賞の異才が、はじめて己の血を解き放つ!

何者でもなかった。ゆえに自由だった――。
1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
17歳。無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。
大陸から台湾、そして日本へ。謎と輝きに満ちた青春が迸る。
友情と恋、流浪と決断、歴史、人生、そして命の物語。
エンタメのすべてが詰まった、最強の書き下ろし長編小説!

感想・レビュー・書評

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  • R3.6.1 読了。

     1975年、台北。内戦で敗れ、台湾 に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす17歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。第153回直木賞受賞作。

     以前から気になっていた。序盤はなかなか読み進まず、時間がかかってしまった。
     主人公の祖父を殺したと思われる犯人の目星のついたあたりから一気に面白くなった。日中戦争、中国と台湾の関係性などの歴史についても触れられており、勉強にもなった。あの戦争がなければ、生まれなかったストーリーなのかもしれない。幽霊騒ぎ、ヤクザにさらわれた友人奪還のための抗争や幼馴染との淡い恋など、設定はとても興味深く、内容も面白かった。
     ただ、自分は外国人の名前を読むのが苦手なことを痛感した。今回のこの作品でいえば、全部の漢字の名前にルビをつけるかカタカナ表記にしてほしいとさえ思ってしまった。

    ・「『魚が言いました…わたしは水のなかで暮らしているのだから、あなたにはわたしの涙が見えません。』王璇:「魚問」より」
    ・「人の世はもとより苦しいもの、早く悟れば傷つかずに済む。」
    ・「ささいなことで自分のかわりに怒りをぶちまけてくれる者がいると、わたしたちはいつでもすこしだけやさしくなれる。そういうものなのだ。」
    ・「心から願うものが手に入らないとき、わたしたちはそれと似たもので満足するしかない。もしくは、正反対のもので。そしていつまでも、似たものを似たものとしてしか認めない。それを目にするたびに、妥協したという現実を突きつけられる。だけど、ほとんどの人は気づいていない。その似たものでさえ、この手に掴むのは、ほとんだ奇跡に近いのだ。」

  • 正直苦手な部類でした。
    満場一致で直木賞受賞した作品なんだから、さぞかし面白いのだろうと期待度マックス。
    ところが読み始めたのはいいものの、全然進まない。
    結局一週間はかかったんじゃなかろうか。

    苦手な要因その1
    登場人物の名前が覚えられない。
    苦手な要因その2
    歴史物がそもそも得意ではない。
    苦手な要因その2
    やんちゃな若者の青春ものが好きではない。

    ないない尽くしで私にはハードルが高かった模様。
    直木賞受賞したからといって万人するわけじゃないのね、あたりまえだけど・・・(笑)

    • 杜のうさこさん
      vilureefさん、こんにちは~♪

      同感です。

      図書館で予約待ちをして、ようやく自分の所に回ってきた本。
      読む気満々で読み始...
      vilureefさん、こんにちは~♪

      同感です。

      図書館で予約待ちをして、ようやく自分の所に回ってきた本。
      読む気満々で読み始めて…
      全然進まなくて、今の自分に合わないのかもと、
      他の本を間に入れてみたりして、数回チャレンジしました。
      でも読了できませんでした(^_^;)

      私も受賞作や、有名作家さんの一押しが合わなかったりがよくあります。
      そのつど「読み方が浅いのかな~」なんて思ったりして。

      そうですよね、万人受けするとは限らないですもんね。
      vilureefさんのレビューに、ほっとしている自分がいます(#^^#)
      2015/10/27
    • vilureefさん
      杜のうさこさん、こんにちは(*^_^*)
      いつも花丸とコメントありがとうございます♪

      おー!私と同じ人がいる(笑)嬉しい~
      男っぽ...
      杜のうさこさん、こんにちは(*^_^*)
      いつも花丸とコメントありがとうございます♪

      おー!私と同じ人がいる(笑)嬉しい~
      男っぽい作品が苦手なので、読み始めてすぐ「あ、だめかも」とは思ったのですがなんとか読み終わりました(^_^;)
      最後はそれなりにグッときたし、作品としての良さも分かるのですがイマイチ楽しめなかったかな。

      でもそう言うことってありますよね。
      私も杜のうさこさんの意見を聞いてほっとしていますよ~。
      2015/10/28
  • 2020.10.28 読了
    国や時代が違うことを前提としても、主人公の見下しているような表現が苦手で、心に染み込んでこなかった。国や一族に対する心は大切ではあるが、争いと表裏一体。

  • 第153回直木賞受賞作。
    台湾生まれで日本育ちの作者が描いた作品。
    重いものを含んでいますが、濃厚で勢いよく、エンタメ性にも富んでいます。

    1975年。
    台北の高等中学に通う葉 秋生(イエ チョウシェン)は17歳。
    台湾の総統・蒋介石が亡くなって一ヵ月後、祖父が殺されてしまう。
    かって中国大陸で激しい国共内戦があり、敗れた国民党は台湾に渡って「外省人」と呼ばれていました。
    (もともと台湾に住んでいた人々のことは、本省人だそう)
    そのへんの成り行きをあまり知らないので、実感を伴う描写に圧倒されます。
    秋生をかわいがってくれた祖父は、戦時には大陸で悪名高い存在だったらしい‥

    秋生は成績優秀だったのだが、ひょんなことから迷走する青春を送ることに。
    幼馴染の悪友・小戦や、年上の初恋の女・毛毛(マオマオ)との関わり。
    もっと恐るべきろくでなし達も出入りし、こちらも熱気溢れる展開。
    1970年代の台湾って、こんなに凄かったの?

    日本へ、そして大陸へ。
    怒涛のような勢いで、命のやり取りも含む危機が描かれます。
    そして結局‥
    共産党と国民党の戦いの本質とは?
    たまたま親しかった人のいる方の、味方に付いただけとは。
    年月を経て許されることと許されないこと‥
    ある感慨に胸を打たれます。

  • 台湾人青年の1970~80年代における青春記とちょっとしたミステリーを交えた小説。
    当時の台湾と中国の関係も綿密に描かれている。
    読む前は、台湾建国時を記した一代サーガの小説家と思っていたが、実際は主人公葉秋生の半生記だった。
    敬愛する祖父を殺した犯人を捜し求めることや、真剣に愛した幼馴染との理不尽な別れ、悪友とのスリリングな事件等、様々なことがおこるのだが一貫して秋生は冷めている印象を受けた。
    文章は読みやすく、ぐいぐい読める。祖父を殺した犯人がわかり始めるあたりから、ちょっとしたミステリー要素も入ってくるので、読む速度が加速した。

  • 魚が言いました…わたしは水のなかで暮らしているのだから あなたにはわたしの涙が見えません

    この詩に尽きる。

    良い本とは、読む手が止められない、再読したくなる、本の中のフレーズが残る この3点だと思うが、私にとってこの本は全てを含んでいる。
    犯人は途中で分かってしまったが、それはどうでもいい。
    みんなきっと魚の涙が見えず、自分だけが大変だと思って生きているんだろうな。
    私も…

  • 2019.02.28読了
    台湾と中国青島を結ぶ物語。
    中国が絡む作品を読むといつもその時勢に関する自分の知識が薄いことに気づかされる。
    毛沢東、天安門、鄧小平、蒋介石などなど、中国の背景を理解せずしてどの小説も理解できないからだ。
    今回も国民党共産党が対立していたことはわかっても細かいこととなると自信がない。
    300ページくらい読んだところで小説の背景に追いついた感じ(以前に読んだ作品からの知識も思い出すので)。
    読み始めは、台湾のデタラメ具合や青島の時代背景と混同してしまって、どうして秋生はじいちゃんの死にこんなに拘るのか?殺人なんて日常茶飯事で警察もまともに取り合わないではないかと思っていたが、台湾でも殺人は大事件なのであって私の感覚が間違っていたようだ。
    そんなじいちゃんの死を巡って物語は進んでいく。
    主人公の秋生はなかなか魅力的な人物な上、彼の周りで起こる日常のおかしさに作者のウイットに富む表現がかさなり、ついついニヤつきながら読み進めて行った。後半〜結末にはかなりの読み応えがあり読了感もよく、オススメの一冊である。

  • 戦後の台湾の歴史の流れを垣間見ることができる。
    読み始めは、登場人物の名前を整理するのに時間がかかったが、物語にドンドン引き込まれていく。
    暴力的な話が多数出てくるが、幽霊やこっくりさんの話もあって、ミステリアスな台湾を感じる。
    私も子供の頃流行ったな〜。キョンシーとか、台湾から来てたんだな…。
    「流」という題名は、物語を読んで、なるほどと思う。
    どんな事象があっても、時は流れていく。
    そういうものなのだということ。

  • 直木賞受賞だから私好みかも(^^)♪と思って読みはじめたら、時代背景は解らないし、登場人物の名前(漢字)が読めない、覚えられない(T-T)となかなか大変だった~( ´Д`)でも中盤からはそれにも慣れて、この世界にスルスルと入っていけた(^-^)でも感想は一昔前の昼ドラマにありそうな話?(^^;)

  • 読み進めるに連れてどんどん引き込まれていった。戦争とは人の心を非人道的なものに変えてしまう。それぞれが愛する家族を守るためにすることを正当化はできないし、そうすることはしょうがなかった、と簡単に割り切れるものでない。戦争の混乱期を「あの頃は、子供の喧嘩のようなものだったな…」と振り返るところが、どうしょうもなく切なく悲しかった。絶対に戦争はいけない。

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著者プロフィール

1968年台湾生まれ。福岡在住。2002年、「タード・オン・ザ・ラン」で第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞。03年、同作を改題した『逃亡作法 TURD ON THE RUN』で作家デビュー。09年『路傍』で第11回大藪春彦賞、15年『流』で第153回直木賞、16年『罪の終わり』で第11回中央公論文芸賞、17年『僕が殺した人と僕を殺した人』で第34回織田作之助賞を受賞。近著に『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』。

「2021年 『夜汐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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