たとえ、世界に背いても

著者 :
  • 講談社
3.43
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本棚登録 : 70
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194952

作品紹介・あらすじ

20XX年の冬,スウェーデンのストックホルムではノーベル賞受賞者を祝う晩餐会が開かれていた。祝宴の最中,ノーベル医学・生理学賞の受賞者である浅井由希子博士は,壇上で紫斑性筋硬化症候群という奇病について語り始める。彼女の息子はその奇病に冒されていたのだ。参列者の誰もが息子の治療の為に研究し続けた母親の言葉に感動した。しかし,彼女は美談の果てにこんな言葉を解き放つ。「私の息子は自殺したのではありません。長峰高校の元一年B組の生徒達に苛め殺されたのです」と。こうして,天才医学者による人類史上,未曾有の復讐劇が幕を開けた。

感想・レビュー・書評

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  • 08月-18。2.0点。
    息子を自殺で失った、ノーベル賞受賞者の母。
    いじめによるとして、いじめた加害者たちへの復讐を画策。
    加害者たちは。。。

    うーん、人が死に過ぎる。また、最後の告白で「ヨブ記」を題材としたが、何を言っているかよーわからん。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 誰が一番悪いのかなんて言っても仕方ないかもしれないけど、どう考えても学校ですね。その対応最悪。
    よくある学校のイメージ。隠蔽体質。
    昭和の時代から変わらないイメージ、変えられないイメージ。
    そりゃ仕方ない、現実にそういうことが今も頻繁に起きているのだから。

  • ノーベル賞を受賞。授賞式でのスピーチ。子供の病気を直したい一心で研究した成果。でも子供は病気のためではなくイジメで自殺。もうやってられないわ。お前らみんな死ねばいい。私も死ぬから世界なんてもう関係ないわ。
    まず描写が過剰で冗長。善悪が混沌。道徳が不在。動機が破綻。物語が破綻。最後の告白は意味不明。
    無差別殺人の犯人の言い訳を読まされてるだけの本。特にじじいと刑事の章はイライラした。

  • 浅井由紀子博士は紫斑性筋硬化症候群という難病の治療用ワクチンを開発したことにより、ノーベル医学・生理学を受賞した。物語は、その授賞式の晩餐会での彼女の長く恐ろしいスピーチから始まる。
    彼女のひとり息子は、生まれてから約1年後にこの病気にかかった。紫斑性という名前から分かる通り、発病すると体に紫色の斑点が出る。それは10年から15年かけて全身に広がるとともに、やがて筋力が硬化し死に至る。
    研究者である彼女は、息子のために母親として研究に研究を重ね、その治療方法について必死になって調べた。しかしその努力も意味のないものになってしまう。高校一年生になった彼女の息子は自殺してしまったからだ。彼女はその原因がいじめであるということをつきとめた。
    話はそれだけでは終わらない。
    彼女はこのウィルスを培養して感染力が強力化したものを作り出し、そして飲料に混ぜることによって、既に世界中にばらまいていた。この晩餐会に使用された飲み物にも、持参したウィルスを混入させていた。
    この世の中で、治療用のワクチンを持っているのは彼女ただひとり。
    浅井由紀子博士は生成方法を教える条件として、下記の2つを提示した。
    1、当時のクラスメイト全員から、何があったのか真実を聞き出すこと。
    2、クラスメイト23人全員をできるだけ残酷な方法で殺害し、亡骸を持ってくること。

    そして話はこの事件に関わった当事者たちの証言で進んでいく。そして誰もが「まさかあんなことになるなんて」とか「あんな事態が自分を待ち受けていたなんて」って言うから、ますます先が気になって読むのを止められない。世界中の人々の命と、イジメの主犯格もしくは協力者または加担者そして傍観者たち23人の命の重さは地球レベルからみれば、天秤にかけるまでもない。


    この本のタイトル『たとえ、世界に背いても』という言葉は、いったい誰を表す誰による言葉なのか、そしてこの事件を起こした浅井由紀子博士の本当の目的とはなんだったのか。
    全体の9割方が読みやすく進行していくが、ラストは非常に読みにくいというか理解し難い人もいるかもしれない。結局よく分からないと思うかもしれない。わたしもちゃんとは理解できなかった。
    天才の考えることは、凡人のそれとは根本的に違うということなのだろう。






  • テーマ自体は割とある。
    『告白』『リアル鬼ごっこ』『藁の楯』等等。
    でも、その辺りを、超えて充分面白い。
    暴力の描写がちょっとエグくて嫌だったけど、ストーリーの落としどころは好み。
    映像化を見据えてなのか、TVや映画が元々好きな著者なのか、『臨床犯罪学者 火村英生の推理』の敵役の女性を思わせる浅井博士のたたずまいや、『そして誰もいなくなった
    』っぽい舞台、『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』の先生が幽閉されてた真っ白な部屋みたいな場所…等々。
    すぐにでもドラマ化できそうだよね。

  • 凄かった
    思わず友達にお勧めメールした
    ここまでやるか?
    タイトル通りだった

  • ただの殺し合いの話かと思った、バトルロワイアルみたいな。
    でも、狂人かと思われたノーベル賞学者の本意はがこんなことだったとは。動機は弱い気もするけど。
    たくさん人が死にます。
    (講談社からもらった本)

  • 最愛の息子を苛めによって亡くした浅井博士は
    理性も悟性も捨て憎むべき相手、そして自分の敵になりうる
    全てを地獄へと引きずりこむことを決意します。

    その宣言は浅井博士がノーベル賞を受賞した晩餐会の壇上で
    全世界に向けて放たれる。

    息子が冒された病、紫班性筋硬化症候群を完治しうる治療用ワクチンを
    完成させる過程で極めて致死性の高い病原体を発見し
    その病原体を世界各地へと拡散させたのだ。

    紫班性筋硬化症候群を発症すれば三ヶ月で全身に紫班が広がり
    心臓の筋肉は硬化して絶命してしまう
    助かる方法は、三ヶ月以内に治療用ワクチンを完成させるか
    浅井博士にワクチンの生成方法を教えてもらうかだが
    それには条件がある。

    それは息子を自殺に追い込んだ長峰高校、元一年B組の生徒を
    全て捕らえて息子の身に何があったのか白日の下へ晒すこと

    そして尋問・拷問を用いて全ての情報を引き出した後、
    B組の全生徒をできる限り残酷な方法で殺し、その亡骸全てを
    浅井博士の下まで運んでくること。

    この告白により元B組の生徒達は全世界から狙われる
    身ととなってしまう。

    これから始まる惨劇を浅井博士は予想
    出来ていたのか、私には想像以上の
    残酷な物語の始まりでした。

    日本ではこんな復讐は許されないと生徒達は
    警察の保護下におかれますが
    すぐに警察も手に負えない事態におちいります
    生徒達には懸賞金が懸けられ
    敵か味方かも分からない状態

    そんな中、1人の高校生が恋人を助けるために
    奔走しますがこれもまたいばらの道
    恋人を守り抜けばワクチンは手に入らず大勢の死者を出してしまう
    生徒達を擁護していた世論も次第に
    殺害は仕方ないという風向きに変わっていきます。

    人はどこまでも残酷になれるものだということを
    見せつけたかった浅井博士が
    人々に伝えたかったこと・・・・。
    そこまでやらないと私達は気付けないのか
    最後は救われたような救われないような
    もやもやとした読了感が残る作品でした。

  • 斬新な設定と見事な伏線の回収。
    しっかりと一気読み。

    語る視点が変わりながら、一連の事件の顛末をしっかりと回収できるのがすごい。かなり緻密に計算して書かれたんだなというのが、素人目にもよくわかります。微妙に語り手ごとに時間軸が前後していくので、行ったり来たりするのが理解しずらいところもあったけど、そこまで気になることもなく、しっかりと一気読みできました。

    あまりにも天才すぎますが、森博嗣の四季のように、世の中にはこんな人もいるんだろうなと。その天才的な頭脳をどのように使うかは、じつはかなり紙一重で、その人間性が問われる、のかもしれません。
    その頭脳を別の形で生かすことはできなかったのか、彼女の決断が切ないです。

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