鴨居玲 死を見つめる男

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本棚登録 : 66
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062195065

作品紹介・あらすじ

30年前に鬼籍の人となった画家、鴨居玲。そのデビューから死までの素顔を知り尽くす画商が、作品はもちろん、その裏に秘められた生き様、苦悩まで、すべてを語りつくす一冊です。恋人が撮った写真、直筆の手紙、描きなぐりのデッサン……昭和の破天荒な画家・鴨居玲の「生きた証」。

感想・レビュー・書評

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  • 鴨居玲の作品は好きだけど、鴨居玲がどんな性格でどういう人生を送っていたかは知らなかったので、勉強になった。語り口も読みやすかった。

  • 筆者は日動画廊の副社長であり、鴨居玲とはプライベートの付き合い以上の関係にある人物で、彼のパトロンのような関係でもあった。ただの美術研究家では知りえないようなところまで掘り下げて、画家・鴨居玲の画業、人生、人となりを記していた。

  • 鴨居と親交の深かった日動画廊の長谷川智恵子の著.鴨居がなんども自殺未遂を犯していることなどさらっと書かれている.もう少し内面に突っ込んで欲しかった.

  • この本は何だろう.鴨居玲の伝記というより思い出,その時々の鴨居玲を切り取って,さあどうぞって感じ.著者が親しかったので,たくさんの写真があってそれが楽しい.

  • 展覧会を見て、その絵の印象深さから描いた本人に興味を持ち購入。「格好つける」も貫くと本当にカッコよくなる。ダメな人ではあるが、芸術家とはこうあるべきという1つのモデルケースな人生。憧れる。

  • 57歳で1985年に自殺した鴨居玲の伝記を日動画廊の副社長(創業一族社長の妻)が記述。
    日動画廊との関わり合いを中心にいろいろな人物からの聞き取りをベースに書いている模様。お父さんから酒豪で奔放な人物だったようで興味深い。

  • (2015.09.05読了)(2015.07.25購入)
    7月に上京した際に、東京ステーションギャラリーで開催中の「鴨居玲展」を見ることが出来ました。この本は、展覧会場の売店で見かけたので、大船渡に帰って来てから、amazonに注文して手に入れたものです。
    ――――――――――――――――――――――
    没後30年 鴨居玲展 踊り候え
    主催:毎日新聞社
    会場:東京ステーションギャラリー
    会期:2015年5月30日(土)― 7月20日(月)
    金沢出身の画家、鴨居玲は、自己の内面を掘り下げた精神性の高い作品を描き続けながら、1985年、57歳で急逝しました。独自の画風で表現された作品は、現在でも多くのファンを惹きつけてやみません。本展では、油彩の代表作をはじめ、素描、遺品など約100点を一堂に展示。
    ―――――――――――――――――――――――――――

    展覧会は、初期から晩年までの代表作品を網羅した見ごたえのあるものでした。特にデッサンがよかったです。
    鴨居玲の作品を最初にみたのは、1970年代か80年代に銀座日動画廊での個展でした。
    暗い絵なのですが、題材がどこかユーモラスでした。酔っ払いとか、老婆とその息子とか、積木細工のような教会もありました。強烈な印象を残す絵でした。
    その後なかなか見る機会がなく、ひろしま美術館の常設展示で何点か見た程度です。

    この本は、鴨居玲の絵を沢山扱い、個展を世界各地(パリ、ニューヨーク、日本各地、等)で開催してきた日動画廊の副社長である著者が鴨居玲と生前に付き合っていた人たちの取材と自分の接した鴨居玲を織り交ぜて、鴨居玲の生涯を綴ったものです。
    鴨居玲は、ずっと独身だったのかと思っていたのですが、結婚もしているし、その人と別居してからは、別の女性と同居していたということです。
    子供は好きだったけど、自分の子供は欲しがらなかったそうで、子供はいません。
    宮本三郎さんの弟子にあたり、二紀会に所属していた時期もあるようです。
    宮本三郎さんは、華やかな色調で、女性像を沢山描いていると思いますが、先生のまねはしたくなかったようで、色調は暗く、女性もあまり描きませんでした。
    晩年は、何度か自殺を試み、失敗していたようですが、最後のときも本当に死ぬとは思っていなかったのではないかとのことです。
    亡くなったのは、1985年9月7日です。57歳でした。今の僕より、ずっと若い。

    【目次】
    はじめに ― 「格好いい」と「暗鬱」を追う人
    鴨居玲 略歴
    プロローグ
    1章 鴨居を育てたもの
     出生は謎
     酒豪の父
     美貌の母
     アーティストで実業家の姉
     鴨居の青年時代
     女性に愛されたいが、自由でいたい
    2章 画壇へ登場
     画家としてのスタート
     受賞と決心
     富山栄美子との出会い
     私と鴨居の出会い
     「アンネの日記」が画風を決めた
    3章 海外へ
     スペインへ
     バルデペーニャスの村で
     トレドから再びマドリッドへ
     広島銀行頭取と意気投合
     パリでの生活
     ミッテランが購入
     デヴィ・スカルノ宅
     私の肖像画
     パリのテレビ出演
     チータという息子
     ニューヨークでホモになりませんか
    4章 日本に戻って
     裸婦に挑戦
     金沢の街で
     金沢の仲間たち)
     5章 死の影
     「自画像」1982
     「1982年 私」
     「最後の晩餐」
     「蜘蛛の糸」
     「勲章」自画像を描く画家
     鴨居の作品の魅力
     鴨居が残した作品の下書き、構想
    6章 鴨居の生き方
     二晩三日の茶番劇「マッチはつけるな」
     弟子は取らない
     無類の引越し好き
     同人と群れることを好まない
     西部劇とピストル
     フォード・ムスタング
     ファッションのこだわり
     金銭感覚はゼロ
     一九八五年九月七日
    7章 手紙
     鴨居の手紙
     追悼の言葉 司馬遼太郎/内藤武敏/船越保武/瀧悌三
    おわりに

    ●独自性(53頁)
    鴨居には彼にしかない独自性があった。心の叫びを描く画家は少ない。天才的なひらめきを鴨居はもっていることを感じた。
    ●構想(53頁)
    描きはじめれば早いが、作品の構想に時間をかける画風であった
    ●ひろしま美術館(78頁)
    鴨居玲と「ひろしま美術館」を作った広島銀行の当時の頭取、井藤勲雄とは妙にうまが合った。
    その関係で鴨居の絵が「ひろしま美術館」のコレクションに入っている。
    ●誤植(126頁冒頭)
    昭和五二年(一九八二年)頃から ⇒ 昭和五七年(一九八二年)頃から
    ●坂崎乙郎(128頁)
    坂崎は美術評論家として個性のある文章を書いており、鴨居が一番親しくつきあった評論家であった。人間の生き死にの価値観が共通していたようだ。坂崎も鴨居の死の三カ月後に、自らあの世へ鴨居を追って行った。
    (坂崎乙朗さんの本は大部分読ませてもらいました。)
    ●物語性(141頁)
    確かなデッサン力に裏付けられた鴨居の作品には秘められた深い味わいと物語性を重視した構成があり、これが見る人の感性を惹きつけるのだろう。

    ☆関連図書(既読)
    「踊り候え」鴨居玲著、風来舎、1989.11.25
    「一期は夢よ 鴨居玲」瀧悌三著、日動出版、1991.09.07
    (2015年9月8日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    明と暗、歓喜と苦悩。恋人が撮った写真、直筆の手紙、描きなぐりのデッサン…57年間の「生きた証」。作品だけでは知りえない、鴨居の生き様を追う物語。

  • とてつもなく興味深かった。

    子供脳の持ち主だった。

  • この本で鴨居玲を知り、速攻で東京ステーションギャラリーまで彼の絵を観に行きました。色使いが仏蘭西好みではありますが、非常に感情がゆたかな作品だと思います。

  • 鴨居玲が全面的に信頼を寄せていたた唯一の画廊(日動画廊)のオーナー夫人が、画商と画家という間柄だけでなく、彼に近しい人達にインタビューをして記した評伝。暗いトーンの絵とは対照的に、かっこマンでオチャメ、そして誠実な人柄がよくわかり、今東京ステーションギャラリーで開催中の鴨居玲回顧展に足を運びたくなった。作品だけでなく、彼と最後まで添い遂げた女性が提供している数々のプライベートショットも見どころ。

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著者プロフィール

日動画廊副社長 ほほづゑ同人、編集人

「2021年 『財界人文芸誌季刊 ほほづゑ第109号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長谷川智恵子の作品

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