その愛の程度

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 125
感想 : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062195119

作品紹介・あらすじ

愛を証明せよ。
人類最大級の難問に豊永守彦35歳が対峙する。

職場の親睦会を兼ねたバーベキュー。
娘の菜月が溺れるのを見て、とっさに川に飛び込んだ豊永の腕の中にいたのは、娘ではなく別の女の子だった。
「お父さんは菜月をたすけてくれなかったもん」
その日から、血のつながりのない娘は口をきいてくれなくなり、七歳上の妻との関係もぎくしゃくし始めてしまい……

期待の新鋭が描く、新しい家族と愛の形。

感想・レビュー・書評

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  • <易>
    誰でもそうだと思いますが本はぶっ通しで最後まで読めるモノではありません。トイレに行きたくなるし別の用事を思い出したりして一旦しおりを挟んでと云う事がままあります。で小野寺の作品はその次に読書再開した時に一瞬で物語の中へ戻って行けるのです。まあ中断した時間が短いか長いかという事情はありますが戻って行きづらい作品は確かにあります。その一番の原因は登場人物が多い事だと個人的には思いますがストーリーがシンプルで解り易いのです。小野寺作品は。これは小説本として強力な武器です。僕と違って善玉コレステロールが多いのですw。小野寺史宣ってそういう作品を書く作家です。

  • 子連れの女性と結婚したあるサラリーマンの愛の形。

    ・暗転の七月
    ・退転の八月
    ・横転の九月
    ・空転の十月
    ・好転の十一月
    ・急転の十二月

    昔バイトしていた喫茶店の年上の店長・成恵と再会し、結婚した豊永守彦。

    成恵の連れ子・菜月や成恵が店長を務める喫茶店の店員とともに川遊びに来ていたが、菜月と一緒に遊んでいた留衣の二人が川で溺れそうになる。

    菜月を助けに行ったはずが留衣を助けてしまい、その後、菜月との関係が悪化し、成恵との関係も溝が深まるばかり。

    サッパリした性格の成恵は新たなパートナーとの人生を模索し、守彦も前向きに女性と向き合うが、思うようにいかない。

    正直者であるが不器用すぎるということもない性格の守彦が、自分に丁度いい愛の形を見つけていく。


    なかなか微妙な心情を描いた作品。

    愛はこうだ!と断定しない作者の表現が好き。

  • 結婚、離婚、そして愛。なかなかヘヴィなものを扱っているはずなのに、淡々としていて柔らかく、暗くも苦くもない。まさにチーズケーキのような話。チョコケーキやモンブランではなく。
    でも、いろんな形の「愛」がテーマだから、後味は濃厚。淡々とした中に、すっと鋭いものを刺し込んでくる。それが小野寺さんの小説の好きなところ。

  •  豊永守彦35歳。穏やかで人当たりがよくまじめ。
    不器用だが誠実そうなので、好感度が高い。
     ただ感情をストレートに表現するのが苦手で、一歩引いて振る舞うため、好意を寄せてくれた女性から見切りをつけられることが少なくない。
     積極的にアプローチされて結婚したバツイチ・子持ちで年上の妻からは離婚を切り出され、続いて接近してきたバツイチ・子持ちの女性も結局は離れていってしまう。それではダメだとわかっているが、改めることができない。人間とは学ばないものだ。
     対照的なタイプとして登場するのが会社の後輩の小池くん。彼がめでたく結婚するのが象徴的だ。
     救いはラスト。その性格が顧客や上司からの信頼を集め、若くして人事課長昇進の内示が下る。
     守彦は一生このままなんだろうな。

  • いやあ、期待以上に面白く一気読み

  • ぶきっちょだなあ

  • 洒落てる面白さ
    小池くんに会ってみたくなった

    自分は幸せな結婚生活ができてることに改めて感謝した

  • その程度の愛ではなく、その愛の程度なのね。うーむ。
    他人の娘ってどんな感じ? 愛する人の娘なら自分の娘同様。なわけないか。でもさ、勘違いするってそれは問題。
    こうなる運命だったのだよ。

  • 小野寺史宜 著「その愛の程度」、2015.6発行。「その愛の程度」、いいタイトルだと思います。伴侶への愛、子供への愛、・・・そして自分への愛・・・、読みながら、自分の人生を振り返り、「その愛の程度」はどのぐらいだったんだろうと考えたり、これからの人生での在り方を考えさせてくれる作品でした!

  • バーベキュー河原で、血の繋がらない娘が溺れた。
    父親として助けに飛び込んだものの、豊永が助けたのは、娘ではない方の女の子だった。
    娘はその事で心を閉ざし、結果別居することに。

    初読みの作家さん。
    男性作家さんの割にはゆるい雰囲気が好みで、
    主人公の温度の低い心情、流れる雰囲気が好きでした。

    成恵が、子供は二の次、自分中心な気がして好きになれませんでした。
    だからといって結衣さんでもないと思うし、このままゆるゆると行く豊永がいいのにと思います。

    小池くん、いいですね。身内にいたら困るけど(笑)
    小池くん中心のストーリーを見てみたい気がします。

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著者プロフィール

1968年千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」でオール讀物新人賞を受賞し、デビュー。’08年『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。著書に『ひりつく夜の音』『本日も教官なり』『ライフ』『ナオタの星』『みつばの郵便屋さん』シリーズ、『その愛の程度』を一作目とする『近いはずの人』『それ自体が奇跡』の夫婦三部作、『縁』『天使と悪魔のシネマ』『片見里荒川コネクション』などがある。’19年『ひと』で本屋大賞2位。


「2021年 『縁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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