分解日記 光二郎備忘ファイル

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 205
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062195591

作品紹介・あらすじ

二宮光二郎、七十五歳。趣味は分解――バラバラにして、きれいに磨いて、元に戻すこと。光二郎は、家出中に公園のベンチでうたた寝をしていた。目が覚めると、右手には血のついたカマ、目の前には血まみれの男が倒れていた。孫のかけるとひかりは、光二郎逮捕の知らせを聞き仰天。“おじいちゃん”を救うために、警察署へと急ぐ。果たして犯人は?

すべての部品には役割があって、錆びると噛み合なくなってしまう。
すべての人にはドラマがあって、感謝の気持ちを忘れるとぎくしゃくしてしまう。
そんなときは分解しよう、軌道から外れよう。
きれいに磨かれた部品も、感謝の気持ちを取り戻した人間も、きっと再び輝ける。

感想・レビュー・書評

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  • あれ?これ、猫弁の人の本だった!

    元理科の教師の光二郎、75歳。
    故障した機械は分解して修理しなくては気が済まない。我が道を行く日々。
    嫁の言葉に咄嗟に家を飛び出して公園でぼんやりアイスを食べていたはずが、気づくと血まみれのカマを手にしていた。

    次から次へと出てくる癖のある人々。光二郎が霞んでくるほど。
    ニノ家の結束の固さというか、図太さにニヤニヤする。
    猫弁もだけど、昭和の「時間をかけて、普通に、誠実に行う」が通用しない世の中で何を捨てるのか残すのかを考えさせられるよう。
    光二郎はただただ突き進むけど、彼の姿や言葉に気づいて一歩踏み出す人々。
    最後は光二郎もガツンと一歩前進。
    彼の意味深な行動とか、続くんだろうな、このシリーズ。

  • 読後、頭にふと思ったことを五七五にのせてみようとしる自分(笑)

  • サヴァンのような天才が活躍するミステリーのようでもあり、一風変わった家族を描くような話でもあった。文章は割と平易で読みやすいのに独特な世界観というか描き方で面白い。

  • 75歳の二宮光次朗は元理科教師で分解が趣味、というか壊れた機械はなんでも直してしまう技術者ですね。ただ彼は75歳という年齢ゆえにいろいろ忘れてしまうのです。そんな彼が傷害の濡れ衣を着せられ、逃亡、そして紆余曲折を経て犯人に迫ります。嫁の雪絵を初め、男女の双子の孫、被害者の所属するシルバー人材センターの人たち、更には事件を扱う刑事のコンビすらがとてもいい味を出していて猫弁同様の優しい雰囲気で気持ちよく読み進められました。ラストもとても良かったです。彼にはもっと頑張ってもらいたいのですが続編は出ないのかしら?

  • 「光二郎、家出する」
    夏の暑い日に壊れた冷房。
    本当に解体癖があったとしても本人が壊れていたというのであれば少しは信じてやる事は出来ないのか、そして警察にというだけで犯人である確率を勝手にあげて保身に走る家族なんて嫌だな。

    「光二郎、指名手配される」
    被害者の口から発せられたのは。
    家族の意思疎通が出来ていなかったからこそ彼は彼女に罵られ家出を計画し事件に居合わせてしまったのだろうから、正直彼女のかけた言葉の種類によっては彼に手配がかかることは無かっただろうな。

    「光二郎、逃亡する」
    夢枕にたった人物は。
    逃亡する事によって怪しいという疑惑は大きくなってしまうかもしれないが、何もしていないのに警察にノコノコと捕まって証拠も無いまま犯人に仕立てあげられても困るもんな。

    「光二郎、磨く」
    逃亡中にも分解し直す。
    彼の手にかかればどんな物でも直ってしまうのではないかと思うぐらい素晴らしい修理であり、科学に基づいて話を進めてしまうのは癖なのだろうが自分が興味を持った事はとことん追求する精神は凄いな。

    「美女とこおひい」
    犯人と全ての真相。
    いくら子供が可愛くて犯人にしたくないからとはいえ見ず知らずの人間に罪を着せようとするなんて、その人の人生や家族がどう思うか等は考えなかったんだろうな。

  • 分解が趣味の光二郎おじいちゃんが微笑ましくて可愛かった。光二郎と浪人生の孫のかける、かけると出来の良い双子の妹のひかり、かけるたちの母親の川柳好きな雪絵に、刑事さんたちやシルバー人材センターの人たち他、ちょこちょこと描かれる登場人物たちのナチュラルな関係性や魅力に和んだ。

  • タイトルから想像するのと全然違う笑
    光治郎、活躍もするけどボケもすごい。
    雪絵、かける、ひかり、みんな面白いしすきだな。
    節々吹き出すくらい楽しい。
    アイスの棒やばいね。
    そしてほんのり切ない。
    切なくても寂しくないのが素晴らしい。
    一気読みする面白さだった。
    文体もちょうど良いんだよねー。
    さくさく読めるなぁ。

  • なんでも分解してしまうおじいちゃんが
    事件に巻き込まれる
    ほっこりとしたミステリー。
    一人ひとりのキャラも良い。
    続きが楽しみ。

    【図書館・初読・5月27日読了】

  • 2016/12/26
    おもしろかったー
    幸せな気持ちでいっぱいです。
    大山淳子にハズレなし。
    最初は雪絵さんに「そんな怒らんで…」と悲しくなったけど大丈夫やった。
    ちゃんと持ち直した。
    おじいちゃんは覚えてないってw
    光二郎さんが分解して組み立てるところを見たい。
    続編ありそうなんだけどどうかな?
    めっちゃ読みたい。

  • 分解好きなおじいちゃん、二宮光二郎とその孫かけるが、光二郎にかけられた殺人未遂の容疑を晴らすべく奮闘する話。やや記憶があやしくなってきてるおじいちゃんの人柄が面白く、そのおじいちゃんを思うかけるもいい。二宮家の人達や警察のメンツも個性的。

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著者プロフィール

東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。
2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。
2011年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた。著書に「あずかりやさん」シリーズ、『赤い靴』、『通夜女』など。「猫弁」シリーズは多くの読者に愛され大ヒットを記録したものの、惜しまれつつ、2014年に第1部完結。2020年9月に第2部がスタートし、本作はその2作目である。

「2021年 『猫弁と鉄の女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大山淳子の作品

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