• Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062196017

感想・レビュー・書評

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  • 絵本「100万回生きたねこ」の作者・佐野洋子さんを追悼して、帯にあるあらゆる分野の作家たちが、この絵本に関する読み物を書いた、アンソロジー本。
    普段ハードカバーの本はあまり買わないのだけど、これはもう見た瞬間買うことを即決してしまった。
    この絵本が好きだからというのも勿論だけど、書いている作家が好きな人揃いだったから。

    100万回生きたということは100万回の人生(猫生?)があったわけで、そのうちの1回の猫生もそれぞれ濃いものがあったはず。
    そのうちのひとつの猫生を書いた作家もいれば、この絵本全体の流れをつかんでそれを物語にした作家もいる。
    残酷な物語も中にはあったのだけど、100万回も生きていれば、実際残酷な猫生を生きたねこもいたはず。100万回全部幸せに暮らせたはずはないのだから。
    それぞれの個性が出ていてとても興味深く面白かった。

    小さい頃からずっとねこを飼ってる身として心に残ったのは角田光代さんの小説で(確か角田さんもねこを飼っているはず)自分では可愛がっているつもりでもねこ自身は何を思って幸せなのかどうか分からない、でも幸せだと思いたい、みたいな感じで。笑
    あとはやはり好きな江國香織さん、そしてかなり個性的なアプローチの町田康さん。そしてかなり短いながらも広瀬弦さんの「博士とねこ」というお話が印象的だった。

  • あの有名な絵本をもとに、有名作家の皆さんが色々なお話を寄せた一冊。ラストは谷川俊太郎だった。あの美しくも悲しい絵本に対し、その美しさを損なうことなく、何か希望のようなものを灯してしまう、谷川俊太郎という人のセンスはやっぱりズバ抜けている。
    琴線に触れる話もあれば、「ん?」と首を捻ってしまう話もあった。そういうのも含めて楽しい一冊だった。

  • 佐野洋子さんの名作「100万回生きたねこ」へのトリビュート短篇集。各作家が「100万回生きた猫」を元にしたり題材にしたりして短篇を書いているのですが、1つ1つが個性的。それぞれの作家の持ち味が出るのはもちろん、「100万回生きたねこ」への解釈の仕方も人によっていろいろなのですね。

  • 永遠のベストセラー、
    『100万回生きたねこ』に捧げる豪華な短編集です。
    何しろ執筆しているのが、
    江國香織、角田光代、町田康、山田詠美、川上弘美、綿矢りさ・・・などなど、名前を書き連らねる手が震えてきそうな
    そうそうたるメンバー。
    どれもこれもが、胸に沁み入る物語でした。

    その昔、友人と一緒に『100万回生きたねこ』を読んでいて
    『あ~、ねこが最後幸せになってよかった♪』と思っていたところに友人が、
    『ねこ、最後可哀想だったね・・・』って!!
    その時初めて、物語の受け取り方というのは
    人それぞれなのだと知ったワタクシでございました。

    『100万分の1回のねこ』も本当にそれぞれ全く違う
    『ねこ』の物語です。
    (中には猫すら登場しない物語も・・・)
    でも、どのお話の中にも
    愛すること、生きることの意味がギュッと詰め込まれています。
    角田光代さん・山田詠美さんの物語が個人的には
    ◎でした♪

  •  名作絵本「100万回生きたねこ」のオマージュ、13人の作家による短編集。一冊の絵本を基にそれぞれ寄稿されているのに、まったく違う切り口であったりするから面白い。
     角田光代さんの「おかあさんのところにやってきた猫」、唯野未歩子さんの「あにいもうと」、女性らしい感性で描かれたこの2つの作品がわりと好き。
     ペットになる猫は寿命も長く、病気や飢えの心配も少ないから幸せだ、というのは人間の一方的な考え方。猫にも人間のような複雑な感情があったなら(という時点で人間のエゴ丸出し)、うちの猫たちにとって幸せってなんなんだろう・・・そんなことを考えさせられる「おかあさんのところにやってきた猫」。それはまるで母と子の関係でもあるようで、身に覚えのある気持ちと、これからが不安になる気持ちが混ざり合った。
     大好きな作家である町田康氏の「百万円もらった男」も最高だった!猫一匹たりとも出てこんし!あんだけ猫エッセイ書いてるのに!なんなん!

  • 様々な作家による「100万回生きたねこ」のオマージュ作品集。
    佐野洋子って、すごいね!

    息子の広瀬氏と、元夫の谷川俊太郎の2作品は、もしかしたらオマケかも…。

  • 町田康…まったく猫が登場しないのが最高。
    山田詠美…かけがえのない、見事な100万分の1回。
    川上弘美…ドラクエをモチーフにした小説なのに、こんなに心動かされるとは。
    今江祥智…これほどメッセージ性のない空襲小説も珍しい。空襲を描いても詩になりうるのだ。
    谷川俊太郎…他の作家の小説が死を外部から見ているのに対して、境界線からそれを見ているのでどきりとする。
    広瀬弦…その短さ、ぶっきらぼうさが、読者の心に擦り傷をつける。

  • 大好きな「100万回生きたねこ」に捧げるトリビュート短編集。
    本編よりも、それぞれの作家さんが、本編の前に書いている「100万回…」の絵本、佐野洋子さんへの思いが良かった。

    そして、やっぱり宙返りする猫の顔が見たくなった。

  • 一話目からすでに涙腺がヤバい。
    角田光代で涙腺崩壊。
    あまりのギャン泣きに飼い猫からドン引きされる。

    猫を飼ってる人は、猫の本音に要注意。

  • 「100万回生きたねこ」に捧げる13の短編集(^^)悲しくてしんみりするけれど、どの話も作家さんの個性が出ていて良かった!(*´∇`*)「百万円もらった男」ちょっと意外で面白かった♪「博士とねこ」も好き(^^)

著者プロフィール

谷川俊太郎(たにがわ しゅんたろう)
1931年、東京生まれ。父に、哲学者・谷川徹三。現在の東京都立豊多摩高等学校を卒業し、1948年頃から詩作の活動を開始。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』出版。以後詩、エッセー、脚本、翻訳などの分野で多岐に渡る活躍を続けている。
翻訳については、ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』や『スイミー』、ゴフスタインの絵本の数多くを手がける。詩集に『ことばあそびうた』、『みみをすます』、『日々の地図』、『はだか』、 『世間知ラズ』など、エッセー集に『散文』、『ひとり暮らし』、絵本に『わたし』『ともだち』『もこ もこもこ』、詩集に『シャガールと木の葉』、『すき』、『詩の本』、『トロムソコラージュ』など。
萩原朔太郎賞、鮎川信夫賞、三好達治賞、朝日賞など多くの受賞歴がある。

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