トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 516
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062196079

作品紹介・あらすじ

創業家VS.左遷サラリーマン!
日本の救世主は、ハズレ社員だった。気鋭の経済記者が覆面作家となって挑む日本最大のタブー「27兆円企業」に迫る!
「失われた20年を、高度成長期並みに駆け、世界一となったあのトヨトミ自動車が潰れるときは、日本が終わるとき。日本経済最後の砦・巨大自動車企業の真実を伝えたいから、私は、ノンフィクションではなく、小説を書きました」(梶山三郎)

感想・レビュー・書評

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  • 面白い。
    著者が明らかに奥田派かつアンチジュニアで、この本を書いた意図を考えてしまう。

  • 正直、筆力はチープだなと思う。特に女性の描写が安っぽくてリアリティが薄いし、激しめの語調を「ですっ」と小さい「つ」でまとめて表現するところ、また武田氏の肩を持ち過ぎているところ等々、少々浅い感じがあり、噂話をもとにある程度は想像でキャラ作りしたことが見え隠れする、筆力としてはなんだかなーって思う部分は多い。
    小説としては微妙かもしれないが、この本を書こうとした人たちの気概は素晴らしく、またクルマ産業に疎いいち社会人としては大変勉強になる内容であった。
    小説というかマンガみたいな感じですね。「4時間で分かるトヨタ」みたいな。
    勇気をもってこの本を世に出してくれた人たちに感謝です。

  • 「クルマは麻薬だ」
    「一度、手にしたら手放せなくなる。悪魔のような利便性にどっぷり浸かり、抜け出せなくなる。みんな、古くなったら買い換える。新しいものが欲しくなる。クルマは麻薬と同じだ。」(94ページ)

  • "トヨトミ自動車"という一応仮名だが明らかにトヨタ自動車の内幕を再現した小説。著者も"梶山三郎"というペンネームで、企業小説というジャンルを作り上げた城山三郎のパクリ、、いい茶目っ気じゃないか。

    読んで見ると、なるほど奥田碩社長の登場とそれ以降の歴代社長とが織り成す"自動車メーカー世界一"に向けた群像劇ではあるが、奥田さんの名誉回復意図が強いように思う。このあたりも、なぜこの小説が生まれたのか、普通の小説よりも遥かに生臭く、ミステリアスで興味深い。

    小説の内容は、よほどトヨタとか自動車産業とかに興味を持ってウオッチし続けていない限り連続して理解できていないであろうトヨタ自動車の実像を浮かび上がらせてくれている点において何と言うか実用的と言える内容である。日本一の自動車メーカーが生産(販売)台数世界一になるには、卓抜したリーダーシップと現場の血のにじむような努力と人間同士の相克、そして世界的、社会的な数々の出来事との連動や摩擦があってのことで、それが日本の基幹産業である自動車産業のスケール感をもって描かれており、それがほぼほぼ事実ベースなだけに読むものは引き込まれる。そして、最後は美談。ここは小説だからこそできる結末だったと思うので、うまく小説の体を活用したと思えてならない。

    今年は創業オーナーないしオーナー家と現経営陣との確執や対立がなにかと話題になったが、その類似ケースが十数年前と数年前に豊田家とトヨタ自動車を巡っておきていたとは、ここまで克明に描いてもらってはじめてそのヤバさというか、事実の面白さを理解できるんだなと実感した。同じように十数年後、今日のSBやセブンアンドアイのほぼ事実ベースの架空小説ができることを楽しみにしています。

  • 武田さんと堤さん凄いなー。やり手です。いろいろな人生だな。これからの会社の未来が楽しみ!

  • フィクション小説の名を借りたトヨタの裏社史

  • 2019/11/10

  • 某自動車のこの20年の歩みを、創業家に抗って使い捨てられた有能なサラリーマン社長を軸として描いた、渾身のフィクション。8割方は事実に基づくともいう。

    ネット情報によれば、主人公の武田剛平は奥田碩氏、御子柴宏は張富士夫氏、豊臣統一は豊田章男氏、豊臣新太郎は豊田章一郎氏、豊臣芳夫は豊田達郎氏、豊臣勝一郎は豊田喜一郎氏、豊臣史郎は豊田英二氏、豊臣太助は豊田佐吉氏を、それぞれモデルにしているとのこと。

    武田剛平は、有能だが群れることや妥協を嫌う剛毅な男。疎まれて長くフィリピンのマニラへの左遷されていたが、社長の新太郎に見いだされて本社に復帰、大抜擢されて社長にまで上り詰めた。野武士型の豪腕経営者にしてトヨトミの救世主として高い評価を得る。しかし、トヨトミ自動車においては、豊臣家は教祖、社員は従順な信徒。叩き上げに過ぎず役員二世でもない武田は、対外的にはトップでも、所詮は豊臣家の使用人に過ぎない弱い立場。豊臣家の影響力を弱めようと持ち株会社化を画策してあっさり退任させられる。その後、豊臣家に従順な社長を据えた新太郎は、リーマンショックの混乱に乗じて統一を見事社長に就けることに成功。だが、従順なイエスマンを抜擢する一方、武田派などの改革派を退けた統一の体制に、リコール問題など様々な危機が襲いかかる。

    武田が社長として、ハイブリッド車「プロメテウス」の開発を前倒しし、併せて超低燃費エンジンの開発を凍結した経営手腕はさすが! それまでリスクを犯さない無難な車づくりを旨としていたトヨトミが生まれ変わった瞬間だった。

    総じて、武田剛平に好意的に描かれているが、実際、武田にはもっと泥臭くえげつない部分はあったのかも知れない。それにしても、創業家の我が儘で世間知らずな狭量なボンボン、という統一の姿には正直幻滅。また、創業家(しかも本家)の血統を絶対視する豊臣家やトヨトミ自動車の体質には、嫌悪感というか気持ち悪さを感じる。創業家に忠義を尽くす、というタイプの古典的組織が、激動の時代に力を発揮し、生き残っていく、というのもまた一面の真実なのだろうけれども…。

  • 匿名作家による企業小説
    名前が恥ずかしいことを除けば、よく出来てる。

  • ビジネスは戦争
    リーダーシップの違いの対比が面白かった
    (武田の賢く豪快で人・金をうまく使うやり方,豊臣の泥臭く真面目なやり方)
    = 真面目なやり方も大事な場合がある

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著者プロフィール

経済記者、覆面作家

「2016年 『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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