生還者

著者 :
  • 講談社
3.67
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本棚登録 : 513
レビュー : 96
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062196116

作品紹介・あらすじ

ヒマラヤ山脈東部、世界第3位の標高を誇るカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、日本人登山者7名が巻き込まれる惨事となった。4年前に登山をやめたはずの兄が、なぜかその雪崩に巻き込まれ、34歳の若さで命を落とした。同じ山岳部出身の増田直志は、兄の遺品のザイルが何者かによって切断されていたことに気付く。兄は事故死ではなく何者かによって殺されたのか――?

 生存者は絶望視されていたが、高瀬という男性が奇跡の生還を果たす。単独行だった高瀬は、猛吹雪のなか兄たち登山隊に出会い助けを求めたが冷たくあしらわれ、登山隊の加賀谷だけが残って自分を助けてくれたという。行方不明の加賀谷が英雄としてマスコミを賑わせる中、今度は東という男が救助された。東は高瀬が嘘をついていて、加賀谷こそが卑怯者だと証言するのだった。

 二人の生還者はどちらが真実を語っているのか? 兄の死の真相を突き止めるため、増田は女性記者の八木澤とともに高峰に隠された謎に挑む!

感想・レビュー・書評

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  • 初めましての作家さん。
    フォローさせていただいているお友達のレビューで、ぜひ読んでみたいと思っていた本。

    「BOOK」データーべすより
    ヒマラヤ山脈東部のカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、4年前に登山をやめたはずの兄が34歳の若さで命を落とした。同じ山岳部出身の増田直志は、兄の遺品のザイルが何者かによって切断されていたことに気付く。兄は事故死ではなく何者かによって殺されたのか―?相次いで二人の男が奇跡の生還を果たすが、全く逆の証言をする。どちらの生還者が真実を語っているのか?兄の死の真相を突き止めるため、増田は高峰に隠された謎に挑む!新乱歩賞作家、3作目の山岳ミステリー!

    登山やトレッキングには全く興味がないのですが…
    一気読みでした!

    山の事故で生還するということ…
    自分で自分が許せず、罪の意識に押しつぶされてしまいそう…
    サイバーズ・ギルトという言葉、初めて知りました。

    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      一気読みだったのですね〜♪
      遭難した山で起こった出来事の真実は当事者しかわからないっていうのが怖いです。
      ...
      こんにちは(^-^)/

      一気読みだったのですね〜♪
      遭難した山で起こった出来事の真実は当事者しかわからないっていうのが怖いです。

      山の事故ってみんなが苦しい思いをする…
      それを知っていても人は山に登るのですね。
      2016/05/25
    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんばんは~♪

      そうなんです!
      一気読みでした!!
      けいたんさんのレビューで、読みたい思いが募った本でした。
      あり...
      けいたんさん、こんばんは~♪

      そうなんです!
      一気読みでした!!
      けいたんさんのレビューで、読みたい思いが募った本でした。
      ありがとう~(*^_^*)
      2016/05/27
  • 世界第3位の標高を誇るカンチェンジュンガでの、雪崩事故。
    奇跡の生還者は、ある美談と悪行を語るが、ふたり目の生還者は、異なった証言をする。

    山岳ミステリ。

    ひとつの疑問が解消されると、別の部分に矛盾が生じてしまう。
    どちらの話が真実なのか?
    調べが進みながらも、メインの謎は維持したままで、引きこまれる展開。

    雪山の過酷さと、山登りの魅力も、よくえがかれていた。

  • プロローグでの「男」および『彼』が、それ以降の誰を意味するのか、冒頭からこの小説作品に取り込まれてしまった。
    そして、ヒマラヤのカンチェンジュンガでの雪崩事故から、奇跡的に生還した二人の人物の証言が、真っ向対立する。
    いずれが真実で、どちらかが偽証しているのか。
    真相は?と興味が尽きず、作中人物と共に読み手も謎の森を逍遥してしまう。
    結末を知りたく、先へ先へと頁を追う誘惑に勝てなかった。
    (ご都合主義的な人物の造形よ登場もちょっと気にはなったが)、エピローグではスッキリ感が味わえ、エンターテイメントの醍醐味を満喫した傑作。

  • ヒマラヤ山脈カンチェンジュンガでの雪崩に巻き込まれた日本人登山者たちの中で、生還した二人の主張が食い違う。単独行だった高瀬は登山隊の加賀谷という男に助けられたと言い、登山隊の一員だった東は加賀谷こそ卑怯者だと糾弾した。
    この雪崩で兄を失った直志は遺品のザイルが切断されていたことに気づき、真相を突き止めようとする…
    極限状態で何が起こったのか。誰が誰を見捨てたのか、殺意は存在したのか、徐々に見えてくる真実は二転三転し、それぞれの心に秘められた想いが明らかになってくる展開に後半は一気読みだった。個人的には高峰に挑む心理は共感できないが、登場人物たちの山に対する真摯な思いは伝わってきた。
    この著者の本を読んだのは2冊目だが、なかなか素晴らしい。

  • 著者初読み。
    最近、山岳小説にハマっており、その流れで読んだ作品。
    デビューから3作目で、しかも、著者にとって初の山岳小説だったらしいが、今まで読んだ山岳小説とはまた違う雰囲気でなかなか楽しめた。
    山の小説だと、山が舞台になるが、今作は大きな雪崩が起きた山から生還した人の発言を巡るサスペンス。
    序盤はどんどん謎が深まり、何が真実なのか、全く見えない展開についページをめくるペースが進む。
    この雪崩で兄を喪った増田と、雑誌記者の恵利奈が事件の真相に迫って行くが、事件の背後にあったのは、サバイバーズ・ギルドに悩む人たちの苦悩。
    サスペンスとしても、もちろん読み応えがあるが、個人的にはいろいろ考えさせられることも多い作品だった。

  • 山岳ミステリー。山で遭難したけれど助かった二人の人物。しかしそれぞれ、同一人物を「あの人は私を救ってくれた救世主」だと言い、もう1人は「彼は裏切り者だ」と言う。どちらの証言が嘘なのか?そして、雪崩で亡くなった人の山に登った理由とは?!
    山に登る人には非常にワクワクするミステリーだと思います!私は山登りに全く詳しくないので、用具の名前だけではピンとこなかったのが残念でした。後半まで、誰が嘘をついていて誰がどういう目的で行動したのか、誰が裏切り者なのかなど分からず、先をどんどん読み進めたくなる作品でした。

  • ハラハラドキドキした。雪山の描写に息を呑んだ。

  • ヒマラヤを登攀中のパーティーが雪崩に巻き込まれ、相次いで奇跡の生還を果たした二人の男の証言は全く正反対で食い違う。著者らしい凝った仕掛けの山岳ミステリは期待を裏切りません。これから先が楽しみです。

  • 極寒のの未踏峰で起こった雪崩事故。そこから生還したふたりの登山者の証言。まったく食い違う証言の裏に隠された真相を追い求める山岳ミステリ。
    正直なところ、登山の魅力はまったくわかりません。何故好き好んでそんなことを? という疑問だらけ。それでも読む分にはとにかくスリルたっぷりで面白く、ぐいぐい読めました。まったく見当のつかない謎の解明にもラストまで引っ張られっぱなしです。
    命を懸けてまでそこに挑もうとする心境はやはり理解はできないのだけれど。それぞれの思惑が交差し絡みついて起こった今回の事件はなんともやりきれず、それでもその壮大さには息を飲みました。凄い、のひとことに尽きます。

  • 山岳ミステリは傑作が多いと思うが、下村さんは抜群。とにかくプロットが巧い。
    ヒマラヤでの雪崩事故から生還者が帰ってきて、自分を助けてくれた登山家の美談が広まるが、二人目の生還者は、まったく違う「裏切り者」だと言う。
    虚実交わる証言とそれぞれの過去が繋がる点、登山シーンからクライマー同士の心の交流、そして最後まで真実が分からないストーリーは本当にスゴイ。
    ☆5でもよいかなとのめり込んだが、複数の女にフラフラする主人公がなんか好きになれない。下村さんの他の作でもあったが。

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著者プロフィール

1981年京都府生まれ。2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は数々のミステリーランキングで高い評価を受ける。短編「死は朝、羽ばたく」が第68回日本推理作家協会賞短編部門候補、『生還者』が第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門の候補、『黙過』が第21回大藪春彦賞候補に選ばれた。他の著作に、『悲願花』『刑事の慟哭』『絶声』『コープス・ハント』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』などがある。

「2021年 『白医』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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