2020年 世界経済の勝者と敗者

  • 講談社
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062196543

作品紹介・あらすじ

ノーベル経済学賞受賞者と、アベノミクスのが紡ぎ出す渾身の近未来予測!!
 中国バブル崩壊……経済復活には、50年もの時間を要するのか!?
「アメリカの出口戦略」「日本のアベノミクス」「ヨーロッパの緊縮財政とユーロの呪縛」「中国バブルの深度」――これら4つのファクターを掘り下げると、2020年の日本と世界が見えてくる!!

感想・レビュー・書評

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  • 浜田宏一教授とポール・グルーグマン教授の対話形式の共著、金融緩和、消費税増税反対、日本政府は負債が多いが資産も多いので国債暴落の危険はないでは意見が一致(グルーグマン教授曰く日本はAAA)するもののTPPで一致していない。
    グルーグマン教授がこれは貿易の問題というより特許や著作権の強化と紛争解決のルール変更と述べて、薬品とハリウッド映画の例を挙げている。ハリウッド映画が高くなるのであれば見なくても死なないが、これによって医薬品の価格が上昇するとしたら、死ぬ可能性もあり、 堤未果氏が危惧している日本の国民皆保険である医療が危機なのかと気になります。
    マイナス金利を発動し、原油価格の暴落から産油国の政府系ファンドが資金を回収したことによる世界同時株安が発生し円高が発生している現在、このお二人の見解をぜひとも聞きたいところです。

  • アメリカの今後、アベノミクス、ユーロの将来など様々なテーマで浜田宏一とクルーグマンが語った対談集。
    アベノミクス、特に緩和に対する評価がまとめて読めるのは価値があるし、対談なので短くて話が纏まっている。

    一方で少なくとも最終章の中国の話は詳しくない話を無理矢理出してるようで読むに値しない(中国経済が、統計は信用できなくて実はマイナスで給与が全く上がってないという事実認識で書いてるが、実際は中国で雇用してる人は急速な賃上げに悩んでいるし、ECショッピングの売上など消費の伸びについてのファクトは多い。)

  • 金融緩和の有効性
    消費税増税への懸念
    ユーロ導入によるヨーロッパ経済の危険性
    中国経済の不安
    これほど分かりやすい著作は他にないのではないか

  • タイトルでは、「2020年の世界経済」となっていますが、主に現在の世界経済について両教授が分析をしています。目まぐるしく変わっていく世界情勢の中、両教授のお考えの違いが少しですが分かる興味深い一冊となっています。

  • アベノミクスは正しい、日本の借金なんか問題じゃない、消費税は上げるな、ユーロはそのそも導入すべきではなかった、中国の経済はぼろぼろである・・・ とまあ、話の内容としてはイケイケなわけですが、現実の経済は少なくとも普通の国民にとっては良くなっているという実感がないのが実情です。株価に影響するのは正統派経済学の言説よりはトランプのツイッターであるのが現実です。読んでも誰が勝者でだれが敗者かは最後までわかりませんでした。やっぱり経済はばくちかな。

  • 簡単に読める。経済の動きを理解する

  • アベノミクスは成功しているのでしょうか?比較の対象にもよりますが、あのまま民主党政権が続いていたことを思うと、やはり経済は良くなっていると考えられるのでしょうか?

    この本は、アベノミクスを支持している、浜田氏と、ノーベル賞経済学賞受賞者の、クルーグマン氏による対談本です。世界で重要なエリアである、米国・EU・中国についても述べられています。

    結論としては、日本と米国の方向性は間違っていない、それに比べて、欧州と中国は注意が必要である、とのメッセージを私は受け取りました。

    以下は気になったポイントです。

    ・日本は、バブル崩壊以降、積極的な金融緩和に踏み切れなかったので、結果として、円高とデフレが進み、リーマンショックにおいても当事国でないにもかかわらず、アメリカ・イギリスに比べてずっと大きな痛手を被った(p23)

    ・最低賃金の引き上げによって職が失われるという証拠は見られなかった、労働者はモノではなく人間なので、より多くの賃金を払えば、モラルの向上や離職率の低下、生産性の上昇といったメリットがある(p31)

    ・TPPの実態が何かといえば、1)紛争解決、2)知的所有権に関する協定で、どちらにも問題がある。(p42)

    ・シェールオイルがあるのはテキサス州、シェールガスがあるのが、ペンシルバニア州。シェールオイルでは、1バレル100ドルでも儲けがあるかどうか(p49)

    ・格差の拡大を少しでも縮小する方法は、相続税を上げること、高額所得者への税金をあげること(p52)

    ・デフレに伴う急激な円高は、日本経済に深刻なダメージを与えた。韓国ウォンは30%値下がりしたので、ドルに対するハンディキャップは、60%。これでは韓国企業に太刀打ちできない。パナソニック、シャープ、ソニーが赤字に転落したのは仕方ない(p79)

    ・インフレ目標が必要なのは、人々にお金にしがみつくのをやめさせて、失業を解消したり所得を増加させたりして、日本社会をより良いものにするため(p80)

    ・黒田日銀総裁によると、経済成長を高めるためには、1)民間による設備投資、2)労働力について、女性および高齢者層を参加させる、3)生産性を上げるための規制緩和と構造改革、が必要(p90)

    ・日本に必要なのは、消費税増税ではなく、国民の多くが「これからは給料も上がるし、物価も上がる、いまのうちにお金をもっと使おう」と思えること(p97)

    ・中国の大きな弱点は、消費者の需要が非常に弱いこと。少なくとも所得の20%は消費に再分配されるべき(p99)

    ・日本国債の格付けをするなら、AAAである。アメリカと同じように、自国の紙幣を刷ることができるので(p112)

    ・人がお金持ちか貧乏かを判断するには、借金だけではなく、いくら資産を持っているかも見なくてはならない、国も同じ(p114)

    ・ギリシア問題のような経済危機が起きると、世界の投資資金が円に集まって円高となる。それが示しているのは、円がユーロよりもアメリカ国債よりも信用があるということ(p115)

    ・ギリシアの通貨はユーロ、借金もユーロ建て、ユーロ発行はECB(欧州中央銀行)なので、ギリシアが政府債務を返済するには、ECBからお金を借りなければならない(p116)

    ・財政不均衡により、いつ金利が高騰するかわからない、というエコノミストは、自分のお金で国債の空売りをしているか、と問いたい。しかし、そのような人は誰もいない。実際にリスクを取って日本国債を売買しているプロのトレーダーは、どこの国の国債よりも、日本国債を信用している(p117、118)

    ・ギリシアのGDPがなぜ減ってしまったのか、理由は、債権者から強要された緊縮政策、さらに有害だったのは、緊縮財政よりも、それを相殺する金融緩和ができなかったこと。緊縮財政と、金融引き締めのセットは最悪の組み合わせ(p170)

    ・ロシアが奪取したクリミア半島は、今となっては、ただの荒れ地となり、観光に行きたいと思うような場所ではなくなった。(p178)

    ・スウェーデンは自国の通貨を持つが、あまり強力な金融引き締めを行わなかったため、実質GDPは上昇した。しかし、デンマークはその逆になってしまった(p182)

    ・中国経済を牽引してきたのは、輸出である。大量の労働人口と低賃金を背景に輸出をしてきた、しかし内需が伸びない。その理由は人件費が安いままだから(p189)

    ・中国の省内貨物輸送量、電力消費量、銀行融資残高の推移からGDPを算出すると、2015年の成長率は2.8%程度(p192)

    2016年12月12日作成

  • アベノミクスと増税、ギリシャ離脱、TPPなどについての意見。

    C0095

  • 333.6||Ha

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著者プロフィール

NY市立大学教授。2008年、ノーベル経済学賞受賞。
イェール大学で学士号を、MITで博士号を取得。イェール大学、スタンフォード大学、MITで教鞭をとったのち、プリンストン大学経済学部教授。1982~83年には1年間大統領経済諮問委員会(CEA)のスタッフも務めた。主な研究分野は国際貿易。収穫逓増と不完全競争に焦点を置いた「新しい貿易理論」の創始者の1人である。国際金融、特に通貨危機の問題にも取り組む。1991年、アメリカ経済学会のジョンベイツクラーク賞受賞。日本語への翻訳書多数。

「2019年 『未完の資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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