ヨーコさんの“言葉”

  • 講談社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062196550

作品紹介・あらすじ

NHKの人気番組「ヨーコさんの“言葉”」が、大人のための絵本になりました!
この言葉を見事に絵で伝える北村裕花さんの250点近い作品もオールカラーで収録。

大ベストセラー『100万回生きたねこ』の絵本作家・佐野洋子さんが、シンプルな視点で教えてくれる、ほんとうの幸せのカタチ、人生を豊かに生きる秘訣。
ヨーコさんの、手加減しないけれど深いまなざしで綴られたエッセイにも多くのファンがいます。そんなエッセイから、選りすぐったのがこの1冊です。

ヨーコさんは本作で、才能神話や美容整形ブームといったものの本質を突くいっぽうで、個性や自由、愛情について、老後の幸せについて、日常生活の出来事をとおして気づかせてくれます。
そして私たちは、その言葉に触れると、何を手放したら豊かに生きられるかが見えてきます。
何につけクヨクヨしがちな人、自分らしく生きたいけれどなかなかできない人、もちろん人間関係で心が折れそうな人にも役立つはずです。

感想・レビュー・書評

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  • Eテレで『100万回生きた猫』で有名な佐野洋子さんのエッセイを、北村裕花さんの絵と上村典子さんの語りで5分の番組にしている。
    その番組を書籍化したもの。

    ヨーコさんの言葉にはいちいち納得。
    昔やっていた『美容整形の実験番組』に感じたもやもや感は
    「手術後はあいまいな同じような顔になる。ああ、世界は平らになる。デコボコがあってこそこの世と思うのである。気に食わん」
    という気持ちも確かにあったし、
    戦中の雰囲気の中「淡谷のり子さんのぎんぎらぎんのあの化粧と、どっ派手な洋服で、ちゃらちゃらしてそれで押し通したと言われて」いるまさに‘命がけ’の勇気には賛同と尊敬を覚える。

    エッセイのひとつひとつが味わい深く、ものがたりを読むような充実感がある。
    北村さんの絵は一見小学生が描いたようなラフな絵。
    でも人物の表情が生き生きしてて、エッセイに沿った絵の展開が素晴らしくドラマチックでした。

    すぐ読めてしまうのに心に残る本でした。

  • 175ページ
    1300円
    4月6日〜4月8日

    『100万回生きたねこ』の著者、佐野洋子。ヨーコさんの〝歯にきぬ着せぬ〟エッセイ。

    ヨーコさんの正直な思いが、絵と共に綴られており、ほっこりしたり、確かにそうだと納得したり。共に過ごしているネコが描かれてはいるが、話の内容にはかおを出さず、次こそは、次こそは...と読んでいっ
    た。

  • 佐野洋子さん、老人の代表として、ひと言モノ申してくれました。

    しわ、たるみ、しみなどが
    花咲いた老人になって、
    すごく気が楽になった。

    世の中をはたから見るだけって、
    何と幸せで心安らかであることか。
    老年とは神が与え給う平安なのだ。

    いきいき老後とか、
    はつらつ熟年とか
    印刷されているものを見ると
    私はむかつくんじゃ

    こんな年になってさえ、何で、
    競争ラインに参加せにゃならん。
    わしら疲れているのよ。

    いや疲れている老人と、
    疲れを知らぬ老人に
    分けられているんだろうか。

    疲れている人は
    堂々と疲れたい。

  • 佐野洋子さんの言葉は本質を突く。飾り気のない、むき出しの言葉たちはぶっきらぼうにも感じるが、余計な装飾がないからストレートに佐野洋子さんの考えを感じることができた。

    ”いいかげんなヤツばっかでも
    くそまじめだけでも
    世界は完璧にならない”(P99より引用)

    ”愛は身近にいるものを
    いつくしむところから生れて、
    それは実に
    不公平なえるひいきで、
    美意識すら変えるものなのだ。”(P117より引用)

    北村裕花さんの粋な挿絵と力強い佐野洋子さんの言葉のバランスが最高だった。このシリーズの本、全部読みたい。

  • 帰省中実家本棚。モタさんの言葉を数年前に読んだ。母の本棚でヨーコさんバージョン3冊を見つけて思わず手に取る。世界を斜めから見ているようで正面からぶつかっているような気もする文章。価値観は人それぞれで、幸せの形は人それぞれだよねと感じるようになった最近。本やネットや様々な表現、媒体を通して様々な価値観や考え方に触れることが楽しい。自分の頭で考えるための引っ掛かりをもらえる。そして、その文章や表現はきっと作者の中の一部で、ここで表現されていること以外のものも多いのであろうことを想像する。それで何になるのかはわからないけれど、考えることは楽しい。2020/1/4

  • NHKの5分番組を書籍化したもの。甘くはない、ビターな言葉で淡々と語られるヨーコさんのエッセイはどこか哲学的だ。さすが詩人の谷川俊太郎がヨーコさんと離婚したのち決して再婚しようとしなかったほど惚れぬいた女性なだけはある。「ピカソに子供時代はなかった。彼は生まれついてのプロフェッショナルであった。老いてのちようやく子供になることができたのだ」という章とお嫁に行き老いて亡くなった伯母さんの人生を描いた章がかなり涙腺にきた。全回収録されていないのでぜひ続編も刊行してほしい。北村裕花さんの味のある絵も最高です。

  • NHK日曜美術館の前に放送されていた“ヨーコさんの言葉”。最初はぼーっと見ているだけだったのに、いつしか楽しみになった。絵も素朴で味わい深いし、声も少しだけぶっきらぼうで味があって、大好きな時間だった。本が出たと知り、即買いした。9割はTVで見た記憶のあるものだったけど、相変わらず読んだ後に心の中を深い思考のようなものが広がる。この感覚が好きだ。出典が巻末に載っていたので、佐野さんの本を読んでみようかなと思う。

  •  TVで愛犬さんの回を見て、印象に残っていたので思わず読んでしまいました。
     肩の力を抜いてほっとできた1冊でした。<大多数>の意見に飲み込まれないで自分と誠実に向き合っていらっしゃる人柄と絵柄がマッチしています。

  • 佐野洋子さんの感性好きです
    凛としてて
    ご自分で言われるほど強くなくて
    でもやっぱり強い
    そうだよねえ、うんうん
    なんて言いながら読みました
    イラストもいいです
    ≪ 凡人の 中であがいて 歳をとる ≫

  • 百万回生きた猫の作者さんのエッセイ。なかなか面白い。

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家。ベストセラー『100万回生きたねこ』のほか『おじさんのかさ』、『ねえ とうさん』(日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)など多数の絵本をのこした。
主なエッセイ集に、『私はそうは思わない』、『ふつうがえらい』、『シズコさん』、『神も仏もありませぬ』(小林秀雄賞)、『死ぬ気まんまん』などがある。
2010年11月逝去。

「2021年 『佐野洋子とっておき作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐野洋子の作品

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