藪医 ふらここ堂

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 277
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062196895

作品紹介・あらすじ

天野三哲は「面倒臭ぇ」が口癖の江戸の小児医。朝寝坊する、患者を選り好みする、面倒になると患者を置いて逃げ出しちまう出鱈目っぷりで、近所でも有名な藪医者だ。ところが、ひょんなことから患者が押し寄せてくるようになり、三哲の娘・おゆん、押しかけ弟子の次郎助、凄腕産婆のお亀婆さんなど、周囲の面々を巻き込んで、ふらここ堂の先行きは、いったいいかなることに──。
当時の医者事情、教育現場、夫婦と家族の有り様から、恋愛指南まで盛り込んで、人情と笑いたっぷりに描く、お江戸“子育て”小説誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 身なりに構わず、寝坊、酒飲み、気に食わない患者は怒らせるあるいは逃げる。
    そんな型破りな小児医・天野三哲。
    本当は『藪医』ではないのだが、その辺りをもっと楽しく魅力的に書いて欲しかった物足りなさがある。

    お亀婆とお安おばさんの熟女による鞘当ては楽しかったが、次郎助・おゆん・おみちの三角関係はいま一つ。
    ドタバタとシリアスとのバランスがもう一つだったのでテンポが悪かった。
    ただ続編があるのかも知れない。

  • 図書館で借りたもの。
    天野三哲は「面倒臭ぇ」が口癖の江戸の小児医。態度は悪く、本人が子どもよりも手がかかる。
    神田三河町界隈で「藪のふらここ堂」と渾名されている。
    ふらここ=ブランコ。

    小児医の三哲と娘のおゆん、お湯の幼馴染・次郎助に取上婆のお亀婆さんなど、親しみがわく登場人物ばかり。
    三哲は態度は悪いけど、藪ではなさそう。
    当時の医者やお産について、とても興味深く読めました。

    スピンオフで取上婆のお亀婆さんの話が読みたい!

  • 「ひゃあ、あたし、胴震いしてる。」
    こんなに臨場感のある出産シーンは読んだことない。凄い、スゴイの一言です。
    最初はNHKBSの時代劇みたいな、ゆるいなぁ〜と思っていたら後半の盛り上がりが凄い、スゴすぎます。
    出産シーンは泣きました。
    是非とも映像化を希望します。三哲は長谷川博巳、おゆんは川口春奈、次郎助は誰がいいかな。濱田岳かな。待ってるよっ、NHK!

  • 良く出来た娯楽時代小説です。
    ある意味で登場人物はステレオタイプな設定です。
    面倒くさいが口癖でいい加減なようだが実は名医っぽい父親の天野三哲。軽薄そうだが実は一本気のところがある主人公とは幼馴染の押しかけ弟子・次郎助。人づきあいを怖がるが。ここという時は頑なになる主人公・おゆん。こう書いてみると「何々だが実は・・・」という人物設定ばかり。ただ不思議なのは、普通は「実は」の方が主題になるのですが、この小説では「実は」は最後まで脇役で、主役は「何々」の方です。そこらがまかてさんの工夫かもしれませんが、ちょっと違和感として残ります。
    とは言え、読んでいて楽しく、一気に読了しました。

  • 面白かったよ。是非とも続編を出して頂きたいです。

  • 庭に"ふらここ"(ブランコ)がある小児医、「ふらここ堂」を中心に、人々の悲喜こもごもを描いた話。
    自由すぎる父・三哲や、近所のおばさま達に振り回されつつ成長してゆく、おゆんの心情が瑞々しく描かれているのが良いですね。
    登場人物の個性も豊かで、なかなか味わい深く仕上がっています。

  • 最後まで面白く、飽きずに読みきれた。
    時代物くさすぎないところが、朝井さんの魅力。

  • 沢山の人間関係があれこれ絡んで面白い。
    恋や三哲の語るちょっと良い話とか、読みどころが多くて楽しく読めました。

  • 江戸の小児医天野三哲は、出鱈目で藪と言われている。娘のおゆん、押しかけ弟子の次郎助、「としより言うな」の凄腕産婆のお亀らと繰り広げる江戸庶民の暮らし。しかし三哲の生れは・・・。

  • なんとなく山本周五郎の赤ひげを連想させる一作。破天荒だけれども目は確かな小児科医とその引っ込み思案な娘、個性豊かなご近所さんのイロイロを描いた温かい小説で、とても面白かった。シリーズ化してほしい。

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著者プロフィール

1959年大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し『実さえ花さえ』でデビュー。(受賞作は文庫化され『花競べ向嶋なずな屋繁盛記』と改題)2014年『恋歌』で直木賞受賞。同年『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、2015年『すかたん』で大阪ほんま本大賞、2016年『眩』で中山義秀文学賞、2017年『福袋』で舟橋聖一文学賞、2018年『雲上雲下』で中央公論文芸賞、2019年『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、同年大阪文化賞、2020年『グッドバイ』で親鸞賞受賞。著書に『先生のお庭番』『御松茸騒動』『落陽』『銀の猫』『落花狼藉』『輪舞曲』『類』などがある。

「2021年 『雲上雲下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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