惑星の岸辺

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 39
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197182

作品紹介・あらすじ

宇宙飛行士の甘南備俊介は、五十八年九か月の眠りから目覚めた。木星衛星調査船で低温睡眠に入っているとき、太陽フレアの爆発で船が軌道を逸脱したのだ。地球の周回に入ってから回収され、たったひとり帰還した彼は、いちやく英雄となった。
甘南備を待ち受けていたのは、国際宇宙開発機構が精密に組み上げた回復訓練プログラムで、橘ムラサキという若い専任医務官が担当することになった。橘自身がかつて事故に遭い、このプログラムの経験者であった。
訓練が始まって、甘南備は不思議なことに気づく。橘のふとした仕草が、25年前に亡くなったはずの妻の葵のそれと重なるのだ。彼は次第に訓練の時間を心待ちにするようになるが……。
時空を超え、記憶という愛は甦るのか。大人の心を揺さぶる、ミステリロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 全編に哀しさがありながら、流れは希望を手繰り寄せる話だ。未来とはきっとこんな風なのかなとも思わせる。よくよく考えられた小説だ。(ちょっと村上春樹風なところがあった)

  • 一つの事を表現するのになんてたくさんの文字を使うのでしょう!
    でも静かで美しい。
    ストーリーも美しい。
    この世界観が好き。
    少しの疑問は無視しましょう。
    これは小説なのだから・・

  • 梶村啓二さん、2015年発表の小説。事故で冬眠状態のまま60年宇宙を彷徨った後救助された男のリハビリの物語り。出だしは素晴らしいのだけれど、竜頭蛇尾。

    30歳過ぎの日本人宇宙飛行士が主人公。宇宙での60年間の人工冬眠からのリハビリというとても興味深い題材を非常にリアルに描いていてその点は見事だし、脳神経に関する蘊蓄も新鮮、また特に始めの方、静謐で内省的な押さえた筆致にとても感銘を受けます。しかし、二重の三角関係が明らかになる後半はかなり甘ったるくなり、気の抜けたようなハッピーエンドにも拍子抜けします。残念。

  • 情景描写がきれい。

  • 木星衛星探査船の事故から60年ぶりに奇跡的な帰還した甘南備(かんなび)とリハビリのために24時間付き添うムラサキ。そのムラサキもヘリコプター事故で脳の手術をして驚異の回復を遂げた元軍人の女性医務官だった。そして甘南備の亡くなった妻、葵がムラサキの中に蘇る...
    記憶をテーマにした物語です。良くあるテーマですが、透明感のある文章で、甘南備とムラサキ、葵はどうなっていくのかと読者を引きつけます。
    ラストは感動ものです。綺麗な映画の一コマという感じですかね。この終わり方は好きです。

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著者プロフィール

(かじむら・けいじ)
2011年、『野いばら』で第3回日経小説大賞受賞。他の著書に『「東京物語」と小津安二郎』、『使者と果実』がある。

「2015年 『惑星の岸辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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