スピンクの壺

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 117
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197663

作品紹介・あらすじ

生後四ヵ月で行きどころを失った雄犬、スピンクは、小説家の主人とその妻・美微さんの家に引き取られて暮らし始めた。主人は人間だが、どこか犬っぽい。スピンクは主人にポチという呼び名をつけた。本書は犬のスピンクが、主人・ポチや美微さん、同じく行き場をなくして引き取られた犬のキューティーやシードとともに、毎日を暮らす様子を丁寧に綴った日記である。二人と三頭の暮らす山奥の家に起こる出来事、事件を四季の移り変わりとともに描く、現代日本の犬猫文学決定版!

感想・レビュー・書評

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  • ある日の休日、情報番組をみていたら
    町田康さんとスピンクが出演していました。
    (この本の紹介だった)

    もう出かける時間で、ほんの少ししか見られなかったため
    どんな本だろうと手に取ったのですが…
    「スピンク日記」「スピンク合財帖」に続く
    第3弾だったんですね。

    スピンクが念波を主人・ポチの脳に送り込み、
    ポチの手を使って書かせたという
    スピンク目線の日常エッセイです。

    もうスピンクが話を書いているとしか思えません。
    素直でおっとりとして、新しい匂いが大好きなスピンク。

    わけありシード・わけありキューティーとの
    ワンコ同士の会話もいい☆
    このワンコたちが、主人ポチを敬愛するのではなく
    憐れんだり、馬鹿にしたりしながらも、
    舐めて元気づけてあげたくなる、溢れる愛がいい☆

    スピンクも理解不能なポチの団子理窟は
    私にも???なところが多々ありましたが。。。

    犬と人間って、同じようなことをしているのですね。
    フェイスブックとマーキング。
    なるほど~って感心しました。

    町田康さん。ちょっと敷居が高そうで
    全く読んだことありませんでしたが…。

    側庭改造、洗濯機の買い替え、大笑いでした。
    一緒に住むのにはポチはかなり面倒臭い人ですね。
    でも、大好きです。なんか、ハマりました。

    スピンクの若かりし、やんちゃ時代目線エッセイも
    絶対要チェックだ!と思う一冊です。

    猫好き作家さんだとばかり思ってました。
    スピンクたちの写真、楽しげです。
    愛されてるのを分っている表情が、
    こちらまでニンマリしますよ。

  • 犬から見た人間(主人・町田康)観察記。
    主人に「ポチ」とあだなを付け、犬目線でポチの日常が描かれる。
    ポチのアホさ加減にクスクス笑い、お利口な犬に「ほぉー」と感心。
    ポチと3匹の犬達との毎日はほのぼのしていて、なんだか幸せな気分になる。
    久しぶりにハマった町田作品。
    シリーズ物の最新作みたいなので、これまでの本も読みたくなった。

  • 町田康作品を読むのは3冊目だと思う。
    1冊目は人に嫌がらせをする話で、2冊目は口から素麺を垂らして歩く話。
    それらと比べると非常に読みやすかった。

    ペットの視点で語られる小説といえば『吾輩は猫である』がまず思い浮かぶわけだが、『吾輩~』のような人間社会への皮肉はなく、皮肉っている風の馬鹿話が続くだけなので気楽だった

  • 圧倒的猫派のわたしが、ついにやっと、犬エッセイにも手を出しました!!!(?)
    猫ぜんぜん出てこないじゃない!(?)
    でも前に講演きいたとき、犬と猫は会わせてないっておっしゃってたから当然か!

    ちょっと前に図書館できまぐれに借りてきて知らずに読んでしまったんやけど、無邪気でかわいいスピンクさんに合掌
    前の2冊も読もう…

  • んー…これは割かし面白かったですね! このスピンク日記とやらのシリーズ、どうにも猫ちゃんシリーズと比べて好かんかったのですけれども、著者が描くのに慣れてきたのか、前の二冊に比べてクオリティとか上がっていると思うんですけれども…!

    まあ、そんな感じで犬とか飼っていない僕ちんでも楽しめる著書でした。まあ、町田さんのファンなら楽しめるでしょう、きっと!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    飼い犬から見た町田さんはかなり神経質と言いますか、気難しい感じのお方だと察せられるのですが、実際のところはどうなんでしょうか…? まあ、そんなわけで町田さんの奥さんとかもご登場されて楽しい日記でした♪

    おしまい…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 前々作が1番面白いかなぁ^_^;

  • スピンクシリーズの3冊目。
    1冊目の衝撃はもうどこにもなくて、
    前作同様、普通に犬エッセイという感じに。

  • 吾輩は猫である、というのも人間常識と思っていてもいろいろおかしいとこがあるじゃないですか、という作品という側面があって、本書も、というか町田康はいつからか代わり映えしないトーンのエッセイが何年も続いているようで、といってもリアルタイムで追っかけているわけではないので確かではないですが、といってこれはむしろ賞賛の言葉であって、というのもこれは延々とブルースのレコードを出し続ける、そんな流行の潮流に毒されないミュージシャンの気風のようなものを感じるからですね。つるつるの壺系列のタイトルですし。

  • 『スピンク日記』の、本屋で立ち読みの際「笑いたい、でも本屋で立ち読みして笑いよる恥ずかしさ」と葛藤したあの面白みの感動が、なかった。
    この本は自宅で読んだ。場所のせいか。

  • 動物はどちらかというと子どもの頃より苦手なのですが、スピンクは大好きです。スピンクのようにどの動物も人間と会話ができるとわたしの苦手意識も解消されるのですが。飼い主のポチのことを良く観察し、常にポチを励まし(なぜならポチがお仕事をしないとスピンクとキューティーとシードの食事とおやつが買えないので)、ポチとスピンクの強固な絆をほほえましく感じています。つづきを楽しみにしています。いつかの日に、わたしがジョギング中に犬に敵対される(飼い主が土佐の一本釣りの形容になり、飼い犬が飛びかからんばかりに吠える)原因について、ポチが考察してくれるとうれしいです。

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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