ヨイ豊

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197762

感想・レビュー・書評

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  • 2016年5月西宮図書館

  • 江戸末期、名だたる浮世絵師がそろい踏み、浮世絵の世界が爛熟期を迎えていた。明治維新の大きな波風が押し寄せようとしているが、その気配はまだない。しかし、あたかも熟し過ぎた果実がぽとりぽとりと落ちるように、広重、国芳、そして豊国、当代の名だたる絵師たちが亡くなっていく。歌川一門の頭領、豊国の後継は誰か?世論や版元や絵師たち、歌舞伎役者たちまでもが、その行方に注目していた。そこそこの技量で真面目が取り柄、三代豊国の娘婿の清太郎、破天荒だが天才肌の八十八、二人の弟子を軸に絵師の矜持、空白の浮世絵界を描く。

  • 直木賞候補作品だったので、内容も知らずに図書館で予約w
    人気作品は、忘れた頃にやってくる~~www

    なんと!浮世絵師 歌川一門の話?面白そう~~~!!!
    三代歌川豊国没後、三代の娘婿で真面目な凡才清太郎と破天荒な天才弟弟子八十八やそれを取り囲む人々の絡み合いが非常に面白い!

    そして、幕末の移り変わり激しい世の中で、時代の流れに逆行し、必死に浮世絵を守ろうとする清太郎が泣かせる。
    もうねー、なんか、江戸はいいなぁ!!って感じw
    そう、やはり世も人もこの小説も、粋なのである~~!!!

  • 最初は、似たような名前が複数出てくることから、通勤電車なので少量を分けて読んでいる身としては、少しとっつきにくくはあったが、後半に入って名前に親しみが出ると、一気にのめりこんでいった。幕末を町人の視点で描いた作品。江戸っ子の矜持や、江戸時代数百年の中で自然に根付いた文化の美しさを感じることができた。
    後半は、やや涙目になるシーンも。。

  • 天賦の才には恵まれなくても、ひたすら三代歌川豊国を敬い、そして江戸絵を慕う清太郎の終生を描く。実直さを評価され、師匠に引き立てられるも兄弟子からやっかみを買う。さりとて弟弟子である八十八の才能には及ばず、自身が抱く妬みと期待に苛まれる。そんな絵師の物語は、どこか釈然としないまま展開する長編に、正直焦れる。蔦屋さん、ここではシビアな中にも情のある商人としてご登場だ。浮世絵とは絵師、彫師、摺師たち合作の職人芸であるが、しょせん大衆向け大量摺りの雑駁画に過ぎぬのか。ときに西洋にかぶれ、幕府の築いた文化を蔑んだばかりに、日本固有の多くのワザとモノとを失う。もうひとつ、ココロも。いやあ、惜しい。

  • 「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展を見た直後、タイムリーに読了。

    物語は、歌川広重、歌川国芳、三代豊国が亡くなった後から明治にかけての豊国一門の話。
    豊国の名前を継ぐ事の重さに苦しみ、弟子の才能を目の当たりにして妬ましく思うとともにその先を楽しみに思う清太郎。

    前半は物語があまり進まなかったけど、最後は良かった。
    挿絵に浮世絵が入っていると、もっと良かったな。
    江戸が終わり、機械化の波に押されて職人の技術が消えていくのが悲しかった。

  • ジャンルは全然違うけど、映画『アマデウス』を思い出した。
    類い稀な才能を持ち、私生活がめちゃくちゃな八十八は、どこかモーツァルトっぽい。一方の清太郎は、八十八の技量を妬んだところで、どうしたって映画のサリエリのように冷酷にはなれない。そんな兄弟子の煮え切らない心理も、作品の読ませどころだと思う。
    終章が心に染みる。時代の波に抗い続けた八十八がかっこよかった。
    それにしても、タイトルの意味が悲しすぎる…。

  • 結構評判良さそうだったんで読んでみたけど、うーん、そうでもなかったかなー。
    でもまぁかなりボリュームある本を最後まで読ませるんだから、悪くはないか。

    浮世絵師と一言に言っても、すごく大勢いて、しかも何代目、という風に続いてて、今の歌舞伎のような感じかな。
    絵師として悩み、苦しみ、また楽しみ、幕末の動乱に巻き込まれながら精一杯生き抜く人々。

    一人一人の絵を見てみたいという気になった。

  • だらだらと説明が続き、読み進むのに時間がかかった。
    でも、町絵師の気持ちがよく分かった。
    自分が好きなものが、時代のせいでなくなるのは悲しい。
    良いものは良いのにね。
    ・・・どうして娘の名前を出せないの?

  •  元治元年、三代目歌川豊国(初代国定)没。タイトルの『ヨイ豊』は、三代の娘婿・清太郎(二代国定、後に四代豊国)のこと。カバーや見返しの絵の作者。卒中で倒れ、手が震え絵が描けなくなる。明治期、西洋の文化がもてはやされる中、江戸の錦絵はすたれていく。豊国の画風を錦絵を遺したい、清太郎の思いは、弟弟子のハ十八(国周)や弟子の雅之助らに引き継がれていく。

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著者プロフィール

東京都生まれ。05年「い草の花」で九州さが大衆文学賞大賞を受賞。08年「一朝の夢」で松本清張賞を受賞し、同作で単行本デビューを果たす。’15年、幕末に浮世絵を守り抜こうとした絵師たちの姿を描いた『ヨイ豊』で第154回直木賞候補になり、歴史小説家として大いに注目さる。その他の著書に『花しぐれ 御薬園同心 水上草介』『連鶴』『墨の香』『父子ゆえ 摺師安次郎人情暦』『赤い風』『はしからはしまで みとや・お瑛仕入帖』『番付屋新次郎世直し綴り』『お茶壺道中』『とむらい屋颯太』などがある。

「2019年 『北斎まんだら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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