だれもが知ってる小さな国

著者 :
  • 講談社
3.96
  • (146)
  • (197)
  • (135)
  • (15)
  • (0)
本棚登録 : 1927
レビュー : 242
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197977

作品紹介・あらすじ

ヒコは「はち屋」の子供。みつ蜂を養ってはちみつをとり、そのはちみつを売って暮らしている。お父さん、お母さん、そしてみつばちたちと一緒に、全国を転々とする小学生だ。あるとき採蜜を終えたヒコは、巣箱の置いてある草地から、車をとめた道へと向かっていた。
「トマレ!」
鋭い声がヒコの耳を打ち、反射的に足をとめたヒコの前に、大きなマムシが現れた――
村上勉の書き下ろし挿画がふんだんに入った、豪華2色印刷

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ヒコは、蜜蜂を養いその蜂蜜を売る養蜂家、「はち屋」の子ども。お父さんお母さん、蜜蜂たちと一緒に、花を追いながら全国を転々としている。小学3年生の北海道の夏、ヒコは同じはち屋の子供、ヒメと出会う。
    そしてその年、ヒコにもう一人特別な、絶対誰にも言ってはいけない友達ができる。とてもすばしっこく、とても小さな友達が。

    とってもハートフルなコロボックル物語♪
    この小さな人たちの世界が、ずっとこれからも続いていってほしい…、ヒコとヒメの「守りたい」という純真で真っ直ぐな気持ちに胸が熱くなり、人とコロボックルの間で脈々と結ばれてきた絆に最後は涙が溢れました。

    初版はなんと60年前!たくさんの人たちに読み継がれてきた佐藤さとるさんのコロボックルの物語。
    私も小さい頃読んで、コロボックルが自分にも会いに来てくれるかも…と、寝る前にちょっぴり窓を開けてみたり、手紙を置いてみたり、食べ物を置いてみたり、机の上の配置を覚えておいたり、色々したよね。
    それぞれの人が心の中で大切にしてきたコロボックルの世界があるから、その後継者になるというのはとても勇気が必要で、怖いことなんじゃないかと思うのです。
    でも有川さんは、佐藤さとるさんの築いた世界観を大切に、有川さんらしさを出しながら、新しい時代にまでこの世界を拡げていて。さすがだなぁ!と感嘆しきり。
    有川さん、バトンを受け取って下さってありがとう!と感謝の気持ちでいっぱいです。

    私自身は見たことも感じたことも会ったこともないけれど、物語の中だけでなく、きっとこの世界にも人間以外の世界はあるのだろうなとずっと信じているのです。
    子供達は2歳くらいまで、何もないところに微笑んだり手を振ったり指さしたりすることがあり、何か見えてるんだろうなぁって。そういうのを目撃すると、おおっ何かいる?と嬉しくなってしまう私。
    でもコロボックルは子供だけでなく、大人になってからも会えるんだもん、私にもまだチャンスある?いやさすがにもう遅いか(笑)
    これからもそういう気持ちは忘れずにいたいなぁ。

    ヒコとヒメの子供達の代まで、ずっと見ていたい♪続きもきっとあるんだろうと思うと、今から本当に楽しみです!

    • nejidonさん
      マリモさん、こんにちは(^^♪
      いつも「いいね」を下さってありがとうございます。
      あまりの懐かしさにコメントします。
      佐藤さとるさんの...
      マリモさん、こんにちは(^^♪
      いつも「いいね」を下さってありがとうございます。
      あまりの懐かしさにコメントします。
      佐藤さとるさんの世界にすっかりハマって過ごした少女時代を思い出しました。
      ええ、確かに本気にして、コロボックルをキョロキョロ探してました。
      有川さんは佐藤さんの遺志を受け継いだ形でしょうか。嬉しいお話です。
      とても楽しいレビュー、ありがとうございました!
      2020/01/19
    • マリモさん
      nejidonさん
      こんにちは!
      いいねとコメントありがとうございます。
      いつも私も楽しくレビューを読ませていただいております。

      neji...
      nejidonさん
      こんにちは!
      いいねとコメントありがとうございます。
      いつも私も楽しくレビューを読ませていただいております。

      nejidonさんも佐藤さとるさんの世界にはまったお一人だったのですね♪嬉しいです!(^^)見つけることはできなくても、その時の記憶はずっと心の中に残っていたようで、懐かしさもありながら新鮮でもあり、とても楽しめました。有川さんは、まだ佐藤さとるさんがご存命のときに直接、続き書いてみないかと言われたらしく、あとがきにも佐藤さとるさんの言葉がありました。
      コロボックルに会えるんじゃないかと期待して、痕跡を探してみたり交信しようとしていた元少年少女に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
      2020/01/19
  • 「コロボックルって本当にいるの?」

    主人公ヒコは、蜂屋の息子だった。
    蜂は暖かい場所で蜜を作るので、蜂の活動しやすい気候に合わせて、夏は北海道、冬は福岡に転校を繰り返していた。

    北海道で出会った可愛らしい少女のヒメも同じく蜂屋の娘。
    大人の嫌味にはっきり言い返す意志の強さを持ち、ミノルのような守らなくれはいけない大人には優しく接する、心の優しい少女だ。

    北海道の地で2人は出会い、「コロボックル物語」を通じて仲良くなる。
    コロボックルが見える秘密を、2人は大人になるまで守り抜き、コロボックル達もそんなヒコとヒメの結婚の際には集まって祝杯をあげた。

    純粋な心を持つ登場人物たちと、コロボックルという組み合わせがマッチしていて、心がポカポカと暖かくなる、そんな素敵なお話だった。

  • 「だれも知らない小さな国」のオマージュ

    花を追って蜂と共に旅をする「はちや」
    ヒコとヒメとコロボックルの優しい物語

    子供のころ大好きだった、あの本たちの世界を思い出しました。
    有川さんも、きっと夢中になって読んだのだろうな

  •  昔、子供の頃に読んだコロボックルシリーズの新作。
    物語の紡ぎ手は、佐藤さとるさんから、有川浩さんへバトンタッチ。
    シリーズ全6作中、おそらく2~3冊しか読んでいなかったと思うけど、大人になってからコロボックルの世界に再び浸れるなんて、思いもしなかった。
    懐かしくて嬉しかった。

     騒々しい出来事や、困った大人たちは登場するものの、根っから悪い人たちではない。騒動もまるく収まる。
    優しい人たちを、実はずっとそばで見守っている小さな人たちが、この上なく愛おしい。小さな人たちの世界を守ろうとする優しい人たちの奮闘もまた、美しい。
    どこまでも優しくて、清々しくて、心が洗われるようだった。

  • あったかい!
    とにかくあったかい。
    物語を読んでこんなあったかくなったのは久しぶりだ・・・

    ここ最近のなんだかただ本を読むという行為になってしまっていた自分をいさめるように、
    単純に本を開いて物語の中に入っていく楽しさやワクワク、心があったかくなる感じを思い出させてもらった。
    現代版コロボックルハリーがすごく好き。
    佐藤さんが書くコロボックルとは少し違った味が出ていてとってもいい!

    しかも途中に入ってる絵が沢山あって、おまけに2色刷り!
    紙もなんだか優しい風合いでなんて愛しい本なんだ・・・とほんわかした。

  •  佐藤さとるさんの「だれも知らない小さな国」などのコロボックルシリーズを受けて新しく書かれた物語。

     比古(ヒコ)は、「ハチ屋」の息子で小学3年生。「ハチ屋」とは養蜂業のことで、日本の各地で咲く花の蜜を追いかけて、季節ごとに移動する。
     いつもの夏のように、比古は家族と一緒に北海道の学校に転校してきた。毎年夏限定の生徒で、クラスメイトも知った顔だけど、その年は僕のほかにもう一人転校生がいた。その子の名前は比売(ヒメ)で、今年からお父さんが「ハチ屋」の跡を継ぐという。

     ヒコとコロボックルの出会い、北海道の花々や木々の風景、ヒコやヒメの心情などが生き生きと描かれていて、有川さんの文章のすごさを改めて感じました。自然の中、特に木や草花の描写が素晴らしい。
     佐藤さとるさんのコロボックルシリーズを受けて書かれていますが、有川さんらしい、幸せな気分になる一冊です。

  • 佐藤さとる氏のコロボックルシリーズ、子供のころに読んでいるはずなのだが、どんな話だったか?
    さっぱり記憶にない。
    が、有川浩が続編を書いたとき、周囲ではけっこう話題になった。喜ばれていた。

    この話はまさに継ぐ ことがテーマなのであろう。
    継ぐ、継がせる とは子供を育て見守る、そして理解する日を待つことだろうか。
    主人公たちはそれなりに適性を持つ子たち。
    面白いのは、いくぶん障害のある 弱い輪も登場することだろうか。

    ある社会が生き延びようとするときに強い者だけを揃えても諍いがおきる。だが、弱い者 守ってやらなければいけないものが混じると、その集団は かえって強固になる。
    では 小さい人たちは 守ってやるべき存在? 弱い輪は?そこには守り守られの関係が築かれている。
    共存。
    互いをよく知るからこそ築ける関係。
    テレビでは理解できない、築くことができない関係。

    バリバリに頑張る話じゃなくて、ちょっと安心(^^)

  • 「コロボックル」…アイヌ民族の昔話に出てくる小人。
    アイヌ語で、ふきの葉の下の人って意味。
    佐藤さとるさんの「コロボックル物語」を現在に継承したお話。


    大人になったヒコが二十年前の小学三年生の頃を思い出して、
    語ってるシーンから始まります。
    ヒコは「はち屋」の子供。
    ミツバチを沢山飼って、はちみつをとり、そのはちみつを売って暮らしている。
    お父さん、お母さんそしてミツバチたちと一緒に花の盛りを追って、
    南から旅を始め、北へ北へと移り住んでいく。
    一年に五回転校する小学生。
    はち屋の子供は、なかなかタフネスなのだ。
    小学三年生のヒコは、北海道の小学校で同じくはち屋の子ヒメに出会い、
    そして小さな友達が出来た…。
    優しくゆっくり時間の流れてるミノルさんとの友情も良かったな。

    沢山登場する樹や花々…。
    森の小道や風景、草の香りや澄んだ空気すら感じられる様でした。
    読書の楽しさや素晴らしさも伝えられていた。
    私達の周りに、本当にコロボックリがいるかもしれない…。
    いると良いなぁって思った。
    最後に、色々な繋がりが明かされ、ウルウルしながら読みました。

    全体的に優しい空気が流れてて、ほっこり。
    気持ちがとってもあったかくなりました。
    村上勉さんの挿絵が沢山あって、それもとっても良かった。
    漢字にルビも振ってあって、子供から大人まで楽しめる本でした。

  • 読んでみたかった有川さんのコロボックル。
    期待どおりの世界が広がり、この歳でもワクワクする。
    コロボックル、いるかも知れないと思うだけで笑みがこぼれる。
    子供の頃読んだコロボックルシリーズ再読したい。

  • 子どもの頃、夢中で読んだあの物語に、また出会えた。
    何度も何度も読んで、いつか私のところにもコロボックルが会いに来てくれるに違いない、とその日を待ち続け、会えないままいつの間にか大人になってしまった私のところに、こんな形でコロボックルがまた現れるなんて。
    ヒコとヒメの新しい物語を、コロボックルたちを待ち続けたかつての子どもたちへそっと贈りたい。
    小学三年生で「だれも知らない小さな国」を読み、その日を待ち続けながら大人になってしまったあと、「だれもが知ってる小さな国」を読む。これがこの国の正しい成長の仕方なのだ。

全242件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

有川浩(ありかわ・ひろ)
高知県生まれ。二〇〇四年『塩の街』で電撃小説大賞大賞を受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊三部作」、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』など著書多数。

「2017年 『ニャンニャンにゃんそろじー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

有川浩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
恩田 陸
三浦 しをん
有川 浩
辻村 深月
辻村 深月
有川 浩
有効な右矢印 無効な右矢印

だれもが知ってる小さな国を本棚に登録しているひと

ツイートする
×