だれもが知ってる小さな国

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1608
レビュー : 220
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197977

作品紹介・あらすじ

ヒコは「はち屋」の子供。みつ蜂を養ってはちみつをとり、そのはちみつを売って暮らしている。お父さん、お母さん、そしてみつばちたちと一緒に、全国を転々とする小学生だ。あるとき採蜜を終えたヒコは、巣箱の置いてある草地から、車をとめた道へと向かっていた。
「トマレ!」
鋭い声がヒコの耳を打ち、反射的に足をとめたヒコの前に、大きなマムシが現れた――
村上勉の書き下ろし挿画がふんだんに入った、豪華2色印刷

感想・レビュー・書評

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  • 子どもの頃夢中になって読んだコロボックル物語の新作を、今、そして恐らくこれからも読めることがほんとうに幸せ。

    佐藤さとるさんのオリジナルの世界観はそのままに、有川さんのテイストが上手く織り込まれて新しいストーリーが紡がれていた。物語の世界に入り込んで、一気に読んでしまった。村上勉さんのイラストも変わりなく温かで素敵。
    まるで日本の伝統工芸が若い世代に受け継がれていく様を見るよう。古くて新しくて素晴らしい。

    この歳で、コロボックルはきっとどこかにいる、と言ったらきっと笑われてしまうだろうけれど、そう信じる気持ちはこれからも大切にしていきたい。そう、ヒコのお父さんがコロボックルをテレビの人たちから守る時の言ったことのように。

    ヒコとヒメの新しい生活、若いコロボックルの活躍、などなど、今後につながる要素がたくさん出てきていて、次の作品がもう待ち遠しい。それまでの間は、佐藤さんのコロボックル物語と、有川さんのこの作品を何度か読み返しながら、ゆっくり待っていようと思う。

  •  佐藤さとるさんの「だれも知らない小さな国」などのコロボックルシリーズを受けて新しく書かれた物語。

     比古(ヒコ)は、「ハチ屋」の息子で小学3年生。「ハチ屋」とは養蜂業のことで、日本の各地で咲く花の蜜を追いかけて、季節ごとに移動する。
     いつもの夏のように、比古は家族と一緒に北海道の学校に転校してきた。毎年夏限定の生徒で、クラスメイトも知った顔だけど、その年は僕のほかにもう一人転校生がいた。その子の名前は比売(ヒメ)で、今年からお父さんが「ハチ屋」の跡を継ぐという。

     ヒコとコロボックルの出会い、北海道の花々や木々の風景、ヒコやヒメの心情などが生き生きと描かれていて、有川さんの文章のすごさを改めて感じました。自然の中、特に木や草花の描写が素晴らしい。
     佐藤さとるさんのコロボックルシリーズを受けて書かれていますが、有川さんらしい、幸せな気分になる一冊です。

  • 佐藤さとる氏のコロボックルシリーズ、子供のころに読んでいるはずなのだが、どんな話だったか?
    さっぱり記憶にない。
    が、有川浩が続編を書いたとき、周囲ではけっこう話題になった。喜ばれていた。

    この話はまさに継ぐ ことがテーマなのであろう。
    継ぐ、継がせる とは子供を育て見守る、そして理解する日を待つことだろうか。
    主人公たちはそれなりに適性を持つ子たち。
    面白いのは、いくぶん障害のある 弱い輪も登場することだろうか。

    ある社会が生き延びようとするときに強い者だけを揃えても諍いがおきる。だが、弱い者 守ってやらなければいけないものが混じると、その集団は かえって強固になる。
    では 小さい人たちは 守ってやるべき存在? 弱い輪は?そこには守り守られの関係が築かれている。
    共存。
    互いをよく知るからこそ築ける関係。
    テレビでは理解できない、築くことができない関係。

    バリバリに頑張る話じゃなくて、ちょっと安心(^^)

  • 読んでみたかった有川さんのコロボックル。
    期待どおりの世界が広がり、この歳でもワクワクする。
    コロボックル、いるかも知れないと思うだけで笑みがこぼれる。
    子供の頃読んだコロボックルシリーズ再読したい。

  •  昔、子供の頃に読んだコロボックルシリーズの新作。
    物語の紡ぎ手は、佐藤さとるさんから、有川浩さんへバトンタッチ。
    シリーズ全6作中、おそらく2~3冊しか読んでいなかったと思うけど、大人になってからコロボックルの世界に再び浸れるなんて、思いもしなかった。
    懐かしくて嬉しかった。

     騒々しい出来事や、困った大人たちは登場するものの、根っから悪い人たちではない。騒動もまるく収まる。
    優しい人たちを、実はずっとそばで見守っている小さな人たちが、この上なく愛おしい。小さな人たちの世界を守ろうとする優しい人たちの奮闘もまた、美しい。
    どこまでも優しくて、清々しくて、心が洗われるようだった。

  • あったかい!
    とにかくあったかい。
    物語を読んでこんなあったかくなったのは久しぶりだ・・・

    ここ最近のなんだかただ本を読むという行為になってしまっていた自分をいさめるように、
    単純に本を開いて物語の中に入っていく楽しさやワクワク、心があったかくなる感じを思い出させてもらった。
    現代版コロボックルハリーがすごく好き。
    佐藤さんが書くコロボックルとは少し違った味が出ていてとってもいい!

    しかも途中に入ってる絵が沢山あって、おまけに2色刷り!
    紙もなんだか優しい風合いでなんて愛しい本なんだ・・・とほんわかした。

  • 子どもの頃、夢中で読んだあの物語に、また出会えた。
    何度も何度も読んで、いつか私のところにもコロボックルが会いに来てくれるに違いない、とその日を待ち続け、会えないままいつの間にか大人になってしまった私のところに、こんな形でコロボックルがまた現れるなんて。
    ヒコとヒメの新しい物語を、コロボックルたちを待ち続けたかつての子どもたちへそっと贈りたい。
    小学三年生で「だれも知らない小さな国」を読み、その日を待ち続けながら大人になってしまったあと、「だれもが知ってる小さな国」を読む。これがこの国の正しい成長の仕方なのだ。

  • 子供の頃大好きだったコロボックル物語。
    そのオマージュ的作品と知って読みたいと思っていた本。

    一気に読んで ホッコリ。

    また佐藤さとるさんの作品も読みたいと思ったし、この本も図書館で借りたのだけど、佐藤さとるさんのものとあわせて買おうと思う。

    さらに…ブクログをみていたら植物図鑑の作者と同じだった。なるほど。

  • あたたかい物語。ふわっと幸せな気持ちになった。アイヌ民族のこと、各地の小人の言い伝えのことを知りたくなった。そして何より題名だけ知っていた『だれもしらない小さな国』を読みたくなり早速予約した。

    小さな者達を愛する優しくて賢い人々の物語。蜂屋という仕事との関係もいい。八百万の神。自然からの恵みのおかげで暮らしていることをきちんとわかっている人間たちだからこそ、コロボックルと友達になることができたのだと思う。コロボックルと人間がお互いに大切に想いあい、守りあってきた輪が代々続いてきたこと、これは自然と人間との関係にも通じると思う。
    「ぼくたちは大人から受けた愛情を、子どもたちへと返して、この優しい輪を、いついつまでも伝えていかなくてはならないのだ」
    これが有川さんが描きたかったことだと思う。

    「何かを見つけようとしている人間ほど何も見ていない」という文にどきりとした。

  • ほのぼのした気持ちになりました。ピュアな2人が幸せになってくれて良かった。

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著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

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