決戦!本能寺

  • 講談社
3.29
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本棚登録 : 262
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062198035

作品紹介・あらすじ

累計六万部突破!「決戦シリーズ」第三弾!!
戦国のいちばん長い夜――本能寺の変。

葉室麟(斎藤利三)
冲方丁(明智光秀)
伊東潤(織田信房)
宮本昌孝(徳川家康)
天野純希(島井宗室)
矢野隆(森乱丸)
木下昌輝(細川幽斎)

豪華メンバーがみたび集結!
乱世の英雄・織田信長を、討った男、守った男、そして、何もできなかった男たち――。
その瞬間には、戦国のすべてがある。

感想・レビュー・書評

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  • 濃密の一冊。

    七人の作家さんが描く本能寺の変、そこに至るまでのストーリー。

    誰もが知る、文句なしに惹かれる1582年の歴史の一幕。
    だからこそどんな時間やどんな濃密な関係や思惑が交差していたのか常に作家さんは独自の構想で描きたくなり、読み手は知りたくなるんだろうな。

    改めて一夜にして散った儚さと濃密な時間を感じた。
    もちろん、あくまでも創造でしかない世界だけれど、あの時の妙覚寺での信忠サイドの時間を味わえた伊東潤さん、信長が光秀へかけた言葉の裏に隠された思いや光秀の決意までの経緯を知れた冲方丁さんの作品が印象的。

  • 本能寺に関わった様々な人を、それぞれの作家目線で書いてあり、面白い。

  • またまたいろんな話が出てきて面白かったです。この本ではあまり知られてない行動などがたくさん書いてあってとても興味深かったです。例えば天野純希さんの島井宗室などは初めて聞きました。矢野隆さんの森蘭丸の織田信長に使える前の話などは初めて聞きました。他のシリーズも読んでいきたいです。

  • 本当は何があったのだろう。
    それがわからないから面白い。

  • 決戦シリーズ、連作短編集。
    伊東潤、矢野隆、天野純希、宮本昌孝、木下昌輝、葉室麟、冲方丁。文句なしな作家が続く。
    従来の本能寺にひねりを加えた作品が多く、大変読み応えがあった。
    巻頭の伊東潤氏の覇王の血、数奇であり、大変な生涯であった織田源三郎信房に焦点をあてており、面白い。

  • 「覇王の血」(織田信房)/伊東潤
    「焔の首級」(森乱丸)/矢野隆
    「宗室の器」(島井宗室)/天野純希
    「水魚の心」(徳川家康)/宮本昌孝
    「幽斎の悪采」(細川幽斎)/木下昌輝
    「鷹、翔ける」(斎藤利三)/葉室麟
    「純白き鬼札」(明智光秀)/冲方丁

    幽斎の短編を既読だったので、あれっ、いろんな作家さんの描いた本能寺の変絡みの短編の寄せ集めなのかな、と思ったけれど、
    発行年をみてこちらの企画が先にありきで、こういった企画で描かれた作品を集めたものが、木下さんの「兵」だっとという背景を知った、なるほど。

    はじめて作品に触れる作家さんも半分くらいいたのだけれど、こういう企画にお声がかかるくらいだから、この方が描くなら読みたいと読者に思わせる編集側の色眼鏡に叶う名手揃いということなのだろうな。
    いまちょうど大河も明智光秀だし、本能寺を舞台に描くからにはすべての作品に信長と光秀はもちろん、登場人物はかなり重なって出て来るわけで、それぞれの書き手の描くキャラ設定の違いなども味わえるし、
    どんな名将であれ悪鬼の面も仏の面も弱い面も持っていたであろう人間らしさを、複数の視点観点から見せられるのはとても深い読み応えがあった。
    私は冲方さんの描いた光秀がいちばん好きだったなあ。きっと賢過ぎたんだろうというイメージそのままだった。
    決戦シリーズ、島津一族だけでやってほしいなあ
    ローカルでも企画してくれないかなあ。面白かった。満足。

  • 7人の作家による7人の武将をメインにした短編集。
    全部「本能寺の変」を主題にしていました。

    結局は、なぜ明智光秀さんが主君であった織田信長さんを討つに至ったのかなんだけど、これはいろいろな解釈があって面白い。

    なので、この本の楽しみ方は、その「なぜ」が納得できるかもあるし、自分が思わなかった考え方を気づかせてもらう部分もあるし、こんな人間関係もあったのかと知識を授けてもらうこともあるんだけど…。

    作家さんの好みや力量を比較する楽しみもありました。
    メインの明智光秀さんを担当した冲方丁さんは『光圀伝』のときも思ったけれど、何だか薄いんだよね。
    もっともらしい文章を書いているんだけど、どうも表現と言いたいことのバランスが悪い。

    水戸市は『光圀伝』の大河ドラマ化を前々からアピールして活動しているけれど、原作はページ数の割に内容が薄いので、思うに「『水戸黄門』ではなく、素の光圀さんを主人公にした大河ドラマをやって!」ってことを主張したほうが良く、原作を『光圀伝』に特定して活動しているのが案外敗因なのではないかと思いました。

    話ズレたかな…。
    斎藤利三さんを担当した葉室麟さんも弱かったです。

  • 本能寺の変にまつわるアンソロジー。色んな作家さんの描く、色んな人物からの視点で描かれる、本能寺。同じ武士でも視点を変えれば違った側面が見えるし、伝えられている逸話も色々な解釈があって面白い。
    2018/11/6

  • まあまあかな

  •  新聞の書評欄で紹介されていたので手にとってみました。「決戦!」シリーズになっているんですね。本書は「本能寺」を舞台に、“変”に関わった人物7名を7人の作家がそれぞれの視点で描いていきます。伊東潤(織田信房)・矢野隆(森乱丸)・天野純希(島井宗室)・宮本昌孝(徳川家康)・木下昌輝(細川幽斎)・葉室麟(斎藤利三)・冲方丁(明智光秀)といった具合です。
     なかなか面白そうな企画だと期待して読んだのですが、かなり拍子抜けで私には全く合いませんでした。
     歴史小説といえば、司馬遼太郎・海音寺潮五郎あたりの「古典的」なものをイメージしてしまう世代でもあるせいでしょうか、こういった超短編は、どの作品も如何せん中途半端な印象が拭えません。
     ある程度のボリュームなら、そのストーリーの中で、自然と登場人物の出自やその他の人物との関りが語られていくのですが、本書のような短編になってしまうと、それらの背景や伏線がいきなりストレートに「説明」されてしまうのです。これでは、それぞれの作品が、歴史上のエピソードの解説文にちょっとしたオチがついたようなものになってしまうのも無理からぬことだと思います。
     「豪華メンバーがみたび集結!乱世の英雄・織田信長を、討った男、守った男、そして、何もできなかった男たち――。その瞬間には、戦国のすべてがある。」という宣伝文が躍る本ですが、かなり?ですね。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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