- 本 ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062198189
作品紹介・あらすじ
放蕩三昧の
馬鹿息子に祟る「黒い影」!?
曰く品が揃う皆塵堂の
新たな居候は大店(おおだな)の倅
とぼけた笑いとあと引く怖さ
面白さ抜群の「人情怪談騒動記」!
円九郎、菊三郎、金吾は、立派な店の倅たちだが、遊び歩いてばかりの放蕩息子。
親から金を渡されなくなった三人は、賽銭泥棒をしてしまう。
しかし人の形をした黒い影に襲われそうになった円九郎が叫び声をあげ、悪事が露見。
円九郎は家を追い出され、皆塵堂に預けられたが、何をやっても失敗ばかり。
そこで店主の伊平次は、「荒療治」に踏み切ることに……
感想・レビュー・書評
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シリーズ6作目。
今回は、何をやらせても駄目な放蕩息子、円九郎が皆塵堂に預けられます。彼に付きまとう“影”の正体とは・・・。
と、いうことで今回も相変わらず、安定の読み心地です。
ちなみに、巳之助の名(迷?)セリフ。「・・・男が約束の刻限に遅れてもいいのは、人の生き死にに関わる時と、出がけに猫が膝の上で寝ちまった時だけだ」が、個人的にツボでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
毎回、主人公というか奉公人が変わるシリーズ。今回は、気の弱い遊び人の若旦那。そう言えば太一郎も、ある意味、気の弱い若旦那だったか。巻が進むにつれて、太一郎もしっかりしてきたけれど、円九郎はどうかしら。
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皆塵堂シリーズ第六作。再読。
これまで様々な男たちを再生してきた皆塵堂だけど、この円九郎は一番しょうもない男。
根性なし体力なし、楽な方に流されやすくその場しのぎの嘘を直ぐに吐く。
最後までイライラした。
そんな円九郎に取り憑いている黒い影の正体を探る。
相変わらず峰吉は辛辣、伊平次はお気楽、巳之助は豪快、清右衛門は説教三昧、そして太一郎は冷静(猫に絡まれると我を失うけど)という立ち位置の描き分けがハッキリしていて良い。
円九郎、次の修業の場で体力と根性が付いてヘタレを卒業出来れば良いけど。
次はいよいよ仔猫祭り、そして完結編。楽しみ。 -
今回、皆塵堂に奉公人としてやってきた円九郎は、これまでの中で一番しょーもない男。
いわゆる放蕩息子で、仲間と古家に忍び込んで死人を悪く言ったり、人からお金を騙し取ろうとしたり、ついには賽銭泥棒まで…。
挙句の果てに家から勘当同然で追い出され、性根を叩き直すために皆塵堂に預けられることに。
でも、小僧や猫にまで馬鹿にされるほど仕事ができず、しかもどうやら悪口を言った死人の祟りまでついているようす…さてさて。
円九郎、ふがいない…と思いつつも、彼の根っこにある弱さは人間誰しも多かれ少なかれ持っているものだろうな、とも感じました。
同時に皆塵堂レギュラーメンバーの図太さを改めて感じさせられて、苦笑しつつ読了。
『迎え猫』から登場している子猫たちが準レギュラーとして端々に顔をのぞかせてくれるのがうれしい1冊でもありました。 -
古道具屋皆塵堂シリーズ最新作。
放蕩三昧の三人の馬鹿息子が(簡易)勘当されてそのうちの一人が皆塵堂に。
いつもながらのとぼけた味わいととにかく読みやすい語り口です。ただ冒頭の三馬鹿が割と不快感のある感じだったのがなんとなくなあ、と。面白かったのは面白かったんですけどね。これまでの登場人物が基本的にみんな善人だったから今回の円九郎さんのように(流されるタイプではあるものの)自分から悪事を働く人っていなかったからかな。 -
小道具屋皆塵堂シリーズ、6作目。
今回の皆塵堂の居候は、周囲に流されやすく、楽な方に逃げてばかりの大店の放蕩息子。典型的なダメダメお坊ちゃんなので、ちょっとイライラさせられるけれども、彼に対する皆塵堂のメンバーの荒療治もなかなかで、楽しかったです。ていうか、今回の怪異話、結構怖かった。ホラーとユーモアのバランスが絶妙で、大好きなシリーズです。もちろん、にゃんこもいいスパイスで、最後の太一郎が駆け込んでくる場面は笑った。これまでの居候と同様、円九郎も今後出てくるのかな。自分の大店に無事戻れる日はやってくるのかしら(笑) と、思っていたら、次作で完結??という情報を見てしまった。嫌だぁ~(泣) -
輪渡竣介さんの古道具屋 皆塵堂シリーズの第6作目。
常連の登場人物たちが、まったくぶれることなくいつもと同じような行動で、いつもと同じような活躍をするので、安心して読むことができる。
同じような活躍ばかりだと普通は飽きてしまうのかもしれないが、このシリーズでは常に霊の影がちらちらするので、そちらへの恐怖心と好奇心がマンネリ化をうまい具合に打破してくれる。
今回の主人公である円九郎の駄目さ加減は、まったくもって同情の余地がなく、感情移入が少しばかり難しかったので★ひとつマイナス。
著者プロフィール
輪渡颯介の作品





