世にも奇妙な君物語

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062198240

作品紹介・あらすじ

今年二十五周年を迎えたテレビドラマ、「世にも奇妙な物語」の大ファンである、直木賞作家・朝井リョウ。映像化を夢見て、「世にも奇妙な物語」のために勝手に原作を書き下ろした短編、五編を収録。

1 シェアハウさない
2 リア充裁判
3 立て! 金次郎
4 13.5文字しか集中して読めな
5 脇役バトルロワイアル

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。

    全体的に、ブラックだったり、シニカルだったり、人の暗部がちらつく。
    破滅に向かっていく話は、ぞくっときた。

    おもしろかったのは「立て! 金次郎」。

    自分のやり方をつらぬこうとする、幼稚園教諭。
    クレームをつける、強力なPTA。
    PTAの意向にいいなりの、幼稚園。

    相反する陣営は、どう決着をつけるのか。
    ブラックユーモアだけれど、コミカルな部分もあり、おもしろかった。

    最後の「脇役バトルロワイヤル」を読むと、この本全体がドラマの原作のように見えてくる趣向。
    実際「世にも奇妙な物語」の大ファンである筆者が、映像化を夢見て、勝手に原作を書き下ろしたのだそう。

    最終話は映像で見てみたいと思った。

  • 『世にも奇妙な物語』の大ファンの朝井リョウが映像化を夢見て、勝手に原作を描き下ろした短編集。

    どれも読みやすく面白かったですが、私は「シェアハウさない」がゾクゾクとして好きでした。

  • 「世にも奇妙な物語」は最初のうちは面白がって観ていたが、いつからか観なくなっていた。
    なんだか現実離れした設定に飽きてしまったようだ。
    この作品は、箸休め的には良いかも。

  • まさに世にも奇妙な物語のノベライズ小説風。メジャー作家なんで実写化しているのかと思いきや、実写化を夢見て勝手に書いた小説らしく、愛溢れるオマージュ。題材としてるテーマが、現代的で、いずれすぐに古くなりそうなので、実写化はもうきついかも。裏切りに満ちた小説で面白かった。

    シェアハウさない 、、、正統派ホラー枠。何故関係性のない人達が、シェアハウスで同居してるのか?にライターが迫る。いきなり意外な展開でグッと掴まれた。
    リア充裁判 、、、コミュ力を裁判する世界という現代風刺系。現実は救いがない。
    立て! 金次郎 、、、モンペを題材としたハートフル枠、と思いきや、、、バカなのは親なのか先生なのか。すごいつまんない話かと思いきや一番裏切られた。
    13.5文字しか集中して読めな 、、、ネットニュース配信会社の記者が、過激な見出しに傾倒してくなかで、その家族が、、、という話。これはオチが読めた。一番世にも奇妙な物語にありそう。
    脇役バトルロワイアル、、、脇役達が主役オーディションとして、いかに脇役らしく振る舞わないかというヘンテコ枠。登場人物はモロに実際の俳優をもじっていて、しっくりきてよくわかる。他の短編の脇役をやってたというメタ設定も面白い。

  • 「世にも奇妙な物語」を意識して書かれた短編集。
    エッセイに、この番組が大好きって書いてたな。でもTV化の話はこないとか、、、
    「第2話 リア充裁判」「第4話 13.5文字しか集中して読めな」など、現代社会への皮肉が利いた物語が多かった。

  • 最初の一話、シェアハウさないを読み進めていくと
    あれ?この本、以前どこかで見たことがあったと全身で感じた。記憶にないのだけれど、どうやら二回も読んでいたらしい。細胞レベルでデジャヴを感じてる。
    以前はどこで読んだのか・・・?まったく思いだせない。
    思いだせないけれどこの本は何回読んでも面白いと
    感じるしそれほどまでに入りやすいのだ。

    ぜひ奇妙な物語特別編で朝井リョウ氏脚本の話をやってほしい。
    しっかし朝井リョウ氏は携帯やらSNSやらを題材(しかも皮肉めいた扱いが多い)とするものが多いが、
    本人も批判的意見なのかそういうテイストが好きなんだなぁと思う。

    あ、ちなみに最後の話脇役バトルロワイヤルみたいな
    実はこれまでの話のキャラは設定として役者が監督に頼まれて演じていて「はい、おつかれでした~」みたいなエピソード、好き。

  • 世にも奇妙な物語が大好きだという著者がそれを意識して描いた物語。
    あの番組を好きな人なら、おお、それっぽい!なんて思いながら読めるはずだ。
    もちろんストーリーテラーは......。

    「リア充裁判」
    このどんでん返しは面白い。
    ありがちな設定なのだが、やっぱりやられてしまうとあまりにもありがちすぎて、騙される。
    若い作家だからかけたのだろう。
    確かに私も就活の時に、コミニュケーション能力についていろいろ考えたものだ。
    5人いる中で、何を言おうか、前の人と同じことを言ったらどうなるだろうか、っていうか、私大学生活充実していたっけ?
    たまに私も思うのだ、フェイスブックで「ハーゲンダッツの新作を食べた」「ウルトラまんを食べた」「夢の国に行った」だからなんだと。

    「13.5文字しか集中して読めな」
    ネットのニュースがあるから別に新聞いらないでしょ、と言われたことがある。
    紙の媒体なんて!
    確かに情報はたくさん出ている。
    ちゃんと配信されている。
    政治経済国際芸能生活スポーツ!
    取捨選択しているのは自分だ。
    しかし、それって本当に選んでちゃんと読んで理解しているの?
    なんでも「〜か?!」で逃げていいの?
    自分に返ってくる怖さ。
    私達は情報を選んでいる。
    だからそこにあるおごりや怠慢にも目を向けなければいけないのだ。

    「脇役バトルロワイアル」
    これぞ奇妙な物語の醍醐味と言った作品。
    本書を読んでいて初めに感じた、この登場人物の名前って、.......という気持ち。
    あれをそのまま持ってきたよ、この作家は!
    この著者の作品の中で一番面白い作品かもしれない。
    挑戦的な登場人物達に笑った。
    主人公は誰でもできる。
    周りを固めるのはやはり彼らじゃないと。

  • 世にも奇妙な物語っぽい話。
    「シェアハウさない」共同生活する理由は人それぞれ。とはいえ、大半が金銭面だと思ってたから、それ以外の理由が妙に気になって最後納得。だけど、だからってこの終わり方はキツイ。
    「リア充裁判」コミュニケーション能力は大事だけど、何をもってその能力を判断するのか。極端な例を出してたけど、どっちもどっちと思ってたら、まさかの幻想。キラキラ過ぎるのも引くけど、暗すぎる。
    「立て、金次郎」一番の衝撃。運動苦手な子に放送係なんてキレイな終わり方だと思ったのに。物事ってみる角度によって真逆の意味合いになるから怖い。結局は保護者が上手だった。
    「13.5文字しか集中して読めない」子供が酷すぎる。香織が身勝手。憧れるのは勝手だけど、自分の価値観を人のせいにしすぎてる。言葉が達者な人ってもっともらしいこと言うから、言いくるめられそうになるのを、自分自身反省。ただ、自分の価値観だけでなく、読み手のアクセス数とかで判断される仕事は、きれいごとだけでは務まらないだろうから、厳しい世界なんだろうな。
    「脇役バトルロワイアル」架空の?!オーディション最終選考。脇役の役割なんて、重要性は分かってたつもりだけど、文字で説明されると妙に納得。今までの話に出てきた人が出てきたのはナイス。

  • 余韻を残すバッドエンドな感じが世にも奇妙な物語っぽいなあと思いながら読んでたら、最後の章がゴリゴリのメタギャグもので笑った。

  • 最高に面白かった!!『世にも奇妙な物語』のパロディ。5つの話はどれも奇妙で風刺がきいていたり、ちょっとしたどんでん返しがあったり。もっと読みたーい!

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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