[現代版]絵本 御伽草子 うらしま (現代版 絵本御伽草子)

  • 講談社
3.15
  • (2)
  • (4)
  • (17)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 131
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062198332

作品紹介・あらすじ

海で失踪した兄を追って、わたしは不思議な甕の底の世界へ迷い込む。たどり着いた竜宮城で待っていたものは――?注目の詩人にして作家・日和聡子と人気画家・ヒグチユウコが描きだす、妖しくも魅惑にみちた異界への誘い。
人気作家の自由な想像力で、あの「おとぎ話」が新しい文学になった!美しい絵と共に贈る愛蔵版「絵本 御伽草子」シリーズ最新刊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • =魔物たちが誘う、妖しくも魅惑にみちた異界への旅=

    日和聡子&ヒグチユウコということで借りてみた。
    もうアートです。アート。

    うつぼ、ウミヘビ、リュウグウノツカイがリアル。ただしイッカクは可愛い。蛸の足がうねうね、ちらりと見えたりして、妙に生々しく何とも言えない不気味さを感じる。甕ばかり相手にして甕と会話する女の存在が謎すぎる。

    風景は張りぼて、書割。気味が悪い…。
    誰もいないお屋敷で兄に似た金襴緞子(キンランドンス)な装いの女の子と二人っきりでおはじきをする。

    ――――父上様や母上様は、どちらにいらっしゃるの。
    ――――だあれもいない。
    ――――あき、きゃっ。けひゃっ。
    ――――だあれもいないっ!
    びたん、びたん

    ――――早く家へ帰らなければ……。

    こ、こわいんですけど…。

    何よりも衝撃的だったのは、この本の最後に掲載されている「浦島太郎」原典版の内容でした。いじめられる亀なんて出てこなくって、浦島太郎の奥様の正体とか、鶴とか亀とか………。
    えぇー、この歳になるまで知らなかった。はずかしい…。
    思わず、青空文庫の「浦島太郎」(童話の方)を読み返してみたりした。
    原典と童話ってこんなに違いがるのね…。知らなかった。


    他にわかったことはヒグチユウコさんの世界観と、最近のBUCK-TICKの音楽性(世界観)が、かなり影響し合っていること。
    「うらしま」を読んで「ゲルニカの夜」の歌詞とか、震災のこととか関係あるのだな…とそう感じた。ヒグチユウコさんの作品をもう少し読んでみようと思った。

  • 浦島太郎の妹のお話。

    ヒグチユウコさんの絵が大好き。見れば観るほど緻密で丁寧だなぁ、と。

    結局、女の子は浦島太郎の子どもなん?分からない部分がたくさん。分かりきらないミステリーも魅力でしょうか。

  • 新解釈・浦島太郎
    ヒグチユウコ女史の挿し絵なんて、海洋生物が妖しくも生々しく光りまくるの間違いなしやんけ・・・
    日和先生の描く幻想世界にマッチしていて、めちゃんこ大正解なタッグだな・・・
    未来の乙姫様にされてしまった兄・・・なのかな・・・
    亀が陸上から定期的に攫っていってるのか・・・
    じゃあどうして、最初から女の子を攫わないのか・・・???
    すべての生命体はまず女から分岐したからなのか・・・・・・
    うーん、怖いのに色々気になってしまう
    シリーズで多分一番好きだなあ

  • ヒグチユウコさんの絵目当てで読了。
    話はわけがわからん。「浦島太郎」が下敷きなのは題名からも承知できるけど、なんだってその妹が主人公なんだ。
    続けて出てくる少女二人も、なんだか雰囲気でごまかされているような…。甕が亀で少女が乙姫? うーん…もう少しわかりやすく解釈できるようにしてほしかったかなぁ。
    絵は期待通り。ぜひ画集の『BABEL』を見てみたい。

  • 浦島太郎にも家族があったのではないか?浦島太郎が竜宮城に行った後、残された家族はどうしたろう…という発想から書かれた、浦島太郎の妹視点のうらしまたろう物語。幻想的なイメージを楽しむための本で、意味とかはないんだけど、その幻想的なイメージが美しいし、想像の余地があっていい。それから、日本語の美しさを再確認した。イメージも言葉も美しい絵本。

  • 不思議な話。
    女の子がとても不思議な感じだった。

  • 群像の特集で日和さんと藤野さんをつまみ読みしたときヒグチさんらの挿絵も素晴らしくこれは保存版だ!と言っていた覚えがある。
    それはやはり他の人たちも思ったようでそのときの作家ごとに6冊の絵本御伽草子が装いも新たに世に出たことは嬉しい限り…もちろん全部は買えませんが(泣)
    で、本題の日和さん、これは「浦島太郎」のオマージュというよりパラドックスとしたほうが良いのではないか?妹、竜宮城、少女に変化した兄、細螺…シュールと片付けてしまうのは容易いがそれらの断片を繋ぎ合わせて物語とするためには脳から汗が出る。
    審美の探究も楽じゃない

  • 浦島太郎を下敷きにした幻想物語絵本。〔現代版〕絵本御伽草子シリーズの1冊。
    造形、筆致は強烈でありつつ、色彩の淡さから上品でおとなしやかな印象を抱かせるヒグチユウコの絵が要所を飾って、妖しい魅力を漂わせている。本文のフォントや紙の色までひっくるめて、全体的にやんわりと優しい雰囲気。美しい。
    最後に本家浦島太郎の全文を載せている心遣いも嬉しい。

    絵という視覚の効果も手伝って、お話のつかみどころのなさが印象的。妹が覗いて見たところでは壺中天のようなあれかと思ったのだけど、中に入って直に見たところとの落差といったらいっそ残酷なほど(邸はちゃんとあるのに、一時太宰治の『お伽草紙』を思い出した)。
    兄と妹それぞれに対して、別の「竜宮城」が現れていたんだろうか。それとも、妹が訪れた時にはすでに長い時間が経っていたということ?
    甕と話していた女性と邸の少女が早く帰るよう促していたのも気にかかる。妹は家路を辿って、本当にもとの家に帰り着けるんだろうか。
    貝を割ったりするともしかして。

    おはじき遊びの場面がなんとはなしに快かった。小指で線を引くのとかやったなあ。

  • 助けた亀に連れられて竜宮城へ行ってしまった兄。突然失踪した兄を探して、亀ならぬ甕に引き込まれて竜宮城へ赴く妹。そこで妹は兄にそっくりな少女と出会う…。ヒグチユウコさんの妖しい絵が異界感を増幅させる。「浦島太郎」とは全く別の物語で驚いたけれど、原典の「浦島太郎」も自分の知るものとは随分違う。亀がいじめられてなかったり、竜宮城の女主が実は助けた亀だったり!

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

日和 聡子(ひわ・さとこ)詩人、作家。 1974年、島根県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。2002年、『びるま』(私家版、のち青土社)で第7回中原中也賞受賞。2012年『螺法四千年記』で第34回野間文芸新人賞を受賞。他の著書に『御命授天纏佐左目谷行』などがある。

「2015年 『[現代版]絵本 御伽草子 うらしま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

日和聡子の作品

[現代版]絵本 御伽草子 うらしま (現代版 絵本御伽草子)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×