[現代版]絵本 御伽草子 うらしま (絵本御伽草子 現代版)

  • 講談社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062198332

感想・レビュー・書評

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  • 群像の特集で日和さんと藤野さんをつまみ読みしたときヒグチさんらの挿絵も素晴らしくこれは保存版だ!と言っていた覚えがある。
    それはやはり他の人たちも思ったようでそのときの作家ごとに6冊の絵本御伽草子が装いも新たに世に出たことは嬉しい限り…もちろん全部は買えませんが(泣)
    で、本題の日和さん、これは「浦島太郎」のオマージュというよりパラドックスとしたほうが良いのではないか?妹、竜宮城、少女に変化した兄、細螺…シュールと片付けてしまうのは容易いがそれらの断片を繋ぎ合わせて物語とするためには脳から汗が出る。
    審美の探究も楽じゃない

  • 浦島太郎を下敷きにした幻想物語絵本。〔現代版〕絵本御伽草子シリーズの1冊。
    造形、筆致は強烈でありつつ、色彩の淡さから上品でおとなしやかな印象を抱かせるヒグチユウコの絵が要所を飾って、妖しい魅力を漂わせている。本文のフォントや紙の色までひっくるめて、全体的にやんわりと優しい雰囲気。美しい。
    最後に本家浦島太郎の全文を載せている心遣いも嬉しい。

    絵という視覚の効果も手伝って、お話のつかみどころのなさが印象的。妹が覗いて見たところでは壺中天のようなあれかと思ったのだけど、中に入って直に見たところとの落差といったらいっそ残酷なほど(邸はちゃんとあるのに、一時太宰治の『お伽草紙』を思い出した)。
    兄と妹それぞれに対して、別の「竜宮城」が現れていたんだろうか。それとも、妹が訪れた時にはすでに長い時間が経っていたということ?
    甕と話していた女性と邸の少女が早く帰るよう促していたのも気にかかる。妹は家路を辿って、本当にもとの家に帰り着けるんだろうか。
    貝を割ったりするともしかして。

    おはじき遊びの場面がなんとはなしに快かった。小指で線を引くのとかやったなあ。

  • 助けた亀に連れられて竜宮城へ行ってしまった兄。突然失踪した兄を探して、亀ならぬ甕に引き込まれて竜宮城へ赴く妹。そこで妹は兄にそっくりな少女と出会う…。ヒグチユウコさんの妖しい絵が異界感を増幅させる。「浦島太郎」とは全く別の物語で驚いたけれど、原典の「浦島太郎」も自分の知るものとは随分違う。亀がいじめられてなかったり、竜宮城の女主が実は助けた亀だったり!

  • 絵が独特で好き。
    点と線が緻密。白黒のようでいて、一部に彩色。
    ちょっとこわいような凄みがある。
    でも目が離せなくて、引き込まれる。


    行方不明の兄を探す妹の目線からのストーリー。
    見つけたのが亀かと思いきや甕に吸い込まれるとは。
    驚き。
    最後、女の子がでてきてからの解釈がよくわからなかったな。

  • 浦島太郎の妹から見た浦島太郎?
    イラストに惹かれて読みましたが暗さが滲み出ている文章と内容で好きになれませんでした。

  • アナザー浦島太郎。
    竜宮城は時間軸が違う。あの幼い竜女もいつか違う太郎を迎えるの?文章と挿絵の共演に背筋ゾクゾク。

  • 浦島太郎の妹の視点で描かれた作品。
    シュールです。

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著者プロフィール

日和 聡子(ひわ・さとこ) 
詩人、作家。
著書に、詩集『びるま』(2001年、中原中也賞)、『砂文』(2015年、萩原朔太郎賞)、
小説『螺法四千年記』(2012年、野間文芸新人賞)、『御命授天纏佐左目谷行』(2014年)など。




「2021年 『絵草紙 波風露草玉手箱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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