追いかけるな 大人の流儀5

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 312
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062198417

作品紹介・あらすじ

追いかけるから、負ける。追いかけるから、苦しくなる。待つことができるのが、本物の大人なのだ。ベストセラーシリーズ待望の第5弾

感想・レビュー・書評

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  • 2015年の55冊目です。
    大人の流儀シリーズは、最初からすべて読んでいるので、著者の考え方や表現方法には、全く抵抗感を持っていないと思います。
    「大人の流儀」とありますが、「大人の男の流儀」が副題だろう感じます。
    ・大人の男が、行列をして物を買うな!
    ・大人は騒ぐな!
    ・男はやせ我慢
    ・男は、人前で腹が空いたと言わない
    ここまで達観した考え方を通している大人も今は、ほとんどいないと思う。
    彼の前半生は、挫折と放蕩みたいに思えるが、そこで人間の本性を知り尽くしたのかもしれない。また随所に、ご自分の両親の生き方が、今の自分に影響を与えていることを記されている。自分の生き方に自信が持てる男(人間)でありたいと多くの人が思っているが、叶うことは少なく、結果として自分人生を事後承認するという生き方をしている。やはり男としての人間としての”矜持”を抱き生きていく様にはあこがれてしまう。 

  • 気になる語句
    *水見色きらく市
    静岡にご縁があるのですが知りませんでした、ぜひ一度行ってみたいです。
    *五風十雨
    習字の練習はこれでやろうかな、この言葉書くとほんわかするような気がします。意味も平穏無事だし。
    *麻布十番長寿案
    ああ、一度は行ったことがあるかもです・・・あの蕎麦屋
    *熊谷守一
    要町に豊島区立の美術館があるんですね、これ行ってみよう。
    著書も読んでみたいです。

    総じて、週刊現代連載のものによる本書、やはりちょっとしたエピソードなどはこんな感じで書きたいものですね。

  • 学生時代にほんの少しだけ、作家になりたいと思ったことがありました。
    こういう文章が書きたかったものです。

    当然のことですが、憧れてるという段階で憧れを手にすることはできないものだと悟りました。

    伊集院静さんと同じ人生を歩めば書けるかというと、そういうものでもないのでしょう。
    こういう文章は、その人のどこかに正真正銘の優しさが宿っていて書けるものなんだな、と本書を読んで感じました。

    そういえば、好きな歌手の歌に

    追いかけて 追いかけても
    つかめない ものばかりさ

    という歌詞がありました。

    本当にその通りだな、と。

    10年前に出会っていたら…と思う本でした。
    こんな風に優しく「追いかけるな」と言って欲しかったな、と。

    この本では、伊集院さんが「大人の男が……」と書くところが好きです。
    どこか現代の風潮の波に乗れない自分としては、心地よくも、改めての戒めにもなる言葉でした。

  • タイトルは「追いかけるな」だが、それにまつわる話ばかりではないことは、このシリーズが始まってからのことだから驚かない。伊集院静はタイトルと内容でオイラの期待を見事に裏切ることが時々ある、良くも悪くも。それでも楽しく読んでしまうのはオイラが贔屓にしているからだ。正しいとか正しくないとかを期待していないのかもしれない。伊集院静らしいかどうかが大事なのだ。自分らしくいることって、もちろん自分のためなんだけど、どこから切っても自分らしくいることはそんなに簡単じゃない。何かのために自分を裏切るような選択をすることもあるだろう。伊集院静だって実はそういうこともあるのかしれないけど、何のためにそうするのかがオイラみたいな利己的な理由ではないと思う。覚悟が違うのかな。伊集院静が言う男に近づきたいものだ。

  • いまどきいないような、男らしい男。
    暑苦しいかもしれないけど、男らしくて、大変だけど、こんな人がいたら好きになる。

  • ・私たちは日々、日常のさまざまなことに懸命にむかうのだが、今日はいい一日だったと実感が持てる一日はそうそうあるものではない。そのことは逆に言うと、私たちの日々は上手く行かない方が多いのである。これは万人が共通するところであるということは、私たちにより良い状況を想像する、望みや願いがあり、それにかなう一日がなかなか得られないから。でも、そういう人は情けない人たちではなく、足りなかったことが人間はおぼろにわかる生き物なのである。

    ・私たちはより良いものへの、望み、願いをこころの片隅に持って、それを離さない生き物なのだ。これを業欲とは考えず、望み、願い、つまり夢がなければ私たちの日々は無味乾燥した日々になる。望み、願いといった類いのものを、必要以上にこだわったり、必要以上に追いかけたりすると、それが逆に、当人の不満、不幸を招くことが、ままあり得ることを見て来たからである。

    ・追いかけることは決して悪いことではないし、追いかけることでしか成就しなかったこと、あきらめなかったから出来た、という例はある。私がいう"追いかけるな"は、前進のためにあると思っていただきたい。斯く言う私は今も、いくつものことを追いかけている。それでいいと思っているのだが、追いかけるにしても、その姿勢が大切なのだろう。

  • 作者の実体験に基づく遠い日の描写がやけに生々しく、リアルな情景となって眼に浮かぶ
    人は尊く、儚い。
    自分は自分だと言える芯の強さを。

  • 説教くさいし、考え方にクセがあるし、すべてに共感できるわけではないが、心に響く言葉が時折出てくるので、なんとなく毎回読んでるシリーズ。弟の死、前妻の死など、若いころから様々な身近な人の死を乗り越えた著者の、人との別れに対する考え方は心に響くものがある。ちなみに、著者がイチローをよく思っていないことをこの本で初めて知った。

  • 生きていく上での両親からの教え、特に母親からの愛情を受け育てられたことがよく分かった。私も幼き頃に母から言われた様々な教えを思い出す。

  • 帯文:”本物の大人はそんなことはしない。” ”追いかけるから、苦しくなる。追いかけるから、負ける。追いかけるから、捨てられる。人はすべて、一人で生まれ、一人で去っていく生き物である。失なったものはかえってこない。”

    目次:第一章 追いかけるから、負けるんだ, 第二章 いつかは笑い話になる, 第三章 私は黙っていた, 第4章 生きるとは失うこと

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著者プロフィール

伊集院静(いじゅういん しずか)
1950年山口県防府市生まれ。72年立教大学文学部卒業。81年短編小説『皐月』でデビュー。91年『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で第107回直木賞、94年『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。作詞家として『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』『春の旅人』などを手がけている。エッセイも多く、『大人の流儀』シリーズはベストセラーとなっている。2017年日本経済新聞の連載『琥珀の夢』が刊行され、2018年10月5日、ドラマ化。2019年10月から日本経済新聞にて夏目漱石を主人公にした作品「ミチクサ先生」を連載開始。

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