- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062198820
作品紹介・あらすじ
原発事故から5年。
続々進む再稼働。
日本人はフクシマから何を学んだのか?
国会事故調元委員長が、規制する側(監督官庁)が規制される側(東電)の論理に取り込まれて無能化する「規制の虜」が起きたと断じ、エリートの人災を暴いた委員会の舞台裏と、この「規制の虜」と同じ構造がいま、日本のあちこちに存在する実情を描く!
2015年8月に再稼働した川内原発をめぐっては、九州電力が、原発事故時の対策拠点となる免震重要棟の建設計画を、再稼働後に撤回した。しかし、国会事故調の参考人質疑において、福島第一原発事故当時に東京電力社長であった清水正孝氏は、免震重要棟の重要性について、「もしあれがなかったらと思うとゾッとする」と明言している。その免震重要棟を、九州電力は「重要な根拠」も示さずに、「不要」と判断した。福島第一原発事故の教訓は、どのように認識されているのだろうか。(「イントロダクション」より抜粋・要約)
第一部 ドキュメント メイキング・オブ・国会事故調
第二部 3・11が浮かびあがらせた日本の「病巣」
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:543A/H56n//K
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シン・ゴジラを見て、空飛ぶタイヤを読んで、これを読んだら、いろいろと思うところが。。
なかなか良かったんだけど、この部分必要?っていうところも結構あったなぁ。。 -
全体的にはいいけどとにかく愚痴っぽい、悪口で九割程
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「国会事故調報告書」地震と津波による自然災害ではなく「規制の虜」に陥った「人災」であると明確に結論付けた。
「規制の虜」とは、規制する側(経済産業省原子力安全、保安院や原子力安全委員会など)が規制される側(東京電力等の電力会社)に取り込まれ、本来の役割を果たさなくなってしまう事を意味する。
その結果「過酷事故は起こらない」と言う虚構がまかり通る事になった。
「国会事故調」の調査中に感じた事の総まとめの本。「政治、行政、銀行、大企業、大学、どこにいる「リーダー」も同じである。日本人は全体としては優れているが、大局観をもって「身を賭しても」と言う真のリーダーがいない。
国民にとって、なんと不幸なことか。と黒川氏が言っている。
そして、事故の原因は今までの「日本式システムの限界」であると確信するに至った。と言っている。何とも救いのない本である。日本ってやっぱり三流国だなあ。 -
「規制の虜」とは、規制する側が規制される側の論理に取り込まれて無能化すること。国会自己調査委員会は、東日本大震災後の原発事故は、このことによって引き起こされた「人災」と断定した。本書では、同委員会の元委員長が、委員会の舞台裏とその後に起きている揺り戻しの策動を綴る。
第1部 ドキュメントメイキング・オブ・国会事故調
第2部 3・11が浮かびあがらせた日本の「病巣」 -
あれから5年経ったいま、原発事故について改めて学び直す必要があること、日本のあり方について考え直す必要があることを強く感じた。
国会図書館の資料で調査委員会の全容を知ることができるわけだが、映像も含めて膨大な資料の中から、本書に書かれている部分だけでも見てみると、理解をさらに深めることができる。国会事故調の資料を読み解く指南書の役割も持っていると言える。
第二部では、電力会社、政府、規制当局にみられた「規制の虜」を告発するだけではなく、日本国民にも深く存在する集団思考型マインドセットの問題にも触れ、決して他人ごとではないと感じた。
アカウンタビリティー ≠ 説明責任 ということもよく分かった。 -
■書名
書名:規制の虜 グループシンクが日本を滅ぼす
著者:黒川 清
■概要
原発事故から5年。続々進む再稼働。日本人はフクシマから何を学
んだのか?国会事故調元委員長が、エリートの人災を暴いた委員会
の舞台裏と、その後に起きている揺り戻しの策動を綴る。
(amazon.co.jpより引用)
■気になった点
なし -
黒川清さんによる、福島原発国会事故調査委員会の経緯をまとめたもの。日本のガバナンスを考える上で、とっても良著だと思う。
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福島の原発事故を受けて、数多くの調査委員会が、これまた数多の報告書を作成したが、その中で国会の事故調は、その目的も報告内容も他とは一線を画したような記憶があった。その後は一体どうなったのか、と思っていたが、残念ながら何も変わらなかったようだ。
論点の多い本だ。①国会が設置した事故調。改めて、国会は国権の最高機関ではないか、国会議員は一体何をしているのか、三権分立とは何か、を問う。②本書の冒頭「志が低く、責任感がない」日本のリーダー層の問題。③本書の題名である「規制の虜」。④原発。⑤世界と日本。
非常に考えることが多い素晴らしい内容なのだが、一冊の本としては盛り込み過ぎで、最後は散漫になってしまった。