光陰の刃

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 56
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (562ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062199193

作品紹介・あらすじ

吉川英治文学新人賞・大藪春彦賞受賞の実力派が放つ、2016年最初の衝撃! 書き下ろし超大作!

三井財閥をつくった男・團琢磨、血盟団の指導者・井上日召。
日本を動かす企業家と、日本を揺るがすテロリスト。
ともに未来を憂え、打開の路を探し求めた光と影。
明治から大正、昭和へ――
激動の時代を生きる二つの魂が交錯するとき、この国に新しい風が吹く!!

吉川英治文学新人賞受賞作『地の底のヤマ』で小説読みの度肝を抜いた著者が、ここに、さらなる進化を遂げる。
舞台は、東京、アメリカ、中国、そして著者の故郷である福岡県・大牟田。「世界文化遺産」登録で沸く、三池炭鉱創設のプロジェクトXでもある。
出会うはずのなかった二人の男の生き様と一瞬の交錯は、この国の青春の歩みを止める危難だったのか、はたまた歴史の必然か。
著者がすべてを注ぎ込んだ入魂の一冊が、その答えになる!

感想・レビュー・書評

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  • 長いばっかり

  • 九州出身で、少年時代に岩倉使節団の一員としてアメリカに渡り、鉱山学を学び、やがて三池炭鉱の開発に携わる。
    三池炭鉱が三井財閥に払いだされた後も、三井三池炭鉱に留まり、やがて三井財閥の理事長に、そして日本経済界のトップとなる団琢磨。
    同じく九州出身。藩医の息子であったが出奔。大陸に渡り、やがて日蓮宗に傾倒。国を憂い、暴力革命によって国を救おうとした血盟団の井上日召。

    明治から昭和にかけて、日本のリーダーとして日本の発展に奔走した団と、その団を暗殺することとなる血盟団の井上の生涯を、少年期から最期まで描き切った作品。
    才能ある二人の人生は、おそらくそれぞれ単独でも、ひとつの物語が書けるほどの濃さをもっている。
    その二人の人生が、時代を追いつつクロスオーバーさせつつ書かれているので、読者はその個々の物語に浸りつつ同時に体験していく。
    そして、彼らがやがて衝突してしまう未来の軌道にあることを恐れる。しかし、歴史は彼らの出会いを止めることができない。
    そして、訪れた静寂。

    562ページとかなりの大作で、分厚さは手に取るのを躊躇させるほど。
    しかし、二人の人生の面白さと、小気味よいテンポで進んでいく時間、さらに多彩な登場人物のおかげもあってかで、最期まで飽きることなく一気に読み終わることができるのは、作者の力量だと思う。
    文中、そこここに、知らなかった小ネタが入っているのは、綿密な調査の証であろう。
    大船の観音、そういうことだったのか とか。

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著者プロフィール

西村健 1965年福岡県福岡市生まれ。6歳より同県大牟田市で育つ。東京大学工学部卒業。労働省(現・厚生労働省)に入省後、フリーライターになる。1996年に『ビンゴ』で作家デビュー。その後、ノンフィクションやエンタテインメント小説を次々と発表する。2005年『劫火』、2010年『残火』で日本冒険小説協会大賞を受賞。2011年『地の底のヤマ』で第30回日本冒険小説協会大賞、翌年、同作で第33回吉川英治文学新人賞、2014年『ヤマの疾風』で第16回大藪春彦賞を受賞する。著書に『光陰の刃』『激震』「博多探偵シリーズ」など。

「2021年 『目撃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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