- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062199254
感想・レビュー・書評
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言葉が綺麗です。
「葡萄色の空」という表現がとても素敵だなぁと思いました。
空を見て葡萄色だなんて思ったことなかった…
表紙もお洒落。
静かだけど、少しあたたかい…そんなお話です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現実と交互に語られる抽象的な世界がなんだかとにかく苦手だった。喪失と再生の物語なら現実のシーンだけで良かった。俺にはあの抽象的な世界が届かなかった。
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2016 11/13
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震災で、大好きな大切な友が消えた。死んだなんて思いたくない。
夢と現実が交錯するような思考の中で、辛い月日が流れた。
喪失から立ち直ることの辛さや、受け入れてしまうことの罪悪感がひしひしと感じられた。
彩瀬まるさんのちょっと悲しげなトーン、いい作品だと思った。 -
震災によって失われた親友すみれへの思いを捨てきれず、夢と現実が交錯する生活をしていた湖谷真奈は、彼女に代わる存在を見つけることで、すみれの死を受け止め未来へと足を運び始める。
それは大切な人を失った全ての人に対する作者のメッセージであるように感じた。
彩瀬まるさんが描く、喪失感を持ったまま生きる人間の物語は癖になるし、幻想的な世界の描写力は作品を重ねることにパワーアップしている気がする。 -
震災から5年半たった今でも、2500余人が行方不明だ。
その中には、死亡届けを出せない人も多くいる。
行方不明の友人を、忘れることなど出来ない。それを伝える文章に胸が詰まる。 -
彩瀬まるはここ最近ぐっとよい。震災で行方不明になった親友の遺品を整理しながら消えない影に気づく主人公が前を向けるようになるまで。
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私たちは「忘れない」ことで何を償ったつもりでいるのだろう。誰に許しを乞うているのだろう。
苦しいことや悲しいことを風化させないために過去を楔として覚えていることより、楽しいことや嬉しいことを励みや生きがいにして未来に踏み出す勇気に変えることこそが私たちに託された生きるということではないだろうか。
生きるということは時を刻むということ。
止まってはいられないということ。
立ち止まってはいけないということ。
植物が芽吹き、花が咲き、そして枯れ、種が散る。そして芽吹く。人が歩くことに繋がるものがある。