ピロウボーイとうずくまる女のいる風景

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 118
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062199278

作品紹介・あらすじ

――ピロウボーイ。要するに、枕少年だ。
さまざまな女性と関係をもつ。関係とは限らない。精神的なよりどころとして話し相手になることを求められる場合もあれば、ただ側で眠ってほしいと頼まれるだけのときもある。いずれにせよ、その代償としてピロウボーイは女たちから金銭を得たり、〈世話を焼く〉という形で援助される――

貧困のどん底からキムラに救われた絢野クチルは、政治家を目指して大学に通い、夜はピロウボーイとして女たちと関係をもつ。
「シェイクスピアを読む女」「バッハしか愛せない女」「ドヌーヴに似た女」「リキテンスタインを待つ女」
女たちはみな問題を抱えているが、クチルとの関わりのなかで、立ち直っていく。一方、クチルの部屋には、謎の同級生知紅が押しかけて居候となり、クチルの帰りを待っている――。

〈政治〉と〈愛〉と〈ミステリ〉。アガサ・クリスティー賞作家が挑む新境地。

感想・レビュー・書評

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  • 貧困のどん底から、政治家を目指しピロウボーイとして働く絢野クチルと、そのお客の4人の女性の物語。
    主人公が政治家を目指しているということで政治論や、他にも芸術論が頻繁に出てきて正直難しい。
    やってることは高級男娼なんだけど、将来政治家になるための手段と割り切るクチルと、彼をめぐる女性たちの色んな愛の形。そして、その中から自分の大事なものに気付いていくクチル。
    ラストはちょっとモヤモヤしたけど、一応ハッピーエンドなのかな。

  • 国家の中で生きる為の施策が政治であるならば、政治について考える事は生について考える事と同義。
    男女の狡さを目の当たりにしながらも性と政と生を真面目に考え、愛に辿り着いたクチルの純粋さが羨ましくなる。
    生温く日々を過ごす事の是非を問う、ルックス以上に切れ味の鋭い物語。

  • タイトルを見て、衣良さんの娼年っぽいお話かなぁと思ったら全然違った!
    クチルの色っぽさと、それぞれのお話にほんのりただようミステリーが森さんのテイストで素敵。続編があっても楽しいだろうなと思いました。
    そして某ホテルが!!!ニヤリとしてしまいました( ´艸`)

  • +++
    貧困のどん底から、顔に深い傷跡を持つ男キムラに救われた絢野クチルは、政治家を目指して大学に通い、夜は「ピロウボーイ」として女たちと関係を持つ。「シェイクスピアを読む女」「バッハしか愛せない女」「ドヌーヴに似た女」「リキテンスタインを待つ女」女たちはみな問題を抱えているが、クチルとの関わりのなかで立ち直っていく。一方、クチルの部屋には、謎の同級生知紅が押しかけて居候となり、クチルの帰りを待っている。
    +++

    恵まれない生い立ちから政治家を目指して大学に通う絢野チクル、彼に目をつけ「ピロウボーイ」に仕立て上げたキムラ、そしてその妻・冴子、チクルの部屋に押しかけてきて居ついている知紅。それぞれが只事ではない事情を抱え、願いをかけ、望みを抱きながら、ねじれた関係のなかに身を置き、しかも純粋に生きている。一見モラルも何もない自堕落な世界である印象を受けるが、登場人物が自分というものをきっちりわかっていて、背筋が伸びているように思えるので、厭な感じは全く受けず、却って清々しささえ感じられるのである。人物相関図が絡まり合っていることが、このストーリーが必然であったことを納得させる。思いがけず面白い一冊だった。

  • タイトルのピロウボーイからどのような話になるのか全く想像がつかなかったが、身体的な関係のみならず、精神的な拠り所として安らぎを与えるというコンセプトが面白い。女性達との絡みの一方で正体不明の同居人との関係も気になるし、政治理論はとても興味深い。

  • 2016年2月16日読了。
    作者得意のモテ男の中でも、これまた素晴らしいモテ男ぶり。
    男女の関係と性の超越と政治、という要素が不思議に融合している。

  • どちらかというと黒々とした作品。

    最後の結末は何故かすっきりしないものがある。なんかまだ残っている伏線があるような気がして。

  • 2016/4/15(金曜日)

  • ピロウボーイってそういうお仕事のことでしたか。いろんな才能がないとできないようで…。今回は政治論、クラシック音楽論までが盛り込まれている。ホテルモーリスが出てきてニヤリ。

  • 政治と愛とミステリ
    ちょっと哲学的な要素もありつつ
    2016.04

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著者プロフィール

1979年静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞。同作は「黒猫」シリーズとしてシリーズ化され、人気を博している。他の著書に、「花酔いロジック」シリーズ、「偽恋愛小説家」シリーズ、『キキ・ホリック』、『沙漠と青のアルゴリズム』『前夜』などがある。

「2021年 『Voyage 想像見聞録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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