涙香迷宮

著者 :
  • 講談社
3.16
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  • (28)
  • (10)
本棚登録 : 613
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062199544

作品紹介・あらすじ

明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのは、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久! これぞ暗号ミステリの最高峰!
いろは四十八文字を一度ずつ、すべて使って作るという、日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」四十八首が挑戦状。
そこに仕掛けられた空前絶後の大暗号を解読するとき、天才しかなし得ない「日本語」の奇蹟が現れる。
日本語の豊かさと深さをあらためて知る「言葉のミステリー」です。

感想・レビュー・書評

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  • 竹本健治さんの本は結構久しぶりに読みました。牧場智久シリーズ、なんですね。シリーズ自体が初めてです。
    日本のミステリ・・・だけでなくいろいろなものの「始祖」である黒岩涙香の暗号を解読しつつ殺人事件の推理も・・という。黒岩涙香という人については全然知らなかったんですがこの本で「ずいぶんすごい人だったんだなあ・・」と勉強になりました。これほどの傑物がなんでここまであんま知られてないんだろう?
    で、この本自体は・・面白いは面白いんですが黒岩涙香の生涯の話がメインになってしまって関心がそっちに偏ってしまった印象。暗号文もあんまり多いと読んでてちょっと疲れてしまったというか。。。

  • 黒岩涙香という実在の人物が残したであろう暗号を解き明かしていくのだが、その暗号が非常に難しい。「いろは歌」が四十八首ある地下室、その頭文字を読み取り現れる「いろは歌」、そこから更に暗号を解く。本格ミステリではあるが、とても知識が及ばない為に自分で考えられない。
    よく考えられていると思うがエンターテイメントとしては好みが分かれる。

  • 最初から思わせぶりな事件が有り、続けて密室殺人が有り、仲間内に犯人がいる設定が有り、暗号解読も有る。てんこ盛りだ。
    読んでて面白いけどリアリティは全く無い。
    ただ「いろは歌」の設定は凄いし暗号もムッチャ難しい。考えるのも、探偵役に解かせるのも大変だったろう。推理小説マニアの為の一冊。

  • 殺人事件は起こるものの、そちらは添え物。
    黒岩涙香についてと、残されたいろは歌の暗号がメイン。
    筆者がすべて考えたことを思うと、すごい、の一言。
    競技かるたのルールを統一したとか、黒岩涙香の功績と多才ぶりに驚かされた。
    類子は女子高生に見えないし、全体的に言動がレトロ。
    褒め合い合戦と、智久・涙香への絶賛は、ややくどい。

  • 若き天才囲碁棋士・牧場智久を探偵役にしたミステリー。
    シリーズものであることも知らず、それどころかこの著者の本を読むのも初めてなのですが、序盤から次々と繰り出される黒岩涙香に関する蘊蓄の数々に圧倒されました。
    そして、最大の見どころは中盤のいろは歌。
    48文字をかぶることなく使うだけでなく、「いろはにほへと…」のそれぞれの文字を先頭に据えたいろは歌がずらりと48首並んでいる様に鳥肌が立ちっぱなしでした。
    しかも、意味が通るだけでなく涙香の嗜好を織り交ぜているのです。
    さらにさらに、そこから派生する暗号まで作っているのだからものすごい…。
    著者の頭の中はいったいどうなっているんだ??

    暗号の行きつく先を知りたくて、ページをめくる手が止まりませんでした。
    蘊蓄を並びたてる感じも個人的に好きなので、同じ著者のほかの作品も読んでみたいと思います。

  • 「このミス」で第一位の評価だったが、私はそれほどでも…。いろは=パングラムの披歴には感嘆するしかないし、この暗号を解くのもミステリだといえばその通り、竹本健治の力量を否定する気は毛頭ない。ただ、すべてがいろはの暗号解読に収斂し、殺人事件の動機も解決もどうでもよくなった感がある。囲碁も興味ないし、牧場智彦に思い入れないし。

  • 種明かしが上手いミステリーではないけれど。
    暗号やいろはうた、ウミガメのスープなど興味深く読んだ。楽しんだというよりは暗号について指南してもらった気分。

  • 牧場智久シリーズ。黒岩涙香、というと、なんとなく名前を知っている程度だったのですが。知れば知るほど奥が深い……いろいろと気になってしまいます。
    一応、殺人事件が起こってそれに関する推理もきちんとあるのだけれど。そちら側のインパクトは薄く感じました。といってもそれが面白くない、というわけでは決してなく。その他の要素が凄すぎるのです。
    四十八首のいろはと、それにまつわる暗号が圧巻すぎる! このいろはをひとつひとつ読んでいるだけでも充分楽しいのに、それにまだ暗号が隠されてるってそれは一体何!? もちろん自力で解くことなんてとってもかなわないのですが(苦笑)。解かれる過程を読むだけでもそりゃもう充分楽しくって。いろはって奥が深いなあ、とひたすらに感嘆しました。

  • 暗号本。久し振りの竹本健治だったのです。

    ミステリとしては、本格ロジックと言うよりは、火サス並みの流れ作業展開だったのです。

    竹本健治氏のツイッターをフォローしてたので、いろは歌とか出てくるのかな……?と思ったらビンゴ。
    出てくるのかなレベルではなく、50ページくらいいろは歌40首以上と登場人物のその感想+解説だったのです。

    40首以上のいろは歌をどこまで解読するか……はめちゃめちゃ時間がかかるので、もう文学として読む作業にもなってしまったのでした。

    いろは歌は本当に圧巻。
    面白いし、感動もするのです。
    元々、短歌や俳句や詩に抵抗がないならもういろは歌だけでも十分楽しめたのです。

    五並べと言うか、連珠と言うゲームについてはあまりピンと来なかったのですけど
    最後までジックリ読み進めていくと思わず「へぇぇ」と漏らしてしまう。そんな感じだったのでした。

    牧場智久シリーズは読んだことなかったので、二人の関係や、主人公のあまりの天才っぷりにポカーンな部分も。

    何十年か後に、俳句とか趣味でやるようになったら、もう一度読んで見たいのでした。

  • 涙香の謎を巡りながら別の事件を解いていく物語。涙香やいろはうたの解説で登場人物達は楽しそうであった、きっと著者も楽しんで書いているのかな。深く興味を持てなかった私としては、物語に対するお熱度がそれほどでなく。いろはうた・暗号好きな方にはいいかもね。深い心理切り込みなく、リズムよく進むものでもなかったので、少々期待はずれでした、このミス1位というので手に取ったんだけど。竹本さんファンは楽しめたかしら。
    涙香さんにまつわる知識を得ることができよかったです。

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。22歳の時中井英夫の推薦を受け、雑誌「幻影城」に『匣の中の失楽』を長編連載、作家デビューする。2016年末の数々のミステリ・ランキングに『涙香迷宮』が上位ランキング、2017年度第17回ミステリ大賞を小説部門で受賞。作品に、『囲碁殺人事件』『しあわせな死の桜』『凡虚学研究会』他多数。

「2018年 『フォア・フォーズの素数』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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