- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062199599
作品紹介・あらすじ
デビュー後、編集部の要請で送られていた習作短篇3篇とデビュー当時の様子を友人に書き送った「ハサミ男の秘密の日記」を収録。独特の笑いとセンス、ペーソスを湛えた殊能将之初期作品集。
感想・レビュー・書評
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そこまでびっくりするような展開なわけではないけど、どの話も読ませるものがあって一気に読了。
もっともっと著者の本を読みたかったけど、もうそれも叶わないんだな…とおもうと読み終えるのが寂しくもあった。 -
短編自体の出来はまあまあ。ミステリっぽくはない。ハサミ男の秘密の日記はほぼ私小説で面白かった。大森望の解説と合わせて、殊能将之というコンテンツ自体に興味がある人にはおすすめ。返す返すも夭折されたことがひたすら悔やまれる。
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タイトルのつかない短編集だけあってやっぱり微妙なデキ
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テレビで見かけたお名前、というだけで借りました。
不思議な短編がたくさん。非常に好きな文章でした。
残念ながらもうこの世にはいらっしゃらないというのも、この本を読み知りましたが、ぜひ他の作品も読みます。 -
未発表作品を集めたもの。
「鬼ごっこ」が特に素晴らしい。まさしく壮大な世界と時間を股にかけた鬼ごっこ。 -
開いた途端、蛍光どピンクが目に染みる…「ハサミ男の秘密の日記」を読んで、ハサミ男を読み返したくなりました。あと、石動シリーズも。もう新作が読めないのは寂しいけど、こうした形で未発表作品を読ませてもらえるのはありがたい。
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2013年に亡くなった殊能さんのデビュー前の短編3編+『ハサミ男』の出版秘話のような話。
どれもミステリーぽくなく、私の思う殊能さんの作品とはイメージが違う。どっちかと言うと世にも奇妙な〜的な話。でも、ちょっとした仕掛けと言うか企みのようなものがあって面白い。
殊能さんが亡くなったことは知ってたけれど、覆面作家だったことや“中の人”については、この本の解説で初めて知った。テイストは少し違うけれど、どれも殊能さんらしくて好き。
なかなか新作が出ないなと思ってる内に亡くなってしまったことが、今更ながら悔やまれる。久しぶりに『ハサミ男』や石動シリーズを読み返してみたくなった。 -
早逝されてしまったことがあまりにも悲しい。もっともっと先生の文章を読んでいたかった。
「犬がこわい」が、すさまじく良い。内容自体はこざっぱりとまとまっているけれども、「嫌いだけれども、存在を許せないほどではないから、うまく共存していきたいと思っているもの」という感覚は、とてもよくわかる。
「精霊もどし」のシチュエーションとしては切ないものを、ただあるがままの残酷として描いていた雰囲気も好ましかった。
本当にただ残念で、一方で新作を読めたことに感謝する。