クロコダイル路地1

著者 : 皆川博子
  • 講談社 (2016年4月20日発売)
4.02
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200080

作品紹介

quo fata trahunt, retrahuntque, sequamur.

運命が運び、連れ戻すところに、われわれは従おう。

1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃。パリで起きた争乱は、瞬く間にフランス全土へ広がった。帯剣貴族の嫡男フランソワとその従者ピエール、大ブルジョアのテンプル家嫡男ローラン、港湾労働と日雇いで食いつなぐ平民のジャン=マリと妹コレット。〈革命〉によって変転していくそれぞれの運命とは。上巻は貿易都市ナントを舞台にしたフランス編。小説の女王が描く壮大な物語と、仕組まれた巧妙な仕掛けに耽溺せよ。

クロコダイル路地1の感想・レビュー・書評

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  • フランス革命以降のヨーロッパを舞台にした歴史的ミステリ。フランス篇ではフランス革命そのものが描かれるのだけれど。歴史の教科書に出てこないような一般の人々の物語がメインです。なので、まさかこれほどのひどいことが行われていたとは……というのにまず驚きでした。
    それぞれの立場から革命に巻き込まれ、運命に翻弄される登場人物たちの物語は、ある意味どれもが苛酷です。暗い。重い。苦しい。それでも引き込まれるとぐいぐい物語に引っ張って行かれました。そして激動のままイギリス篇へ。

  • H29/10/29

  • 母親は貴族だけれど家柄は富裕な商人のロレンス(ローラン)、少年時代のロレンスが憧れる母方の従兄で貴族の嫡男フランソワとその忠実な従者ピエール、貧しい庶民で日雇いで食いつなぐ少年ジャン=マリとその妹コレット。

    1巻の時点では表面的には、彼ら貴族、商人(ブルジョワ)、労働者、というそれぞれの立場の登場人物の視点で描いたフランス革命時代の群像劇として読める。貴族らしく王党派として戦うフランソワと彼に従うピエール、ブルジョワゆえ革命の進行によって立場が変わってゆくロレンス、日々生きることに必死なのに革命に振り回される庶民のジャン=マリ。さらにフランソワの異母兄で助祭のエルヴェ、ローランを利用しようとする元従業員らの思惑が絡まって最終的に彼らはひとつの大きな流れの集まる場所へ集結する。

    とにかく展開がスリリングで一気読み。およそ主人公らしからぬ臆病で内向的、流され体質の精神的ワニ男ロレンスよりも、ロレンスの憧れのフランソワがベタに眩しく、そんな彼に屈折した愛情を抱くピエールとの主従萌え。女性では唯一主要キャラのコレットの禍々しいまでの小悪魔っぷりがかなり怖い。

    フランス革命については以前アナトール・フランスの『神々は渇く』を読んだときに、べるばら知識しかない自分が思っていた以上に複雑で、王と王妃を処刑してめでたしめでたしでは全然なかったことに驚愕したのだけど、本作でもそこは同じ。独裁者が王から革命政権に変わっただけで、庶民の生活の苦しさは変わらず、むしろ恐怖政治や徴兵で情勢は悪化している。1巻ラストでそんなフランスを逃れてイギリスに渡った一行。2巻に続く。

  • フランス革命時。

  • ヴァンテでお馴染みのアンリが登場。
    こんなところで出会うとは。
    最後には「開かせていただいて光栄です」のメンバーも友情(?)出演。

  • フランス革命前後のこれまで表舞台にあまり登場しなかった残酷な混乱を裏側からのぞかせてもらった感覚だ。皆川先生の物語の舞台や時代背景は、いつも新鮮で魅力的で自分の琴線に触れまくりです。

  • 富商、労働者、貴族側の視点で語られるフランス革命。
    激動を追う面白さの他に、時折現れる鰐によって、当時を振り返る語り手の「今」がどうなっているのかとても気になる。

  • 民衆側からの視点で語られるフランス革命が、とてもリアルで大変勉強になりました。そして皆川先生の文章は、血も泥も(糞も)描いているのに大変美しいです。

  • 3.9雰囲気出てる。

  • 不穏な気配のまま下巻へ。

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