クロコダイル路地2

著者 :
  • 講談社
3.89
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本棚登録 : 159
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200097

感想・レビュー・書評

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  • 3.6。かな〜。前半のうねりじみた勢いが堪らなくイイ感じなんで、トーンダウンして感じちゃうんだなぁ。こういう話しなんだろうけど。あと気に入りの登場人物が変にならんで安心したけど。
    ……にしても…御大…流石だよなあ(感嘆)。良い意味で迫力の化け物感が半端なくて格好よくて痺れる。(もはや業の域の耽美臭にちょっと苦笑もしちゃうが、ここまでくると流石過ぎてお茶目だ)

  • バスチーユ監獄襲撃に始まり、ナポレオンが出てくるまでのロベスピエールの恐怖政治の時代を描かれた1巻目は、歴史小説を読んでいるかのように生々しく鮮烈で、市民革命の陰に隠れた混乱期の闇をまざまざと見せつけられるものであった。
    イギリス・ロンドンに舞台が移った2巻目は一転、残酷で、狂気じみた復讐劇。貧民街の子供たちや「開かさせて~」のバートンズが出てきたり、ならではの演出が施されていたのが救いかな。正直、もうちょっとバートンズの活躍が見られるのかと思って読んでたので、ちょっと残念。後始末の仕方は「アルモニカ~」っぽいかな。希望も見えて、嫌いではないけれど。

  • 『開かせていただき光栄です』の登場人物がでてた。

  • 変わらず世界観は重厚かつシリアスなままではあるが、どうも近年の皆川博子氏の著作は比較的とっつきやすくなった。
    これまでの彼女の作品が醸し出す空気が肌に合う人ならば、今作もストレスなく読了することができるだろう。
    しかしながらトータルの完成度という観点からすると、散らされたままの伏線めいたトピックがあったり、各キャラクターの心情描写が浅いと感じたり、過去の傑作には若干及ばぬといったところか。
    "バートンズ"が登場するという、茶目っ気のある演出もあるが、これもそれほど痛烈には効いていないかも。

  • 擾乱のフランス革命は収束しフランスはナポレオンの時代に.Iで登場した人々は混乱を避け舞台はロンドンに.
    最後は皆川さんらしいミステリー仕立てになっている.

  • フランス革命の擾乱の中で運命を翻弄された男女の話。
    時間を止めて過去に囚われ続ける彼らの憎悪や羨望が痛々しい。
    平等を謳った革命で自由を奪われ殺されることが無ければ狂わずに生きられたのだろうか…。
    ロレンスとコレットは死ぬことを望みながらも必死に生きようとしていたんだと思う。
    物語の最後に僅かな光を残して再出発した彼らの開拓地が希望になることを祈る。

  • 2巻は英国編。
    明るい内容ではないが、面白かった。久しぶりに没頭して読んだ気がする。

    どんよりと重苦しいロンドンの様子が、まるで登場人物の心象風景のようだった。比較的明るい子供のキャラクターが対比となって浮かび上がる。
    『鰐』のずっしりした存在感がいいなぁ……。

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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