ミライの授業

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200172

作品紹介・あらすじ

学校は、未来と希望の工場である――。そしてきみたちは魔法を学んでいる。ベストセラー『僕は君たちに武器を配りたい』の著者が全国の中学校を訪れて開講した特別講義「未来をつくる5つの法則」のエッセンスを凝縮した一冊。未来を生きるすべての子どもたちに、そして今を生きるすべての人に贈る、筆者著作活動の集大成

感想・レビュー・書評

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  • ミライの授業は、ミライの作り方の授業。
    14歳の中学生向けの本だが、大人だってまだミライを作りたいと、食い下がって読んでみた。

    ミライを作った人達の魔法はなんだったのか?

    それは学校での学び(勉強)を基礎呪文にして、5つのが上位呪文が必要。

    今、目の前にあるたくさんのモノ・仕組みは、実は魔法のなせる技だった。だから学ぶ。魔法使いになるため。

    江戸時代のちょんまげの人に現代を見せる観光ガイドになったところを想像したら、その気分を味わえる。

    楽しい。

    学びという「知」はすごい力を持っているわけだが、これにも障壁がある。

    それは「思い込み」という鎖。
    だから大人はミライが作りづらいのね。

    この鎖を断ち切るのが、事実を積み重ねる「観察と実験」。もうひとつは「世代交代」。

    ぬぬ、また大人がミライを作りづらいキーワードが。

    なぜ世代交代かと言うと、魔法の素晴らしさに賛同してもらう必要があるから。たくさんの思い込みに繋がれた人達は、新しい魔法をなかなか認めれないのです。悲しい…

    さて、気を取り直して。

    ミライを作る法則は、以下の5つ。
    ①世界を変える旅は「?」からはじまる
    ②冒険には「?」が必要だ
    ③一行の「?」が世界を変える
    ④すべての冒険には「?」がいる
    ⑤ミライは「?」の向こうにある

    これを偉人のエピソードに絡めて、ミライの作り方を説明してくれる。偉人の人間味あふれるエピソードも盛り込まれており、楽しい。

    読み進めると、大人だって出来ることがありそう(まだ諦めてない)。

    課題をこなす人より、「課題」を見つける人になる。「空白地帯」に仮説の旗を立てよう。思いを目に見える「かたち」にしよう。個性豊かな仲間たちと「パーティー」を作ろう。迷った時は「基本原則」に立ち返れ。

    世界を変えるには、自分から。
    そして毎日の小さな選択から。

    冒頭の

    未来を予測する
    最善の方法は、
    それを発明することだ

    アラン・ケイの言葉が響く。

    人生100年時代、大人の定義さえ思い込みと信じて、ミライを作ろう。

  • 他の方のレビューでも記載の通り、本の題名の「授業」というより、未来を切り開いてきた偉人たちの伝記集という印象を私も持ちました。
    個人的に、ヘンリー・フォード、伊能忠敬、ナイチンゲール、マーガレットサッチャーの章が面白かったです。


    伊能忠敬
    酒造家であった伊能家に婿入りし、隠居するまでに45億円まで資産増やす。50歳で、天文学・測量を学ぶため、自分より19歳年下の高橋至時に弟子入りする。その後は皆さんご存知の、蝦夷地の測量と地図作成を行う。

    ナイチンゲール
    1854年(34歳)
    ロシアとオスマン帝国のクリミア戦争に看護師団を率いて戦地に向かう。当時の看護師は身分の低い職業だったため、家柄の良いナイチンゲールの行動に「身の危険をかえりみず、祖国のために立ち上がった上流階級のヒロイン」として有名になる。
    「コウモリの翼」の統計も本書で紹介されていた。

  • ミライへの可能性を秘めた14歳に向けた、14歳が14歳の今、読むべき本。
    かつて14歳だった大人が読んでも十分に役立つ本です。

    14歳向けにとてもわかりやすく書かれているので、大変読みやすくわかりやすい内容です。

    著者は私と同学年でまったく同じ世代。残念ながら2019年に47歳の若さで他界されています。この本は亡くなる3年前に書かれた本。

    さまざまな偉業を成し遂げた20人(19人+1人)を題材に、いかにしてその偉業が実現されたのかを解説しながら、思考のヒントを与えてくれる内容。

    ミライへの勇気と希望を与えてくれる一冊です。おススメ。

  • 名著が名著を生む。

    著者の本を読む度、『君たちはどう生きるか』を想起させるものがあったが、本書最終頁の〈じつは、「ミライの授業」は、21世紀の『君たちはどう生きるか』をめざしました。〉の一言に納得。著者は高橋至時やデニスと並ぶ偉人の一人。教育こそが社会を変革する重要なものであることを熟知し、その伝え方を真剣に考えた。イノベーションを巻き起こす起業家への資金援助やミライの社会を担う「新人」の教育だ。〈応援する〉人は、脇役ではなく、それぞれが自分の個性と能力を発揮した唯一無二の主人公であると体現したところに、彼の功績がある。

    大きなミライは描けなくても、例えば部活動でレギュラーになれなかった時。ベンチで応援している3年生がチームの中でも自分の立ち位置に積極的な意味を見出し、その経験をいつか糧にできる、そんな希望に満ち溢れる本。年齢問わず、読んでほしいという点で、『君たちはどういきるか』と同じ価値があろう。仮説の旗は、〈空白地帯〉に立てる、〈コトを疑う〉そして〈変革者はいつも新人である〉。まずは自分時自身の違和感や疑問を大事にし、そして、部下・後輩、異業種の人やこどもの意見を真摯に受け止め、応援をする。自分に今できることを。

  • 【献本】7月1日最新刊!未来を生きる子どもたちに向けた未来を変える特別講義「未来をつくる5つの法則」瀧本哲史『ミライの授業』を5名様に先出しプレゼント!【2016年6月27日まで】
    http://info.booklog.jp/?eid=916

    学校は、未来と希望の工場である――。
    そしてきみたちは魔法を学んでいる。
    本書は、その講義のエッセンスを凝縮した一冊である。
    未来を生きるきみたちに向けた、未来を変える特別講義だ。

    2015年、私は全国の中学校を飛び回った。超難関として全国にその名を轟かす兵庫県の灘中学校や、福島第一原発事故の影響で避難生活を余儀なくされている福島県飯舘村立飯舘中学校など、さまざまな中学校を訪ねた。
    目的はひとつ、未来に生きる14歳のきみたちに、特別講義を届けるためだ。
    中学生向けの講義だからといって、レベルを落としたつもりはない。本講義の根底に流れるのは、ふだん私が京都大学の学生たちに向けて語っているのと同じテーマであり、問題意識だ。
    講義のタイトルは「未来をつくる5つの法則」。その中身は、ざっと次のような感じである。ぜひ法則の「?」に入るキーワードを想像してみてほしい。

    法則1 変革の旅は「?」からはじまる
    法則2 冒険には「?」が必要だ
    法則3 一行の「?」が世界を変える
    法則4 すべての冒険には「?」がいる
    法則5 ミライは「?」の向こうにある

    本書は、その講義のエッセンスを凝縮した一冊である。未来を生きるきみたちに向けた、未来を変える特別講義だ。

    学校は、未来と希望の工場である――。そしてきみたちは魔法を学んでいる。ベストセラー『僕は君たちに武器を配りたい』の著者が全国の中学校を訪れて開講した特別講義「未来をつくる5つの法則」のエッセンスを凝縮した一冊。未来を生きるすべての子どもたちに、そして今を生きるすべての人に贈る、筆者著作活動の集大成

  • 私は14歳ではないけれど真剣に目をキラキラさせながら この授業を受けました! こんな授業をホントに14歳の頃に受けていたらもう少し違った道を歩いたかも知れない かな?笑 紹介される19人に続く20人目になれたかもね♪ いやいや今からでも未来を作る人を目指したい 笑。私にはとても楽しくて為になる素晴らしい講義 でしたよ。感謝

  • まずは装丁に惹かれて手に取って
    中をさっと見てすぐ購入しました。

    内容は14歳の未来ある人々へ向けた
    メッセージですが、14歳以上の方も以下の方も
    全ての方に読んでいただきたい内容です。
    読まない方には、おせっかい承知で
    口頭で説明したくなるくらい素晴らしいと
    思いました。

    今勉強する意味を魅力的かつ的確な言葉で
    説明している文章に初めて出会いました。
    それだけでも私にとっては価値ある1冊です。

    学生ではなくても、今取り組んでいる事や
    学んでいることは未来の何かへ繋がっているのだと
    意識するだけで、何気なく行っている日々の作業や
    すべての行動に意味があるものに変わりました。

    すばらしい内容の1冊です!おすすめ!

  • 良い本だなと思う。子供が読んで、世界の偉人の逸話に触れて、考え方を養う。ある小学校の教室にもこの本が置かれていて、子供たちはいつでも手に取る事ができる。

    授業とは、学問を教え授ける事。ミライを切り開くために、過去を学んではどうか。ミライを変えるには、自分を変えるのだと本著。素直に良い本だなと最初に書いたが、しかし。変える必要があるのか、という点には違和感。子供たちには、未来がある。変えねばならぬ現状は大人の責任であって、子供たちが変わらねばならない訳ではない。確かに、社会を変えるような素晴らしい貢献は称賛されるべきだが、偉人を目指す必要はない。

    人が人として生きて、そこに生産性や新奇性を要求されぬ穏やかな生き方。ある種の資本主義的競争レースからの離脱を子供たちの選択肢へ。

  • 14歳の子供に向けた著書
    君たちは未来の住人、大人は過去の住人
    歴史を振り返ればいつの時代にも未来を作る人がいた。
    誰かが舗装した道路を進むのではなく、自分で道を切り開いて、新しい旗を掲げ、誰も知らない明日へと踏み出す未来を作る人になろう
    ということで19名の過去に偉大な功績を残した変革者を以下のポイントに沿って紹介している

    法則1世界を変える旅は違和感からはじまる
    法則2冒険には地図が必要
    法則3一行のルールが世界を変える
    法則4すべての冒険には影の主役がいる
    法則5ミライは逆風の向こうにある

    著者は投資家。14歳の若者に20人目の変革者になれるよう著者を通じて投資したいと語ってる

  • 賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?

    この問いかけに真剣に向き合えるのが、
    若者の特権なのかな?
    私はこの問いかけの前に、無意識に正解を探そうとした。
    でも、一つの正解なんて存在せず、一人一人の中にあるのだということに、この本で気付かされた。

    こんな当たり前のことにも気づけないなんて、我ながらショック。
    気をつけていないと、大人というただのつまらん生き物になってしまうな。

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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