夢の猫 古道具屋 皆塵堂

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200400

作品紹介・あらすじ

天涯孤独な少女の夢に出る
「黒猫」の正体は?

曰く品が揃う皆塵堂に
人や猫も集まって……

面白さ抜群の「人情怪談騒動記」ついに完結!

父親が亡くなり天涯孤独の身となったおきみは、
後ろ足の先だけ白い黒猫が出る夢を見るようになる。
すると夢と同じ出来事が実際に起こるのだ。
残された借金返済のため根付を売りに皆塵堂へ行ったおきみだったが、
たいした金額にはならず、女郎屋に売られることに。
皆塵堂・主人の伊平次は一計を案じるのだが……。
そしておきみが夢で見た黒い子猫は何者なのか?

感想・レビュー・書評

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  • 皆塵堂シリーズ最終巻とのこと。
    これまでの伏線もすべて回収されて、本当に終わってしまうんだな…としみじみ。

    夢に出てきた猫に導かれ、14歳の女の子が皆塵堂にやってくるのですが、皆塵堂に女の子がいるということがとてつもなく新鮮。
    思えば登場人物、男性ばっかりだったんだな…。
    シリーズ当初に比べると、コメディ色と猫色がどんどん濃くなってきたのですが、最終巻はその集大成という感じでした。
    本作では皆塵堂のオールスターズが次々と登場し、カーテンコールを見ているような名残惜しさを感じながら読了。

    すっかり登場人物たちに愛着がわいてしまったので、いつかスピンオフ作品が出ないだろうか…と秘かに期待しています。

  • 皆塵堂シリーズも、この巻で完結との事。

    終盤は、たくさん生まれた子猫たちを押し付けるために、今までの登場人物たちを巡っていくので、懐かしさと共に、このちょいと変だけど、憎めない人々ともお別れなのか・・と、寂しいものがありました。
    またいつか、番外編でも出して頂きたいです。

  • 猫三昧で巳之助が
    江戸中走り回り

    今までの伏線全回収?
    と思ってました。
    だけど、続編が出てるみたいなんで

    相変わらず連助があれこれ見る事ないけど
    うまい具合な感じで帰って行くのが
    奴らしいやら腹たつやら?

    いつかはスッキリしたいと願うところです

  • 皆塵堂シリーズ完結編。再読。
    初めて女性が皆塵堂にやって来ることに。とは言え男ばかりの皆塵堂、娘は隣の米屋で寝泊まりすることになり、米屋で働く円九郎が再び皆塵堂に寝泊まりすることに。
    円九郎が相変わらず皆から良いように弄られているのがお気の毒。でも円九郎もまたあまり成長していないので仕方ないところも。

    春の仔猫祭りが始まったために太一郎は地獄。江戸を逃げ出した先で意外な出会いがあるという繋がりも。
    『祟り婿』の連助も相変わらず幽霊を信じない。でも太一郎がかけた可笑しな呪いが効いているようで笑える。

    とにかく猫と幽霊だらけの完結編。最後に締めるのはやはり峰吉。
    峰吉から見ればやはりお気楽で変な大人だらけだろう。

  • 完結編ということで、これまでの登場人物が勢ぞろい。
    巳之助に子猫の引き取りを頼まれてる(笑)
    おきみちゃんの夢に出てきた子猫の正体って?
    最後、実在は分かったけど、おきみちゃんとのつながりが謎。
    円九郎の性格は相変わらず(笑)少しずつでも成長するといいね。でも、実家の彼の部屋が!(笑)
    子猫から逃げて江戸を離れる太一郎。
    でも、猫からは逃げられない(笑)そして、過去に皆塵堂と関わったある人と深い繋がりのある人物と出会う。この出会いは、びっくり。でも、やっと一区切り、かな。

    それにしても、峰吉が、15歳!もっと子供かと思ってた。
    あと、残った謎は、鮪助って、本当にただの猫なの?

    セカンドシーズンがあったら、喜んで読むつもり。

  • 978-4-06-220040-0
    c0093\1500E(0)

    夢の猫 ゆめのねこ
    古道具屋 皆塵堂 
    ふるどうぐや かいじんどう

    2016/05/11. 代1スリ発行

    著者:輪渡颯介  わたり そうすけ
    発行所:株式会社講談社

    帯より--
    父親が亡くなり天涯孤独の身となったおきみは、後ろ脚の先だけ白い黒猫が出る夢を見るようになる。すると夢と同じ出来事が実際に起こるのだ。
    残された借金返済のため根付を売りに皆塵堂へ行ったおきみだったが、たいした金額にはならず、女郎屋に売られることに。皆塵堂・主人の伊平次は一計を案じるのだが…。
    そして沖見が夢で見た黒い子猫は何者なのか?---

    目次
    ・猫の夢
    ・硯箱の中から…
    ・幽霊屋敷、出ても構わぬ
    ・にこやかな男
    ・夢の猫
      (主な参考文献)
     初出 猫の夢 メフィスト2016VOL.1
    他は書下ろし
    ----
    手にした理由
    皆塵堂シリーズを楽しんでいます。
    10巻あるうちの7番目。これまでに出てきた人たちは、なんだかんだで皆塵堂にかかわってくる。今回は珍しく表紙に女性が描かれている。果たして・・・?
    今までに皆塵堂にかかわった人たちは、決して悪いようにはなっていない。この娘さんも居場所を得て身を立てることができるようになってくれるはず。
    ----------------
    おきみ 14歳 両親に相次いで死なれ借金がある
    能登屋 古道具屋主は50歳くらい
    喜平 きへい:おきみの大家

    惣六 そうろく:おきみの父親 すでに故人
    石蔵 いしぞう:金貸し、肥えていて目口の造作が大きい
    辰五郎 たつごろう:皆塵堂の隣の米屋の主
    おかみさん:辰五郎の妻 頼りがいのある人
    鮪助 しびすけ:白地に茶色の斑模様の猫 皆塵堂で飼われている

    勝治 かつじ 30歳くらいの細身 女衒野郎 匕首を振り回す
    伊平次 いへいじ:皆塵堂店主 釣り好き 酒は飲まない
    峰吉 みねきち:皆塵堂の小僧 商売も熱心、修理も上手い
    円九郎 えんくろう:松田町の紙問屋安積屋の倅、米屋に住み込みで世話になっている
    賽銭泥棒をして勘当された。怠け者で不器用で非力。
    和七 わしち:甲斐の国出身の職人、根付も作る
    徳一 とくいち:浅草信濃屋(呉服商)の若旦那 根付コレクター 和七の根付ファン
    太一郎 たいちろう:銀杏屋(古道具屋)の若旦那、見えちゃう人、猫がやたらに寄り付いてくるが、本人は猫が何より苦手。
    鳴海屋のご隠居:清左衛門 せいざえもん
    庄三郎 しょうざぶろう:何かと運の悪い男 陰気に見える。現在信濃屋で働いている
    巳之助 みのすけ:厳つい顔、大柄、喧嘩慣れ 猫好き 魚屋俸手振り

    茶四郎 ちゃしろう オス猫
    雷鼓 らいこ オス猫
    黒兵衛 くろべえ オス猫
    木立 こだち メス猫 
    日和 ひより メス猫

    角造 かくぞう 巳之助と同じ長屋の住人 左官

    本石町の藤屋(太物屋)相続した空き家を貸し出そうと片付けを依頼
    連助 れんすけ:六連屋(むつらや)紅白粉問屋の婿さん 代々女系で婿を取り子どもが生まれると(女児で)婿殿は早々に死んでしまうことが続いていた。
    大和屋 やまとや:通油町の紅白粉問屋(大店)店主は50歳くらい説教好き、連助の商売敵。
    忠七 ちゅうしち:連助の店の手代、仕事ができる切れ者。父は一番番頭を務めた。現在は隠居している。
    寅吉 とらきち:六連屋の小僧、一家心中の生き残りで鳴海屋のご隠居の口利きで六連屋へ、とにかくよく働く小僧

    直七 なおしち:川越で経師屋をやっている。太一郎が経師屋で修業していた時の兄弟子。黒猫の「黒」を買っている。太一郎は家でもすぐ裏に長屋でも猫たちが子猫を生むので、川越に(買い付けに行くと言って)来ていた。
    笑吉 しょうきち:川越の万屋の店主、体調不良で寝込んでいる。にこやかな男 印籠を持っている。
    お福 おふく:笑吉の妻 (男と逃げた)
    江戸の本所の金物屋の隠居:老人の幽霊、川越で卒中で倒れ、笑吉に拾われるも、身ぐるみはがれて、看護を受けれず、死亡。無縁仏になっている。
    年配の女の幽霊:笑吉の姉、(すでに故人)

    幸七 こうしち:経師屋
    源六爺さん げんろく 道楽で木彫りをしている、巳之助の世話をしていた、現在は隠居暮らし。
    亀戸の古道具屋 富蔵 とみぞう
    向島寺前の茶屋、おちかちゃん

    鮪助が巳之助と円九郎を招いた。
    茶屋には重松がいた。
    重松(太一郎の父親)向島の太一郎の前の家で、妻や亡くなった子供たち(太一郎の兄弟)の菩提を弔って隠居暮らしをしようかと考えていた。荒れ放題になっていた家の縁の下から、夢に出てきていた猫が現れた。まだ、子猫で、おちかの夢に出てきたことも有、乳離れしたら、おちかの奉公先で飼ってもらうことになった。

  • シリーズ最終巻ということで後半は総集編になり、これまでのエピソードがきれぎれによみがえってきた。「見えてしまう」猫嫌いの太一ちゃんにも悲しい過去があったし、新しく出会った幽霊も前巻の登場人物の関係者だったり。そうそうそんな事件があったね、と懐かしく思い出す。とにかく悪いことはできない。因果応報。ひどい仕打ちは自分に戻ってくる。なんといっても小僧の峰吉や猫たちが魅力的なシリーズでした。また最初から読もう。そして輪渡さんの他のものも読もう。

  • 最終巻と知らずにこのシリーズ初読み。
    シリーズ最初から読み直して出直してきます…!
    ネコがかわいかった!

  • 怪談なのかコメディなのか微妙な立ち位置の皆塵堂シリーズ最新作。
    というかもはや猫小説になりそうな勢いすらあるわけですが・・・まあでもいつもどおりほんわかと楽しく読みました。しかしこんなに猫が増えて今後収集がつかなさそうな・・・と思ったら。今作で完結?今アマゾンの商品説明見て初めて知りました。ホントにいつも通りにさらっと終わっちゃったのに・・なんだか急にさみしくなってきました。。。

  • いつもの面々が新キャラと新猫を加えながら、いつも通り騒ぎに巻き込まれていきますね。この巻では「にこやかな男」が一番面白かった。「視えるだけ」の太一郎さんですが、この回は一味違います、祓いませんし戦いませんが今までで一番カッコよかったかな、と。
    この巻で完結なんか?と思ってたら続刊も出てますね、ひと安心ですわ(笑)

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著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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