夢の猫 古道具屋 皆塵堂

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 179
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200400

作品紹介・あらすじ

天涯孤独な少女の夢に出る
「黒猫」の正体は?

曰く品が揃う皆塵堂に
人や猫も集まって……

面白さ抜群の「人情怪談騒動記」ついに完結!

父親が亡くなり天涯孤独の身となったおきみは、
後ろ足の先だけ白い黒猫が出る夢を見るようになる。
すると夢と同じ出来事が実際に起こるのだ。
残された借金返済のため根付を売りに皆塵堂へ行ったおきみだったが、
たいした金額にはならず、女郎屋に売られることに。
皆塵堂・主人の伊平次は一計を案じるのだが……。
そしておきみが夢で見た黒い子猫は何者なのか?

感想・レビュー・書評

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  • 皆塵堂シリーズ最終巻とのこと。
    これまでの伏線もすべて回収されて、本当に終わってしまうんだな…としみじみ。

    夢に出てきた猫に導かれ、14歳の女の子が皆塵堂にやってくるのですが、皆塵堂に女の子がいるということがとてつもなく新鮮。
    思えば登場人物、男性ばっかりだったんだな…。
    シリーズ当初に比べると、コメディ色と猫色がどんどん濃くなってきたのですが、最終巻はその集大成という感じでした。
    本作では皆塵堂のオールスターズが次々と登場し、カーテンコールを見ているような名残惜しさを感じながら読了。

    すっかり登場人物たちに愛着がわいてしまったので、いつかスピンオフ作品が出ないだろうか…と秘かに期待しています。

  • 皆塵堂シリーズも、この巻で完結との事。

    終盤は、たくさん生まれた子猫たちを押し付けるために、今までの登場人物たちを巡っていくので、懐かしさと共に、このちょいと変だけど、憎めない人々ともお別れなのか・・と、寂しいものがありました。
    またいつか、番外編でも出して頂きたいです。

  • 猫三昧で巳之助が
    江戸中走り回り

    今までの伏線全回収?
    と思ってました。
    だけど、続編が出てるみたいなんで

    相変わらず連助があれこれ見る事ないけど
    うまい具合な感じで帰って行くのが
    奴らしいやら腹たつやら?

    いつかはスッキリしたいと願うところです

  • 皆塵堂シリーズ完結編。再読。
    初めて女性が皆塵堂にやって来ることに。とは言え男ばかりの皆塵堂、娘は隣の米屋で寝泊まりすることになり、米屋で働く円九郎が再び皆塵堂に寝泊まりすることに。
    円九郎が相変わらず皆から良いように弄られているのがお気の毒。でも円九郎もまたあまり成長していないので仕方ないところも。

    春の仔猫祭りが始まったために太一郎は地獄。江戸を逃げ出した先で意外な出会いがあるという繋がりも。
    『祟り婿』の連助も相変わらず幽霊を信じない。でも太一郎がかけた可笑しな呪いが効いているようで笑える。

    とにかく猫と幽霊だらけの完結編。最後に締めるのはやはり峰吉。
    峰吉から見ればやはりお気楽で変な大人だらけだろう。

  • 完結編ということで、これまでの登場人物が勢ぞろい。
    巳之助に子猫の引き取りを頼まれてる(笑)
    おきみちゃんの夢に出てきた子猫の正体って?
    最後、実在は分かったけど、おきみちゃんとのつながりが謎。
    円九郎の性格は相変わらず(笑)少しずつでも成長するといいね。でも、実家の彼の部屋が!(笑)
    子猫から逃げて江戸を離れる太一郎。
    でも、猫からは逃げられない(笑)そして、過去に皆塵堂と関わったある人と深い繋がりのある人物と出会う。この出会いは、びっくり。でも、やっと一区切り、かな。

    それにしても、峰吉が、15歳!もっと子供かと思ってた。
    あと、残った謎は、鮪助って、本当にただの猫なの?

    セカンドシーズンがあったら、喜んで読むつもり。

  • シリーズ最終巻ということで後半は総集編になり、これまでのエピソードがきれぎれによみがえってきた。「見えてしまう」猫嫌いの太一ちゃんにも悲しい過去があったし、新しく出会った幽霊も前巻の登場人物の関係者だったり。そうそうそんな事件があったね、と懐かしく思い出す。とにかく悪いことはできない。因果応報。ひどい仕打ちは自分に戻ってくる。なんといっても小僧の峰吉や猫たちが魅力的なシリーズでした。また最初から読もう。そして輪渡さんの他のものも読もう。

  • 最終巻と知らずにこのシリーズ初読み。
    シリーズ最初から読み直して出直してきます…!
    ネコがかわいかった!

  • 怪談なのかコメディなのか微妙な立ち位置の皆塵堂シリーズ最新作。
    というかもはや猫小説になりそうな勢いすらあるわけですが・・・まあでもいつもどおりほんわかと楽しく読みました。しかしこんなに猫が増えて今後収集がつかなさそうな・・・と思ったら。今作で完結?今アマゾンの商品説明見て初めて知りました。ホントにいつも通りにさらっと終わっちゃったのに・・なんだか急にさみしくなってきました。。。

  • いつもの面々が新キャラと新猫を加えながら、いつも通り騒ぎに巻き込まれていきますね。この巻では「にこやかな男」が一番面白かった。「視えるだけ」の太一郎さんですが、この回は一味違います、祓いませんし戦いませんが今までで一番カッコよかったかな、と。
    この巻で完結なんか?と思ってたら続刊も出てますね、ひと安心ですわ(笑)

  • 本作の中心人物は初の女性,おきみ。大工の娘だったが,両親を相次いで病気で失い一人になってしまう。そして母親の医者代薬代の借金が残り,家にあった道具をすべて売り払い長屋を出ていくことになる。そして最後に残った父が集めた根付を売ろうというところで,前夜に必ず売りに行く予定の古道具屋の夢を見た。夢の中で不思議な猫が現れて,古道具屋の店先をめちゃくちゃにしてしまうのだ。そして起きてから,予定通りその古道具屋に行くと,何故か店主も同じ夢を見ており,買い取りを拒まれるということを繰り返していた。その猫の正体を探るという話になっている。
    「猫の夢」
    金貸しの石蔵は,借金が返せないのなら遊郭に売り飛ばそうとしていた。その期限ギリギリに尋ねることになったのが皆塵堂であった。おきみはいつものように皆塵堂のゆめをみていたのだが...。
    「硯箱の中から...」
    おきみと入れ替わりで皆塵堂に居候することになった円九郎。円九郎は太一郎の頼みで信濃屋の庄三郎を訪ねる。すると,夜中にカタカタ動く硯箱を引き取って欲しいと言う。皆塵堂に戻ってきた円九郎は夜中に目を覚ますとカタカタ言う音を聞く。
    「幽霊屋敷 出ても構わぬ」
    藤屋という店が持っている空き家の片付けを皆塵堂が(というか清左衛門が)引き受け,円九郎と連助が行くことになる。店子がすぐに出ていってしまう家だそうで,なにやら曰く付きの気配がするのだが,連助は相変わらず幽霊なんかいるはずがないと高説をたれて鬱陶しい。
    「にこやかな男」
    子猫の誕生ラッシュに堪りかね江戸を脱出した太一郎は,川越の知人を訪ねていた。そこで嫌な気配を感じて行ってみると,閉められた店があった。知人によると,いつもニコニコと感じの良い笑吉という男がよろず屋のようなことをやっていたが,病に臥せって,店を閉めたのだという。知人がドアを開けて加減を訪ねる時に覗くと,その笑吉という男には霊が付いていた。太一郎が気になって調べていくと驚くべき事実が明らかになる。
    「夢の猫」
    巳之助の鬼猫長屋でたくさん生まれた子猫をみんなで見物しようということになり出掛ける。それらの子猫の中にはおきみの夢にでてきたような後ろ足の先だけが白い黒猫はいなかった。あちこちで生まれている子猫を見に行くという巳之助に円九郎も付いていくと...。

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著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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