蜃気楼の犬

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 56
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200431

作品紹介・あらすじ

正義など、どうでもいい。
俺はただ、可愛い嫁から幸せを奪う可能性を、迷わず排除するだけだ。明日も明後日も。

県警本部捜査一課の番場は、二回りも年の離れた身重の妻コヨリを愛し、日々捜査を続けるベテラン刑事。周囲の人間は賞賛と若干の揶揄を込めて彼のことを呼ぶ――現場の番場。
ルーキー刑事の船越とともに難事件の捜査に取り組む中で、番場は自らの「正義」を見失っていく――。

新江戸川乱歩賞作家が描く、新世代の連作警察小説。

感想・レビュー・書評

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  • 連作短編集。
    捜査一課のベテラン刑事、通称”現場の番場”は独自の勘により真相を暴いていく。ペアを組む若手刑事らとの捜査の中、彼の正義はどこに向かうのか・・・
    トリックを探しつつ、という流れにいま一つ乗れなかったが、最後の編はなるほどなと。なぜ若い奥さんを貰ったのかが分からず残念。次作があるのだろうか。

  • やや現実離れをしているものの、どの話も謎解きの爽快感は味わえた。深く心に残るほどではないが、エンターテイメントとしては楽しめた。

  • 刑事ものの連作短編。昨年の乱歩賞作家である作者は、初めて読む。
    ハードボイルドの雰囲気がある警察ミステリだが、矛盾しないライトな読み易さがあるのはよかった。これは稀有なセンスだと思う。
    そんな筆致は魅力なのだが、ページ数が少なく、展開もシンプルに過ぎる。つまりプロットまでライトなのが戴けない。もっと厚みが欲しかった。
    最後の二作はこの難点が解消された上、ミステリとしても見事といえる。
    ストーリーはよくあるものだが、印象は独特なのも良かったので、ちょくちょく読みたい。
    3+

  • 最初はどんな話かな~と読んでいく感じで、ただ追って行っていただけだけれど、最後の話を読んでなるほど…という感じ。
    番場が事情を抱えている点(妻が二まわり年下で親族から反対を受けているため孤立無援)はあるものの、そこについてはとくに深くは触れられていないのがよかった。

  • 連作ミステリ。正義のため、というよりも家族のために事件を解決しようとする刑事の物語。たしかに家族が一番大事だってのは分かりますが、あまりに考えすぎでは、と思う面もあるので。何か事情があるのかと思いきや、そのあたりが描かれていなかったのは少し残念かも。
    それぞれにまったく関係のない事件だったはずなのに、最終話でふと見えてくる繋がりには驚き。だけどそれが必然ではないということが、怖いといえばたしかに怖いことです。どこにでも犯罪の種が転がっている、というのは仕方のないことなのかなあ。

  • 連作短編集。ページに模様が入っています。

  • 若い妻に関する事情がわからずじまいで残念。
    ページは真っ白の方が良い。

  •  続編があるのだろう。伏線が回収されていないから。
     ただ、未回収の線を拾い上げた時に、本編を越えた感動があるのかどうか?

  • うーん。なんだろう。短編集のせいか、物語はしっかりしているのに、全体的に薄いと感じる。
    各章に登場する人物はが最後の章『蜃気楼の犬』の事件に関わってくるあたりの作り方は良いのだが、なんとなく物足らなさを感じる作品。
    優秀な刑事が自分の妻とこれから生まれてくる子どもが事件に関わらぬよう、少しでもその芽を摘み取っていくべく事件を解決していくのだが、帯に書いてあるような『正義より妻。』からイメージする内容とは全く違っていた。
    また、義理の兄との関係性も意味深ぽくしている割には結局『なんだったの?』と思わされるような結論が見えない始末。妻や義理の兄との描写を丁寧に描けていればもう少し良い物語になると思うのだが。

  • 地方都市で起きる殺人事件を、捜査一課の番場と一年目の船越が追う連作短編集。
    事件によっては、何故この人の家にそれがあるのか、納得できない凶器が出てきたり、都合良く殺人が巧く行ったりするのは、短編なので仕方ないことなのか?

    細かいことは、気にしないで読んだほうがいいね。

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著者プロフィール

呉 勝浩(ご かつひろ)
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年、『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞。2018年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞を受賞し、吉川英治新人文学賞候補にもなった。

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