- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062200653
作品紹介・あらすじ
お願い。いっぺんだけ、ぎゅっとして
それは、世界一の初恋だった。
「ドライブイン蒲生」「ゆず子の形見」の芥川賞作家が贈る、
峻烈なラブ・ストーリー
本書は、芥川賞作家である伊藤たかみさんの、「ボーイミーツガール」小説。
主人公のメイは、複雑な境遇に育つが、愛を求めて一直線に生きてゆく。
生きづらい、すべての人たちへ。
メイは、小学校4年生のときに、母親といっしょに“ありがた教”と呼ばれるN神聖教会のキャンプから逃げてきた。かわいいのに風変わりで、歌が抜群にうまいのだ。彼女の「恋人」として、僕たちは屋根裏部屋で長い時間を過ごすようになる。どうしても自分の本当の父親と会ってみたい、というメイ。高校生になった僕らは、ようやく探し当てた父親の家へと向かうが……。
感想・レビュー・書評
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小学4年のとき、メイと母親はN神聖教会から逃げ、離れの古い家に住むことになった。
「僕」はメイを見守り、共に成長していく。
残酷になったり、不安定になったり、揺れ動くメイが悲しい。
伊藤たかみさんの描く世界観が大好き。
過ぎ去った日々が懐かしく思い出される。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これだけ勢いがあれば母がどうであろうと、父がどうであろうとやっていけるよ。メイ。
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表紙の女の子の表情というか佇まいにぐっとひかれて読み始める。色々あるけど、まあ他人の初恋の話。何で最期まで読んだのかも不思議な感じ。
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芥川賞作家の作品。
共同生活を送る宗教集団から離脱した、歌が上手い少女といとこの少年の交流。
実父探し、実母の再入信と翻弄される少女に交際相手の少年は寄り添う。
別れた二人は、少年が大学生に、高校を中退した少女は歌の道でそこそこ有名になる。
少女は少年の大学でライブをする。ひそかに見ていた少年は、その後、偶然、少女と再会。それが少女との最後となった。
小説世界に現実感を与えるため、思い浮かぶ実在事件、人物が所々に登場する。
現実感は薄まるが、少女を歌手として大成させてほしかった。
表紙写真は内容と何か関係しているのか。