なりたて中学生 上級編

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 84
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200745

作品紹介・あらすじ

すべての小学6年生に告ぐ! 中学校は、なんだかんだで面白い!!

土矢小学校に通っていたのに、小学校卒業があと間近というタイミングで、親が、いま住んでいるアパートから、ほんのちょっと離れたところに念願のマイホームを建てたものだから、親友の小谷や菱田といっしょに土矢中学校に進学できず、瀬谷中学校に通うことになってしまった成田鉄男=ナリタテツオ。

超アウェイの状況でスタートした中学校生活も、あっという間に夏休みが終わって二学期に。クラスの広報委員であるテツオは、「観察して、取材する」中学生活を送るのが信条。部活や勉強に力を入れ始めた級友たちを、まぶしい思いで観察していたのだが、文化祭シーズンに入り、広報委員会も出店をだすことになって、「観察」どころか、大忙しの日々が始まる。

いっしょに制服の採寸をした杏里も、夏休みの後、どことなーく大人っぽくなってて、「なんだろ? この気持ち」なテツオの学校生活は、それでも変わらず続くのであった――。

ちょっと頼りなくたって、「中学生」なんて、だれでもできるもんやで!

感想・レビュー・書評

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  • 「すべての小学6年生に告ぐ! 中学校は、なんだかんだで面白い!!
    土矢小学校に通っていたのに、小学校卒業があと間近というタイミングで、親が、いま住んでいるアパートから、ほんのちょっと離れたところに念願のマイホームを建てたものだから、親友の小谷や菱田といっしょに土矢中学校に進学できず、瀬谷中学校に通うことになってしまった成田鉄男=ナリタテツオ。超アウェイの状況でスタートした中学校生活も、あっという間に夏休みが終わって二学期に。クラスの広報委員であるテツオは、「観察して、取材する」中学生活を送るのが信条。部活や勉強に力を入れ始めた級友たちを、まぶしい思いで観察していたのだが、文化祭シーズンに入り、広報委員会も出店をだすことになって、「観察」どころか、大忙しの日々が始まる。いっしょに制服の採寸をした杏里も、夏休みの後、どことなーく大人っぽくなってて、「なんだろ? この気持ち」なテツオの学校生活は、それでも変わらず続くのであった――。
    ちょっと頼りなくたって、「中学生」なんて、だれでもできるもんやで!」

  • 「なりたて中学生」三部作の最終巻。

    1学期が終わった。
    なりたて中学生の成田鉄男は、中学校とはなんだろうということをとことん考えることにした。

    体育祭。みんなで同じ動きをしている。なんか不気味や。
    学校からのプリント。先生は誰に向けて、何を言いたくて書いているんやろか。
    どこの部活にも入っていないので、夏休みは部活見学をしてみよう。自分は馴染まんが不気味ではない。
    2学期は文化祭。そもそも「文化」ってなんだろう?学校も「文化」なんだろうか?
    鉄男の所属している広報委員会は、文化祭にブースを作ることにした。各ブースを訪れての突撃生放送!傍観者のつもりだった鉄男が、行ったブースで当事者にさせられることもある。

    自分は馴染んでいるんだろうか。
    不気味なもんには慣れないが、馴染まんもんにはいつか馴染むんやろか、そもそも馴染まんでもいいんじゃなかろうか。

    思考を重ねる鉄男は、身長も伸び、同じクラスのアンリに好意を持ってみたり、両親との関係も思春期のものとなり、なんだかんだいっても学校というものは興味深いなって思っていくのだった。


    ===

    中学ってなんだろう、どうしてこんなシステムなんだろう、という基本を考え、そこから社会の仕組みだとか、自分の存在だとかに繋がるお話なので、改めて言われてみると面白かったです。
    馴染まないこと、不気味なこと。自分が慣れられること、慣れられないこと。いつどこに所属していてもそれは感じることだけど、それをとことん考え、言葉にできると、自分の居場所がわからないなりにも、言葉にしたことでスッキリはしそうですよね。

    しかし3冊ずっと考え考え考えで、読んでいてちょっと疲れたという気もするような…。私が考えなさすぎるというか、目を逸らしているんでしょうね(^_^;)

  • この話はてつおという中学一年生の話です。広報委員会のてつおは、文化祭で文化祭のライブ配信することにしました。元々学校だ好きでわない鉄男ですでも文化祭を通して好きになりました とてもおもしろかったです

  • 「世の中には普通なんてないねんで。」

    中学生の時に読みたかったな~。

  • 引越しのため親友と別れ隣の学区の中学校に進学したテツオ
    中学校生活に違和感を感じながら迎えた夏休みには部活見学を
    2学期には広報委員として文化祭をレポートする

    自問自答しながら明らかになった違和感の正体は「不気味」ということ

      違うんや。学校にはなじまんもんと不気味なものがあるんや。

    へたれテツオの2学期を描く関西弁の少年小説、3部作の完結編

  • ああ、どない言うたらええのやろう。
    アカン。オレ、言葉持ってへん。
    悔しいほど持ってへん。
    ー成田

    学校が“なじまん”かったり、“不気味”だったり、テツオはテツオなりによく考えてた。

  • 制服、部活、教科ごとに変わる教師。小学校とは違う環境に放り込まれる不安な気持ち、そして違和感。自分自身が中学生だった頃の気持ちが浮き上がってきた。 bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9…

    (あらすじ)

    土矢小学校に通っていたのに、小学校卒業があと間近というタイミングで、親が、いま住んでいるアパートから、ほんのちょっと離れたところに念願のマイホームを建てたものだから、親友の小谷や菱田といっしょに土矢中学校に進学できず、瀬谷中学校に通うことになってしまった成田鉄男=ナリタテツオ。

    超アウェイの状況でスタートした中学校生活、テツオはなんとかクラスで「広報委員」というポジションを確保し、委員として、いろいろな部活をデジカメを回しながら視察し、記事を書くという大役をおおせつかる。が、「肝心のお前はどうすんねん!」とツッコまれても仕方ない、変わらぬヘタレっぷりで、いっしょに制服を採寸した仲の杏里も、ややあきれ顔。
    あーあ、杏里はどこの部活に入るんかいな――と気になってみたりしながら、初めて数学、英語という「学問」に触れて、その凄みを知ったりして、ちょっと頼りないけれど、初めて尽くしの「中学生」稼業を、よろよろと進行しているのであった!

  • シリーズ。中学生。夏休み。文化祭。中1の夏休みをどう過ごそうかと学校の手引きを読んでみたら、学校に行きたくなったテツオは部活見学部を個人的に立ち上げ、いろいろ見て回ることに。どこか引いてしまう自分をヘンなのか間違っているのかと悩むけど、テツオは素直にいろいろ言って、聞いて、自分なりの腑に落ちるところを見つけていく。やっぱりテツオはいいなぁ。テツオの周りの人たちもいいなぁ。

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著者プロフィール

1953年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。1991年、『お引越し』で第1回椋鳩十児童文学賞を受賞。同作は相米慎二監督により映画化された。1997年、『ごめん』で第44回産経児童出版文化賞JR賞を受賞。同作は冨樫森監督により映画化された。2017年、「なりたて中学生」シリーズ(講談社)で第57回日本児童文学者協会賞を受賞。他の著書に、「レッツ」シリーズ、『ハルとカナ』『サンタちゃん』『ぼくは本を読んでいる。』(以上、講談社)、「モールランド・ストーリー」シリーズ(福音館書店)、『大人のための児童文学講座』(徳間書店)、『ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか?』(光文社新書)など。『児童文学書評』主宰。

「2023年 『あした、弁当を作る。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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