Q→A

著者 :
  • 講談社
3.65
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本棚登録 : 88
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200752

作品紹介・あらすじ

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 Q5 中学生活最後の学年です。これからどんな一年にしたいですか?
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 どんな一年って、受験しかないじゃん。(中略)
 朝子は人生最初の大きな試練だからこそ、きちんと勝負をしてみたかった。
 そうじゃなきゃ、自分は変われない。
 この痩せすぎの身体を気にする性格、苦手なことから逃げたい性格、緊張しすぎる性格。そんな自分が好きになれないから、いつも自分に自信がないし、未来に対しても希望が持てない。
 朝子は、そんな自分から卒業したかった。
 早いうちに、できれば中学のうちに克服して、生まれ変わったような自分で高校生活を満喫したい。
 そのために、この初めての関門は逃げたくないと思うのだ。(中略)
 これは、自分を変えるチャンスなのだ。
 これくらい大きな勝負に、全力でのぞまないと、とても今の自分を変えることはできないと思うのだ。
 それで朝子は、最後の質問にこう回答した。
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 A 勝負の年にしたい。
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 朝子は、大きく息を吐いて窓の外を見た。
 相変わらず、桜の花びらがはらはらと散っている。
 すべての回答を終えてホッとしたせいか、朝子は、しみじみと本当に中学三年生になったのだと実感していた。
 頑張らないと。
 朝子は、最初の思惑どおり、ひどくシンプルな五つの回答を眺めながら、強い覚悟でそう思った。
 そし最後の名前を書く欄に「三年一組、野崎朝子」と書くと、これは間違いでもなんでもない現実なんだと、ようやく信じられる、そんな心持ちになったのだった。
 (本文より)

 野崎朝子とそのクラスメイトが、それぞれ学校や塾のアンケートに答えていくことで、自分のほんとうの気持ちに気づいていきます。

感想・レビュー・書評

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  • 森絵都さんのクラスメイツみたいなかんじ!連作短編になってるからそれぞれが繋がってて楽しい。読みやすいなあっていう印象。

  • 中学三年生は人生の中で1番多感な時期だったんだなぁと思い出させてもらった作品。
    いろんな悩みを抱えて、表に出さずに暮らしている中学三年生に是非読んでもらいたい本です。
    自分が中学三年生の時に読んだら、どんな感想を持ったんだろう……

  • なかなか素直になれない中学時代、家族にも友だちにも。そんな彼らの本音がチラホラ垣間見える。男子はいい意味で単純でカワイイ。2018.7

  • この本は、「変わりたい」と思っている人にも「変わらなければいけない」と無理をしている人にも読んでもらいたいと思い選びました。一番悩みの絶えない時期ですが、変わろうとする事も、変わらず今の自分を受け入れ向き合う事も、どちらも間違いではないんだと背中を押してくれるお話だと思います。

  • 中学3年生の男女数名の各目線で構成されているお話。
    ときどき学生もののお話が読みたくなります。
    伝えたい事がまっすぐ表現されてることが多いので変に勘ぐったりせずに読み進められるのが良い。
    学生のうちは存分に学問を学ぶべし!ってことでおススメ。

  • 長身で痩せていることにコンプレックスの朝子、低身長がコンプレックスのバレー部の征児、太っていることで恋愛に積極的になれず、そのために不登校になってしまった雅恵、本当の自分をさらけ出せる場所を求めて塾を変えた由里、かわいい彼女に振り回さっれっぱなしの義巳。中学3年生の彼らが、それぞれアンケートに回答しながら自分のこれまでを回想する。受験を前にした不安、クラスでの人間関係、自分のキャラの出し方、親との距離の取り方、等々……、オムニバス形式で思春期の葛藤を描く。

    痩せているのが嫌な子もいれば太っていて悩んでいる子もいる。なんてことないことでも「悩むのが仕事」のティーンエイジャーの気持ちに寄り添う作品なのでしょう。

    ただ一つ笑ってしまったのは、「理解のある父親」が息子にエロ本をプレゼントしてきたところ。隠し場所までアドバイスして。素直に受け取らない彼を父親は興味の対象が女性ではないと勘違いしてしまった。
    その前には、憧れのバレーボールのエースアタッカー(男子)からバレンタインチョコとともに告白の手紙を受け取って辟易していたというから、最近の男の子は大変だ。

    難易度は高学年程度ですが、内容を考えると中学生の方が理解しやすいでしょう。

  • 「将来の夢は何ですか?」
    「どんな一年にしたいですか?」
    学校や塾や雑誌のアンケートに答えるそれぞれの中学生たちが主人公の短いお話。そんなこと聞かれても、とか、正直に書けるわけない、って思いつつも自問自答が頭の中を駆け巡ります。今の自分、これからの自分、理想と現実、友だち関係や恋愛のこと。彼らが出した答に共感したり、また振り返って自問自答したり。

  • p46
    3行目
    増田ー小島?

  • 恋、勉強、受験、友だち付き合い、見た目のコンプレックス…中学生たちの日々の悩みがオムニバス形式で語られる。

    中3という受験を控えた思春期真っ只中の子どもたちが、”アンケートに答える”ことをきっかけにそれぞれが抱える想いと向き合い、悩み、考える。中学生視点で物語はすすみ、前半でQというかたちで悩みが語られ、後半ではAとして、卒業を目前にしてみな自らの悩みに答えを得る。

    増田くんのパートがすき。あと波多野さん。リアルな中学生を描いてるけど、コンプレックスを抱えているわりには、みんなやたら前向きな気がした。自分でしっかり答えをみつけているから、みんなすごいなぁいいこだなぁと思う。物語ということでそれはそれでまあいっかな。

  • あっさり読めてよかった。征児のお父さんがとんちんかんな感じで面白かった。

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プロフィール

1970年神奈川県生まれ。実践女子短期大学卒業。99年『透き通った糸をのばして』(講談社)で第40回講談社児童文学新人賞、01年児童文芸新人賞を受賞。07年『ハーフ』(ポプラ社)で日本児童文学者協会賞を受賞。

「2016年 『Q→A』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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