『不思議の国のアリス』の分析哲学

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 84
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200790

作品紹介・あらすじ

不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を書いたルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドッジソン、1832-1898)は、オックスフォード大学の論理学の教師だった。ふたつのお話は、オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジの学監ヘンリー・リドルの娘アリスにせがまれてした即興話をもとにしたと言われる。その意味では子ども向けであるが、論理学専攻だけに、話はきわめて理屈っぽい。この理屈は、しばしば、現代哲学の議論に援用される。
そこで本書では、「アリス」の面白い部分を著者が新訳し、そこから分析哲学を展開する。

白の女王様は言います。
「ジャムは明日、ジャムは昨日、が原則なので、今日はあげられないのよ」
木曜日が水曜日になることはない。今日は昨日ではない。でも、昨日は、一日前は今日だった。これはどういうこと?
というところから、原作の時間論について考え、さらに時間を分析哲学する。そんな趣向の、明るく楽しい哲学書です。

アリスは言う。「私は、思っていることは、言ってる。少なくとも、言っていることは思っているわ」
帽子屋が言う。「それって『食べるのものは見える』は、『見えるものは食べる』と同じだと言っているようなものだ」
三月ウサギ。「それって、『手に入れるものは好きだ』は、『好きなものは手に入れる』と同じことだって言っているようなものだ」……。
ここから始まるのは、すなわち、「逆はかならずしも真ならず」についての分析哲学、という具合。

時間、同一性、実体、無と空など、アリスからひろがる哲学世界をたのしんでください。

『アリス』は映画になっても面白いし、絵本の世界もまた魅力的だ。
でも、『アリス』を読んでテツガクを楽しむなら、
この一冊です!

感想・レビュー・書評

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  • 考察は面白いですが、後半ちょっと飽き飽き。

  • 頭の中が混乱していて、途中から分からなくなってしまった。もう一度読み直したい。

  •  こんがらがってきた!

     アリスの名前が出て「論理学」ではなく、「分析哲学」と書名についてるのは珍しいよな、って興奮したんだけど、誰に話してもその興奮が伝わらない。
     そもそもですね、論理学、分析哲学、言語哲学の明確な違いが判らないんです。違いがあるかどうかもわからない。
     読み物として面白かった。ただ、八章くらいまではさくさく読めたんだけど、九章「二人の自分」あたりからすげぇ時間かかりました。可能世界がなぁ。そもそも「形而上学」「形而上的」の言葉の意味がいまいちよくわからないままだから。「形而上的可能世界」「認識的可能世界」。形而上的な話と意味論をごっちゃにしたらあかん、とか。そのあたりをすっきり理解できるよう、説明してくれる本、ないかしらね。
     「ふりをする」っていうことに対して可能世界とか持ち出してるけどさ、そもそも「ふりをする」ってそういうことかしら、っていう疑問がずっと残ってて。なんかずれてる気がするんだなぁ。「ふりをする」ってのは、飽くまでも「現実世界でそうであるというふりをする」んであって、「可能世界のうちの一つでそうである」ことを考える必要があるの?
     すっごい回りくどく説明してある部分とか、好きなひとからすれば堪らんのやけど、興味ない人からすれば、「こいつ頭大丈夫か」って思われそうね。
     抜粋。


    ((略)――合理的態度はどうでもいいという読者には「グッド・ラック!」と言うしかない。)


     ぐっどらっく!( ・`ω・´)b

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著者プロフィール

1953年生まれ。Ph.D.哲学、プリンストン大学、1981年。現在、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校人文学部哲学科教授。専攻は、分析哲学、形而上学、言語哲学。著書に『世界と個体、可能と不可能』(英語)オックスフォード大学出版局、2010年。英米圏で活躍する分析哲学者だが、日本語の著書に『分析哲学入門』『意味・真理・存在』『神から可能世界へ』(以上、講談社 選書メチエ、「分析哲学入門」初級、中級、上級三部作)がある。

「2016年 『『不思議の国のアリス』の分析哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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