住友銀行秘史

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 672
レビュー : 71
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201308

作品紹介・あらすじ

大蔵省とマスコミに「内部告発状」を送ったのは私だ。
実力会長を退陣に追い込み、上層部を動かし、
わが住友銀行は生き延びた。
そのなかで、行内の人間関係が露になり、
誰が本物のバンカーなのかもわかってきた。
いま明らかになる「イトマン事件」の真実、闇社会の勢力との闘い、銀行内の激しい人事抗争ーー。
四半世紀の時を経て、すべてを綴った手帳を初公開する。

感想・レビュー・書評

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  •  住友銀行の取締役から、楽天証券を経て、楽天をセクハラで追い出されという波乱万丈人生。人事抗争の姿を実名とメモで明かす暴露本。読んでいて、本当にこういうモラルのない、自己正当化してしまう人物に大企業の経営を任せなくてよかったなと思ってしまう。メモを効果的に使って、ドラマティックな仕上げ方をしているが、実際のところはこんなもんではない。メモを作ったのも、やめる前提だったことさえ匂わしているが、取締役に同期トップでなったとか、自画自賛の文章が並ぶ。物書きなら、こんなことは絶対ないだろうけれど、最後までついてきてくれる人、慕ってくれる人がいないことを暴露しているようなものだ。
     人事をめぐる戦いという意味で、真実があるとすれば、内部告発をマスコミにしたのは私だ。というところだろうか。なぜ告発という手に打って出たのか。イトマン事件の背後にあるのが、住友銀行の頭取とイトマンに繋がる不正であったとするなら、やはり腐っていると言わざるを得ない。なぜ取り込まれるのか、悪の道とは頭取という5万人のトップでさえも抗えない力を持っているということだ。気品にあふれと高潔であること、語学も堪能で、明晰な頭脳と判断する勇気を持っていること、ビジネスにおいても公明正大、まっすぐにやる、逃げないというメッセージが心に響くこともある。それくらい、まっすぐに立つということが難しい時代なんだろう。

  • 1990年、バブル真っ只中の日本金融界で起こったイトマン事件。本事件は経営不振のイトマンを立て直すために住友銀行から派遣された河村社長による不正経理事件だ。莫大な負債を隠すために絵画取引を利用するなど、当時としてはその意外な手段が注目された。

    一躍時の悪役となったイトマンのメインバンク住友銀行はこの事件をどのように片付けたのか。著者は当時の住友銀行員でありながら、銀行を守るためにその事件を匿名で世間に暴露し、事件解決に奔走した。それから20年以上を経て、著者は当時の詳細な業務メモをもとに事件の真相を語る。

    本書の多くは断片的なメモを並べているだけで、正直、読み物としてはおもしろくない。すぐれたゴーストライターを付けてほしかった。また、「住友銀行秘史」と言いながら、結局イトマン事件のことしか触れないって、どうなの。

    とはいえ、住友銀行によるイトマンへの会社更生法適用失敗から、XデーならぬZデーのイトマン取締役会での社長退任動議のクライマックスは読み応えがある。

  • 読んで後悔。事件のことより「自他共に認める10年に1人の逸材」だの「上司や会社のためではなくただ真実を知りたいだけ」「俺が動かなければ被害は5000億で済まなかっただろう」といった自慢フレーズが頻発。「秘史」というからには根拠や証言を示してもらいたいがそれはなく、あるのは自分のメモだけ。自己陶酔をベースに都合良い部分を激動の経済ドラマ風に書き起こしたものであり、がっかり。

  • 生まれる前の事件ということもあって、ピンとこなかったというのが正直な感想。
    登場人物や、その思惑の多さから、理解が難しくはあったけれど、イトマン事件という出来事があって、内部ではこんな動きがありました、ということを知れた。
    少し文学的な表現も多くて読みづらい部分はあったけれど、社内政治の様子は生々しく伝わった。
    銀行の、サラリーマンの生き方の縮図、みたいなものが見えたような気がします。

  • 四半世紀前の話だが、銀行員というより、ヤクザな世界だなぁと実感。メモばかりで時間の経過や流れが繋がらないのが残念。ネタはとても良いものなので、池井戸さんあたりが小説にしたら面白いのになぁ。。

  • これだけのメモをよく取っていたな、というのが第一印象。
    著者ご自身のバイタリティに感服。普通なら心が折れる状況でも、見失わずに貫徹した。
    バブルとは、驚きの時代だったということがよくわかる。今ではありえない。
    ただ、営業のやり方は参考になる。

  • イトマン事件そのものよりも、銀行トップの権力闘争のすさまじさが感じられる。

  • イトマン事件の裏側。
    なんつか。

    事件自体の記憶があんまりないし。
    当時やっぱり組織の中で上手く立ち回ったんじゃないかという感じが否めない。今更、銀行のため、社会のためと言ったって、あなたを信じて裏切られた人もたくさんいたわけだよね。それを、保身しか考えてないとバッサリ切る。そうかもしれないけど、信じてた人に結局裏でコケにされてた人たちはいたたたまれない。

    構成としても、当時のメモと、本文が錯綜するのは読みづらい。どっちかにしてほしかった。

  • イトマン事件の顛末を当時部長クラスの著者(トップ昇進組、転出後のちに楽天DLJ社長)が、自分の当時の詳細なメモをもとに日時単位で記録する。
    イトマンという中堅商社がバブルの最中不動産(ヤクザ絡み)でズブスブになってしまうところに、住友銀行が当時の天皇と呼ばれた会長がこれまた身内共々ズブズブに入り込んでしまい、銀行を巻き添えに総額5000億円の損失を出す。
    全く仕事(適正なサービス・商品を提供し対価をもらう)という話がなく、校内の争い、および外部からの圧力を使って内部に関わっていく話が繰り広げられていく。
    とても生々しく面白い。銀行が生き生きしていた時代ともいえるが、30年弱でこうも変わるのかという感慨も起こる。

  • 汚職が発生したとき、人は正義感が自然と生まれてくる。
    でも同時に組織人としてのブレイクスルーを全うしなくてはならない。
    おまけにバンカーという特殊社会で生きる著者の熱い想いにはただただ頭が下がります。
    僕らが日々過ごす中でも起こりうることを刻銘に記述されているこの内容はとても興味深かった。
    自分が日々過ごす中で悩むことの解決の糸を教えてくれた気がする、貴重な一冊でした。

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プロフィール

國重惇史(くにしげ・あつし)
1945年、山口県生まれ。68年、東京大学経済学部を卒業。同年、住友銀行(現三井住友銀行)に入行。渋谷東口支店長、業務渉外部部付部長、本店営業第一部長、丸の内支店長を歴任。94年に同期トップで取締役就任。日本橋支店長、本店支配人東京駐在を経て、97年、住友キャピタル証券副社長。銀行員時代はMOF担を10年務めた。
その後、99年にDLJディレクトSFG証券社長になり、同社を楽天が買収したことから、2005年に楽天副社長に。楽天証券会長、イーバンク銀行(現楽天銀行)社長、同行会長を経て、14年に楽天副会長就任。同年、辞任。現在はリミックスポイント会長兼社長。

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