津軽双花

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 138
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201469

作品紹介・あらすじ

運命の一戦は家康に軍配が上がり、敗者は歴史に葬られた。
そして因縁は、遠く津軽の地で花ひらく。
家康の姪 対 三成の娘――これぞ女人の関ヶ原!

徳川家康の姪・満天姫、石田三成の娘・辰姫。ともに津軽家に嫁入りした二人は、関ヶ原の戦いから十三年越しの因縁に相見える――。

そして美姫の戦はここから始まった! 戦国の終焉を辿る本能寺の変、関ヶ原の戦い、大坂の陣を描いた傑作短編も同時収録。

感想・レビュー・書評

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  • 短編4話。1作ごとに時代を遡る
    1作目は江戸初期。すでに世は徳川のものになりつつある。正室のいる大名に家康の養女・満天姫が嫁ぐ。
    最初の結婚で福島家に嫁いだが、御家騒動で夫を失い、忘れ形見を連れて実家に戻った満天姫は、叔父徳川家康の娘として再婚を勧められる。すでに正妻のいる大名への再嫁は避けたかった。同じ女として、正室の座を追われる悲しみを他人に味会わせたくない。それでも家同士の縁組に選択肢はなさそうだ。満天姫は婚礼の前に密かに正妻に会った。関ケ原で敗れた石田三成の娘であり、秀吉の正妻・高台院の養女として嫁した正妻は素性を隠した姫が満天だと見抜く。ただ茶を一杯立てただけのひとときで、ふたりの女性はそれぞれを理解し、競合の道を選んだ。武器で戦うのが戦いではない、このふたりは戦いながら、時に押し、時に引きながら、一人の夫とその家を盛り立てた。すごい!としか言いようがない。
    2作目は秀吉の正妻おねと側室茶々のはなし。秀吉亡きあと、秀頼の傍にあって大阪の陣を戦った女性と、すこし離れたところから時代を見守った女性。対立していたように描かれることが多いが、実は共存し合っていたのかもしれない。新しい解釈のように思った。
    3作目は辰姫の父、石田三成がみた恵瓊のはなし。光成は心を許さず軽蔑していたが、同じ場所で処刑された。
    4作目は明智光秀の家来の話。美濃に生まれ、斎藤道三の下剋上や斎藤家の親子の反目をみながら、美濃のことをずっと考えていた。戦国の世、天下取りだけでなく領地のことを考えた武将がいたことを教えてくれる。特に今の大河ドラマの主役が光秀だけに、いいときに読んだ。

    ただし、この短編集は内容が濃い。斜め読みなどしようものなら内容が理解できない。ゆっくり噛みしめながら読まなければ、頭に入ってこない。
    電子書籍版

  • 関ヶ原合戦の後、ひっそりと津軽家に嫁いだ三成の三女辰姫。その三年後、当主の津軽信枚と家康の姪満天姫との縁談が決まる。
    家康の姪と三成の娘との女達の闘いが始まる。

  • 読ませて頂きました。女性の心のひだが凄くわかり、尚且つ、抑える気持ちの苦しさが手に通る様に描かれてた。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    天下分け目の戦いは決し、敗者は歴史に葬られた―。父・三成の死後、ひっそりと津軽家に嫁いだ辰姫。当主の信枚と仲睦まじい日々を送るが、三年後、家康の姪・満天姫との縁組が決まる。正室の座は取って代わられる―。辰姫の胸に浮かんだのは、「父の仇」という言葉だった。美姫たちの戦いはここから始まった!乱世の終焉を辿る「大坂の陣」「関ヶ原の戦い」「本能寺の変」を描いた傑作短編も同時収録。

    令和2年1月3日~6日

  • 石田三成の娘vs徳川家康の養女。
    当人同士は決して憎しみあってはおらず好敵手のようになるが、周囲が謀をめぐらした結果満天姫と前夫の息子直秀が死んでしまう。

  • 「関ヶ原合戦図屏風」が家康の下から津軽の旅へと。ここ津軽藩、正室を賭けて嵐に双花が揺れる。藩主津軽信枚の正室で石田三成の娘でもある「辰姫」のもとに、家康の養女「満天姫」が徳川の権力拡大の代償に側室として輿入れ。関ヶ原の火蓋が再びか?湖面の様な静謐な美しさを持つ辰姫、一方艶やかで華やかな美を持つ満天姫だが夫々石田、徳川の矜持を心に抱きながらも、願いは共におのれが愛し慈しみそのものために生きるという戦なき平和。負ける戦をせねばならぬ者の美あれば、勝つことの厳に耐え抜くものの見事さ、が戦はいつの世も非情で無情だ

  • 歴史を遡るかのように短編4本。
    津軽家、辰姫と満天姫。
    淀君。
    石田三成。
    斎藤利三。
    従来の定説とは少し違った切り口。面白かった。

  • 2017.1.18.

  • 歴史かえたらいかんよ。

  • 綺麗な崇高な思いだとは思うけれど入り込めませんでした。何だか上滑りしているようで、字面を追っている読書でした。
    ただ、石田三成や茶々に関しては、面白い解釈だなぁと思いました。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『晴嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2021年 『青嵐の坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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