水の都 黄金の国

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  • 講談社 (2016年7月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (234ページ) / ISBN・EAN: 9784062201513

作品紹介・あらすじ

海に浮かぶ街、ヴェネツィア。この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。――時は明治。日本語講師としてイタリアに赴任した誠次郎は、下宿先の料理店で働く美青年・ルカとともに、迷宮都市で起きる様々な怪事件にかかわることになって――?


海に浮かぶ街、ヴェネツィア。
この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。

時は明治。日本語講師としてイタリアに赴任した誠次郎は、下宿先の料理店で働く美青年・ルカとともに、迷宮都市で起きる様々な怪事件にかかわることになって――?

水上都市で起きる難事件を、二人は“智慧”と“情”で解き明かす。
マルコ・ポーロのように東方で財を成した大富豪が、見初めた花売り娘を探す「黄金の国」
ゴンドラに乗った仮面姿の怪人が、金貨をばら撒くという「水の都の怪人」
“カサノヴァ”とあだ名された男が、魚雷の設計図を盗んで消える「錬金術師の夢」
“ガリレオの望遠鏡”を逆さにのぞいたせいで失踪した米国人を探す「新地動説」

温かくて切ないミステリー

みんなの感想まとめ

海に浮かぶ街、ヴェネツィアを舞台にした連作ミステリーは、明治時代に日本語講師として赴任した青年が、亡き友を偲びながら数々の怪事件に挑む物語です。主人公は、地味でありながらも温かい人情を持ち、知恵を絞る...

感想・レビュー・書評

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  •  海の街・ヴェネツィアを舞台とした連作ミステリ。
     明治時代に、祖国を飛び出し、イタリアに日本語講師として赴任した青年が、街で起こる奇妙な事件の数々を解き明かしてゆく。
     才気走ってはいない地味な男が、敢えて知恵を振り翳さずに、持ち前の気の好さと人情でもって謎を解きほぐす下りは、筆者従来の良き作風と言えよう。
     異国の地で亡くした友人を偲ぶ彼の感傷が優しく、温かい友情が、沁み入る水のように心を浸すのが心地好い。

  • ベネツィアをご堪能あれ。

  • 要素としてBLぽい話かと思ったけどBLではなかった(笑)
    それはそれとして、題材と話運びはとても良く、それなりにお勧めです。

  • 時は明治の頃、水の都ヴェネツィア。亡き旧友が没したこの地に日本語講師として赴任した主人公が、旧友を知る下宿先の青年と共にこの地で起きる怪事件にかかわる――

    三木先生の作品は、青年が、もう一人の青年に心酔して慕う関係性を描かれる事が多い印象ですが、今作はちょっと変わってて、心酔先の相手が既に死没してるという状況。そこで残された、同じ痛みを持つ二人の青年の関係がどう進展していくのか…というワクワク感が良かったですね。

  • 個々の事件は小さいものですが、ちょっと前の時代の雰囲気もあって楽しめました。
    ただ個性的なキャラが多いのに、あまり人物の内面に踏み込んでいないので、もったいない印象。もう少しキャラのことも深く知りたかったです。

  • 明治時代に日本語講師としてヴェネツィアに赴任した誠次郎が、さまざまな事件を体験する短編集。
    ヴェネツィアの風景や人々の人情が美しくしんみりする話。ゴンドラに乗った仮面姿の怪人が金貨をばら撒くなんて想像するだけで楽しい。最初は頼りなさげだった誠次郎が成長していくのもよかった。前任者の清人について描写があまりないので、それほど皆に慕われるのがピンとこなくて、そこは残念。

  • ミステリというには軽いけど、すっと読めて、面白い。事件の謎を解くというよりも、登場人物たちの心をそっと覗いていくお話たち。

  • 一つ一つは三木先生っぽい話。

    ラストの、持っていき方はずるいな。

  • ヴェネツィアを舞台に、日本語講師として滞在中の誠次郎を探偵役として、様々な事件の謎解きを描く。
    富豪の人探し、ヴェネツィア版ねずみ小僧の登場、カサノヴァの異名を持つ謎の人物と人間消失、ガリレオの望遠鏡に纏わる伝説と人間消失その2。
    ミステリーとしては軽い。
    帝都シリーズを思わせる、友情ともそれ以上とも付かない萌え関係。誠次郎のキャラクターがやや薄いのが残念。シリーズとして続くのなら良いけれど。今は亡き清人を思い続けながらも誠次郎に傾倒していきそうなルカが切ない。

  • 作中でルカが指摘されているし本人も自覚している、分かったうえで書かれているんだけど、誠次郎と清人を比べるのはあまり良い気分ではないかな。最後まで読めばちゃんとルカの気持ちも分かるんだけど、若干のもやもやは否めない。

  • 明治時代とか、軽い謎解きとか、好きだけど
    清人をリスペクトしまくるルカとか必要かな?

    物語に絡んで来るのかと思えばそうでもないし
    中途半端なBL要素っぽさが、却って邪魔
    物語としては、ない方がすっきりすると思う

  • ヴェネツィアと日本。

    明治時代に日本から日本語講師としてヴェネツィアにやってきた誠次郎は、下宿先の料理人ルカと共に事件の謎を解いていく。

    三木さんの描く、このつかず離れずみたいな男子2人の関係と気持ちのいい読後感の話が大好きです。

  • 面白かったです。

  • 明治のはじめ、遠いヴェネチアで日本語を教える日本人。
    セイが不思議な物事を解き明かす。

    日常系ミステリー。
    町並みがとてもきれいです。

  • 10/01/2016 読了。

    図書館から。

  • 時は明治。日本語講師としてイタリアに赴任した誠次郎と下宿先の料理店で働くルカの間にはヴェネツィアの地で亡くなった清人の思い出が佇んでいました。清人を慕っていたルカにとって彼への想いは永遠に変わることがないはずでした。なのに、誠次郎と友情を深めるうちに、その想いは揺れ動き出します。誠次郎を認めることで清人への想いが消えてしまうのでは……と。想いが変わっていくこと、それは怖いことなのでしょう。どうぞ、いつの日か清人は可哀想だったとの思いから清人は幸せだったと思える日がルカに訪れますように、誠次郎とともに願ってやみません。
    ところで、この物語はミステリーでした。忘れてはいませんよ(笑)
    迷宮ともいわれるヴェネツィアの家々。複雑に入り組んだヴェネツィアの路地。深い霧の中に沈んだヴェネツィア。黒いゴンドラが音もなく現れては消えていく「水の都」ヴェネツィア。どのヴェネツィアにも何が起きてもおかしくないような幻想的な風景が広がります。この地で誠次郎とルカはいくつもの謎を解くために共に行動します。謎はどれも魔術的なヴェネツィアの地だからこその魅惑的なものばかりです。『黄金の国』『水の都』『錬金術師の夢』『新地動説』タイトルを見るだけでもワクワクしてきます。
    最後に。生前の清人の言葉は、どれもヴェネツィアを愛するものばかりで切なくなりました。エピソードで語られたラストの言葉が、もう泣けてしまうのです。この言葉を聞いたのが、ルカでよかったなぁと心の底から思いました。

  • 【収録作品】黄金の国/水の都の怪人/錬金術師の夢/新地動説/エピローグ  
    *異国の地で亡くなった幼なじみ・清人の後任としてイタリアに渡り、日本語教師となった誠次郎。下宿先の料理店で働くルカは清人に心酔しており、なにかと比較する。そんななかで誠次郎は、見初めた花売り娘を探す富豪、金貨をばらまく怪盗、カサノヴァに擬せられる伊達男、望遠鏡を逆さにして覗いたあとの人間消失といった事件に巻き込まれる。だんだんと誠次郎と打ち解けつつ、清人を忘れてしまうのではないかと恐れるルカの迷いに、若者らしい潔癖さが感じられ、ほほえましい。

  • 日本の鎖国が解かれた時代のヴェネチアが舞台。頭に入ってこなかったのはこの設定のせいか。

  • 読み飛ばしてしまったのか、2話まで時代がよくわかんなかった。現代かな? 近代かな?って。現代でもそういう表現することあるから。
    2話で近代かとわかったのはいいのだけれど、清人を「清の人」としばしば読んでしまい、そうよね極東だもんね、ヴェネツィアの人にはごっちゃになるかもね、なんて解釈してとんだ斜め上の読み方をしておりました。なにやってんだろ。

    セリフでは人々は生きているんだけれど、地の文が音のしない無機質で突き放した冷静さを常に保ち、独特の雰囲気を作り上げているのは作家さんの多分特徴で、

    読んでる方も常に客観的に誰かに入れこむことなく、世界の上からながめることができて。

    それはまた、感情の自由度を高めることにもつながって。

    作者に押し付けられることのない、自分自身の感じる意思を持つことができて。

    で、まあ、淡々と終わっちゃうのかなあ。1冊が続編のための伏線とかだったら少々アレかなあ……と油断させておいて

    僕はね、エピローグでやられましたよ。ああもう!
    (´;ω;`)ブワッってこのためにあるんだってもんですよ。ちょっとクヤシイ。

    おかげでそっとページを閉じることができたんで嬉しいんですけれど、ああやっぱり1冊通してちゃんとお話になってたんだなあってそういうのも。

    日本・フランス・イタリアときて……次はどこかな? 次作も楽しみです。

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著者プロフィール

1975年生まれ。秋田県出身。2008年、第2回ミステリーズ!新人賞最終候補作となった短編を改稿、連作化した短編集『人魚は空に還る』(東京創元社)でデビュー。他の著書に『クラーク巴里探偵録』(幻冬舎)、『百年の記憶 哀しみを刻む石』(講談社)などがある。

「2019年 『赤レンガの御庭番』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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