不運と思うな。大人の流儀6 a genuine way of life

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 304
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201575

作品紹介・あらすじ

不運と思うな。
誰しもがつらい時間と遭遇しているのが人生だ。
それでも懸命に生きていけば必ず、
君に光を与えてくれる。
その時、君は、あの時間が
不運だとは思わないはずだ。

感想・レビュー・書評

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  • どんなに辛くて悲しいことも、いつまでもその思いに囚われていては生きていけない。時間が解決することもあれば、そうでないこともある。でも「不運だ」と嘆いているだけでは前に進めない。

    いつも古臭い考えだなと思うことも書かれている一方で、心に染みる言葉がいくつもある。

    大事な人が亡くなったことを悲しんでばかりいると、その人と出会わなければ良かったということになってしまう。できるだけ楽しいことを繰り返し思い出したい。

  • 正直、この人の考え方は偏屈だと思うし、古臭く説教くさいと思う。生き方にも特に賛同しない。しかし、この「大人の流儀」シリーズは毎回読んでいる。偏屈な考え方の中にも、ものすごく心に刺さる言葉がときおり混ざっているからだ。若くして弟と前妻(夏目雅子さん)という身近な存在を2人も亡くしている人の言葉は時としてずしりと重い。
    わざとらしく「東北一のバカ犬」と言いながら溺愛している犬や、もう一匹飼っている「家人の犬」がいよいよ年を取って弱ってきた話の中で、「君たちが死んだあと、自分たちが悲しみの底に沈むようなことになったら、何のために出会ったのかわからない。だから(死を受け入れる)準備をしておこう。」といった一節があったのだが、このフレーズがとても心に響く。
    人は最愛の者を失った時、悲しみの底に落ちるが、いつまでもそこにとどまっていれば、せっかくの共に過ごした素晴らしい時間や想い出がムダになってしまう。だから人は、いつかその悲しみを抱えつつも前を向いて、その想い出を胸に歩いて行かなければならないのだ。
    こういう言葉との出逢いがあるだけでも、偏屈なおじさんの書いた本も読む価値がある。

  • この人が言うと、オンナコドモという語に抵抗ないのはなぜか。それは、後に必ず、オレガマモル、と続くから。そして、守ってくれるとわかっているから。亡き吉行淳之介さんに続き、一度会ってみたい、と思ってしまう、憧れのオトコのナカノオトコ。
    この人の小説は、美しすぎてちょっと苦手。エッセイ、犬とお姉ちゃんたちのくだりが好きです。

    • aida0723さん
      素敵なレビューだって思います。伊集院静が言うから受け止められることってありますよね。
      素敵なレビューだって思います。伊集院静が言うから受け止められることってありますよね。
      2019/04/06
  • 最後の無頼派と称される著者のエッセイ集。
    これを読んで、人生のスロットルを少しだけ吹かしてみたくなる。

    著者の作品は短編小説を一つ読んだことがあるだけだ。
    その時の骨太な印象と違わず、やはり気骨のある文章だった。
    「何だよ、偉そうに」
    そう思いながらも、身近にいた愛する人を亡くした喪失感を知る著者ならではの言葉が、その語り口とは裏腹に温かい。

    3.11の夜、無数の流れ星の中に、上に登っていく光を見つけた時のエピソードが胸に響く。
    「早世してかわいそう」だと思うこと自体、失礼な考えだと気づかされた。著者は「不運な人生などない」と断言する。力づけられる言葉だ。

    かくいう私も齢47だが、まだまだこれからだと力が入る。
    そして、猫好きの私だが、犬もいいなと思った。

  • このシリーズ読むたびに、男の中の男だと思う。今の時代には、流行らないけど、私は好き。
    かっこいい。
    厳しいこと書いてあるけど、事実そうだと思う。
    そして優しい文章。

    P20
    不運と考えた瞬間から生きる力が停滞する。もっと辛い人は世の中にゴマンといる。今その苦しい時間が必ず君を成長させる。世間、社会、他人を見る目が広く深くなる。
    P121
    不幸の最中にはいかなる声をかけても哀しみを救える適切な言葉はない。
    時間だけがそれをやわらげる。子を失った親の哀しみは生涯続く。親子とはそういうものだ。しかし哀しみに寄り添うことはできる。たとえ哀しみの淵にいても誰かに手を差し伸べてもらえたことは、その人たちをささやかではあるが、救っていることは事実だ。

  • 何が起こっても「不運と思わない事ね…

  • 自分の立ち位置を固めることを考えさせられる。

  • ・ヤンキース・松井秀喜コーチも、守備で左手首が滅茶苦茶になった時も一度も、不運とは口にしなかった。大きな落馬事故で復帰まで時間がかかった武豊騎手の口からも、不運という言葉は一度も聞かなかった。なぜだろうか?それは己を不運と考えた瞬間から、生きる力が停滞するからではなかろうか。同時にその人の周囲の人たちを切なくするだけで、生きる上で大切な、誰かのために生きる姿勢が吹っ飛んでしまうからだ。誰だって幸せになりたい。ただ自分だけが、では子供と同じだ。自分だけで精一杯が世間なのだが、その上そうしなくてはならないのが本道なら、生きるのは、そりゃ辛い。ただ誰かのために何かができてることは照明なぞできないし、その姿勢が肝心なのである。

  • このシリーズ卒業と、思っていたのだけど。
    手に取って。
    読むタイミングよかったからか。

    沁みましたぁ。

    〜不運などということはこの世にはない。〜

  • 著者初読み。新聞の広告で掲載されていて、文に印象づけられ読んでみた。さらっと軽く読めてしまうが、心に染み入る大事なものが綴られ、その背景には、大切な方を亡くしたからこそ伝えることが出来る思いがあると感じられる。地震に対しての思いが強く感じられ、野球賭博問題、某タレントの不倫騒動、某大臣の辞任などを著者の目線から語る場面は共感したり、人生経験から語れる思いがあると感じる。不運と思うな、愛する人と別れ、家族を亡くし、夢破れ、道を失っても、またいつか違う形で幸せを手に入れることができるのを大切に人生を送りたい。

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著者プロフィール

伊集院静(いじゅういん しずか)
1950年山口県防府市生まれ。72年立教大学文学部卒業。81年短編小説『皐月』でデビュー。91年『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で第107回直木賞、94年『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。作詞家として『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』『春の旅人』などを手がけている。エッセイも多く、『大人の流儀』シリーズはベストセラーとなっている。2017年日本経済新聞の連載『琥珀の夢』が刊行され、2018年10月5日、ドラマ化。2019年10月から日本経済新聞にて夏目漱石を主人公にした作品「ミチクサ先生」を連載開始。

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