あなたの生産性を上げる8つのアイディア

  • 講談社
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本棚登録 : 90
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201797

感想・レビュー・書評

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  • 少し前に読んだこの著者の『習慣の力』がすごくよかったので、旧著を読んでみた(ただし、刊行されたのは『習慣の力』のほうが先)。

    これもとてもよい本である。
    4年前に刊行されたとき、ほとんど話題にならなかった気がするが(たぶん売れなかったと思う)、日本でももっとベストセラーになってしかるべき本だ。
    何しろ、日本企業は先進諸国に比して生産性が低いことが問題視されているのだから。

    タイトルのとおり、企業・個人・集団が生産性を上げるための極意が、おおむね8つのポイントに沿って紹介されている。
    ただし、日本のビジネス書に多い「生産性アップのためのハウツー書」のたぐいとは次元が違う。もっと深みがあって濃密な内容なのだ。

    日本のビジネス書の場合、「生産性向上をテーマにした本を出そう」となったら、経営コンサルタントや経営学者を著者に立てる。
    で、その人の〝頭の中にある材料〟だけを使って一丁上がりとなる。
    だから、どうしても薄っぺらいし、著書の多い著者の場合、他著との内容の重複も目立つようになる。要は粗製濫造なのだ。

    それに対して、本書のアプローチは逆だ。
    米国のジャーナリストである著者は、生産性についての文献・論文を多数読み込み、生産性向上を8つの切り口から扱うことを決める。
    そのうえで、各切り口を展開するうえでふさわしいエピソード/ドラマを選び、その当事者たちに綿密な取材を重ねて本書を作り上げた。

    つまり本書は、たんなるビジネス書というより、生産性向上をめぐる8編のノンフィクションを集めたものなのだ。しかも、各編には複数のドラマが詰め込まれている。

    たとえば、第5章「人を動かす」では、
    ①FBIに画期的な犯罪データベースが構築され、犯罪捜査が飛躍的に効率化されるまでのドラマ
    ②トヨタ方式を取り入れることで、米国の劣悪な自動車工場が全米屈指の生産性を持つまでのドラマ
    ……の2つが並行して描かれる。

    各章がそれぞれ一編のノンフィクションとして上出来で、面白い。読者はそれを楽しむうち、いつの間にか生産性向上の要諦を理解しているのだ。

    ビジネス書だが、さまざまな分野のクリエイターにも一読を薦めたい。

    とくに、第7章「イノベーションを加速する」。
    この章では、『アナと雪の女王』と『ウェスト・サイド物語』の脚本がどのように困難を突破して完成したかというドラマを通し、〝集団で行う創作プロセスの生産性向上〟の要諦が綴られているのだ。

    埋もれさせるには惜しい、傑作ビジネス・ノンフィクション。生産性向上のためのハウツー書としても一級品だ。

  • 201907/

    やる気というのはむしろ読み書きのような能力であり、習得したり磨いたりできる能力である。もし正しい練習を積めば、自分で自分のやる気を引きだすのがうまくなる。研究者たちによれば、やる気の必要条件は、自分は自分の行動や周囲に対して主導権を握っていると信じることであり、それを理解することが重要だ。/

    自分がコントロールしているのだということを自分に対して照明するひとつの方法は、決断することだ。コロンビア大学のチームはこう書いている。「たとえどんなに小さな決断でも、一つ決断するたびに、自分は自分をコントロールできている、自分は有能だ、という確信が強まる」。たとえその決断がなんの利益も生まなくとも、人はそれでも選択の自由を欲する。/

    やる気を引き出す第一歩は、選択する機会を与えることだ。それによって自立と自己決定の感覚が生まれる。実験によれば、命令されたのではなく自分で選んだものなら、人はどんなにつまらない仕事でも進んでやる傾向が見られる。だからケーブルテレビ会社から、カード払いがいいか請求書払いがいいか、ウルトラ・パッケージがいいかプラチナ・ラインがいいか、ケーブルテレビのチャンネルはHBOがいいかショウタイムがいかを尋ねられると、毎月すすんで視聴料を支払うようになる。自己決定をしていると確信していると、喜んで金を払うものである。/

    大事なのは意見が言えることと、社会的感性だ。/

    チームは、自分たちが重要な仕事をしていると信じなくてはいけない。
    チームは、自分たちの仕事が個々人にとっても意味があると感じている必要がある。
    チームは、目標と役割分担を明確にしなくてはならない。
    チームメンバーは、たがいに頼ってもいいのだということを知る必要がある。
    そして最後に、最も重要なことは、チームには心理的安全が必要だということである。/

    心理的安全を生み出すためには、リーダーが正しい行動の模範を示さなくてはならない。グーグル社が考案したリーダーのためのチェックリストがある。リーダーは議論のときにチームメイトの話をさえぎってはいけない。さえぎると、みんながみんなの話をさえぎるという習慣ができてしまう。ちゃんと話を聞いているということを示すため、誰かの話が終わったら、それをようやくする。自分が知らないことは素直に認める。メンバー全員が少なくとも一回発言するまで、会議を終えてはいけない。メンバーが同様して不満を述べるのを促し、他のメンバーがそれに否定的に反応するのを促進すべきだ。チーム内の対立には目をつぶらず、みんなでオープンに議論すべきである。/

    メンバー全員が、自分も意見を述べていいのだと感じていること。そして、他のメンバーの感じていることに対して自分は敏感だということを示すこと。そうすればチームワークはうまくいく。/

    ダーリーンの話では、彼女は頭の中に健康な赤ん坊はこうあるべきだというイメージがあって、いつもそれを保持しているのだという。保育器の中の新生児を見たとき、そのイメージと合わないと直感した。そこでダーリーンの頭の中のスポットライトが、赤ん坊の肌、かかとの血の滲み、膨らんだ腹部に焦点を当て、ダーリンに警告を発したのだった。対照的に担当看護師は、どうあるべきかという明確なイメージが頭の中になかったために、栄養状態には問題ないし、鼓動もしっかりしているし、泣かないという、最もわかりやすい細部だけにスポットライトを当てていたのだ。わかりやすい情報によって惑わされてしまったのである。/

  • やっぱり翻訳ものはスーッと頭に入らず、エンジンがかかるのに時間がかかる。。
    ポーカーや誘拐事件の解決は非常に臨場感があって良かった。飛行機の自動運転の話も、確かに、、、納得。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00542323

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著者プロフィール

「ニューヨーク・タイムズ」紙記者。1974年生まれ。イェール大学、ハーバード大学ビジネススクール卒業。ビジネス関連の記事を中心に執筆。これまでジェラルド・ローブ賞、ジョージ・ポーク賞ほか、ジャーナリズム関係の受賞歴多数。講演活動も積極的に行っている。著書に『習慣の力 The Power of Habit』(渡会圭子訳、講談社)。

「2017年 『あなたの生産性を上げる8つのアイディア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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