不機嫌な姫とブルックナー団

著者 :
  • 講談社
3.17
  • (1)
  • (17)
  • (17)
  • (11)
  • (0)
本棚登録 : 170
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201872

作品紹介・あらすじ

天才作曲家にして非モテの元祖・ブルックナーを偏愛するオタク3人組との出会いが、夢を諦めた文系女子の運命を変える?
ままならない人生に心ふさぐ人々へ、エールを送る異才の書下ろし快作!
小川洋子氏、穂村弘氏推薦。

図書館の非正規職員として働くゆたきは、男性マニアが集うブルックナーのコンサート会場で、「ブルックナー団」を名乗る男たちに声をかけられる。いかにもイケてないオタク風の3人組だが、その一人、タケがサイトに載せた「ブルックナー伝」を読んだゆたきは、その不器用すぎる人生と意外な面白さに引き込まれていく・・・。天才作曲家ながら「非モテの元祖」というべき奇人変人だったブルックナーの生涯は、周囲からの無理解と迫害に満ちていた。そんなブルックナーに自分たちの不遇を重ねるブルックナー団の面々とつきあううちに、ゆたきの中で諦めていた翻訳家への夢が甦ってきて……。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一見住む世界が違うような4人がブルックナーを通じて理解し合う物語。ブルックナー好きだけどオタクがいるなんて知らなかった。しかもださいなんて!でも大音量で聞きたくなるのはわかる~。確かにマイナーだけどそこがいいんだよ~。主人公”姫”が明日に希望を持って終わるラストがいい。

  • 決してブルックナーファンではないが、ブルックナーの交響曲を聞いてみようという気になった。

  • なんだか表紙の絵がラノベみたいだし、タイトルにブルックナーと入ってなければ読まなかったと思う。初めて読む作家。
    アラサーの公共図書館に勤める非正規司書の主人公と、もといじめられっ子の三人の男性ブルックナーオタクの、一応物語ということになると思うが、正直言って物語というほどのものはない。どちらかと言えば間に挟まれるブルックナー伝の方が物語らしい。小説としては出来がいいというわけじゃない。
    しかし、(ユキの「ぽ」だけは気持ち悪くて許せないが)結構好きだなと思ってしまったのはサマーフィールドとかエーベルシュタインとか架空の作家の出しかたが上手い、ヴァーグナー、ヴィーンなど、ちゃんとドイツ語の発音で書いている、音楽の知識もしっかりしてる、ということだけではなく、主人公の文学の好みで人となりがわかるところが本好きの心をくすぐるからだ。
    バーネットやカニグスバーグから始まって、尾崎翠、野溝七生子、安房直子、ブロンテ姉妹にオースティン。大人になってから森茉莉、幸田文、武田百合子。稲垣足穂に賢治に中勘助、ヘッセ、ヒメネス、ブラッドベリ!わかる、わかる!(フランチェスカ・リア・ブロックだけは読んだことないので、これから読んでみよう)
    ブルックナーをダサいと思ったことはなかったけど、なんだか重くて壮大で、でも前衛的ではなくて、マーラーの方が魅力的に思えて、同じ大作聴くならマーラーと思っていたのだが、ブルックナーもきちんと聴きたくなった。
    しかし、ここまで卑小な人間に描く必要はなかった気もする。少女に求婚し続けたのはクレイジーだとしても、オルガンと作曲の能力は当時から認められていたのではないか。

  • 折々に挟まれるオタク達の行動や言葉遣いに対する鋭さが興味深かったですね。クラシックには疎いので専門的な部分はサッパリなのですがブルックナーの小心さと図々しさが同居した様子は巷間に流布する芸術家像とは違っていておもしろかったです。

  • ブルックナー好きという共通点から、主人公と、ブルックナーオタクの男子3名が交流していく小説。
    自分にクラシックの知識が皆目ないので、音楽の描写であまり実際の音をイメージできない。それでも知識のある人はこういう視点から楽しんでいるのかという発見は新鮮。
    主人公は非正規雇用の司書という設定で、仕事に関する場面も少し出てくる。クレーム処理や、若い女性につきまとう老人の対応(p63)、貸出率重視の予算配分(p111)といったあたりが妙に生々しい。実際に図書館勤務の友人が勧めてくれたので、リアリティはあるのだろう。

    「駄目な人には同じ駄目な人の必死が胸にくるのだ。タケの下手なあがきはひとごとじゃないってこと。(p156)

  • ブルックナー聴いてみよう!
    小説読んでいると、かわいそうになってきた。
    希望が持てるような
    最後で良かった。

  •  音楽ネタの小説ということで、前の「羊~」に続いて読んでみた。が、ノリもネタもついていけなかった・・。少々感度が鈍って来た模様。また別の作品をあたりたい。

  • 十九世紀の天才作曲家にして非モテの元祖であるブルックナーを偏愛するオタク三人組と図書館で働くゆたきがコンサートでの出会いから重ねる交流。全体の半分程を占める、資料を元にしたタケ作「ブルックナー伝」が文章は多少流れたものの興味深い。完全な演奏を後世に託す忍耐が格好良い。現代パートももう少し見たかった。

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    図書館の非正規職員として働くゆたきは、コンサート会場で「ブルックナー団」を名乗るオタク3人組に声をかけられる。その一人、タケがサイトに書き継ぐ「ブルックナー伝(未完)」を読んだゆたきは、意外な面白さに引き込まれていく。19世紀ウィーンを代表する作曲家ながら「非モテの元祖」というべき変人ブルックナーの生涯は、周囲からの無理解と迫害に満ちていた。そんな彼に自分たちの不遇を重ねる3人組とつきあううちに、ゆたきの中で諦めていた夢が甦ってきて…。今も昔もうまく生きられない男女を可笑しくも温かく描く、異才の新境地書下ろし小説!

    想像していたものと違いました。そっかブルックナーについて語るのね。その発想はなかった。
    で、なぜ姫?普通にブルックナーについてのエピソードと翻訳に気持ちを再度向けるゆたきでよくない???
    この作家さん次読むかなぁ、どうしようかな。

  • クラシックは好きだけど、ブルックナーはほとんど聞いたことがない。長くて、掴みどころがなくて、とっつきにくい印象。そんなブルックナーを偏愛する3人のオタクと一人の女性との関りを通じて、生きにくい人たちを描いた物語。
    始まりからオタク感全開でクスクス。いけてないブルックナーも相当イタイ。だけど、読み進めるにつれて、ブルックナーもオタクたちも妙に親近感をもってくるから不思議(笑)
    かっこよくなくてもいい、魂を込めてダサければ。。かな?久々にブルックナー聞いてみたくなった。

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年生。立教大学文学部日本文学科卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程修了(価値システム専攻)。博士(学術)。1985年、第1回幻想文学新人賞受賞(選考委員は澁澤龍彦・中井英夫)。1996年、第39回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞(選考委員は柄谷行人、後藤明生、高橋源一郎、中沢けい、李恢成)。
主要著作 『少女領域』(国書刊行会)『闇の司』(ハルキ・ホラー文庫)『無垢の力』『ゴシックハート』『不機嫌な姫とブルックナー団』(講談社)『ゴシックスピリット』(朝日新聞社)『抒情的恐怖群』『神野悪五郎只今退散仕る』(毎日新聞社)『月光果樹園』(平凡社)『アルケミックな記憶』(書苑新社)『うさと私』(書肆侃侃房)『怪談生活』『歌人紫宮透の短くはるかな生涯』(立東舎)。
編著 『書物の王国6 鉱物』(国書刊行会)『リテラリーゴシック・イン・ジャパン』『ファイン/キュート』(ちくま文庫)『ガール・イン・ザ・ダーク』(講談社)。

「2021年 『高原英理恐怖譚集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高原英理の作品

不機嫌な姫とブルックナー団を本棚に登録しているひと

ツイートする
×