プライベートバンカー カネ守りと新富裕層

著者 :
  • 講談社
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201995

感想・レビュー・書評

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  • レビュー書いてなかったか。
    シンガポールのニューリッチとそれを取り巻くプライベートバンカーの悲哀。
    当時より税逃れの国外居住期間は5年から10年に変わっている。野村の客は野村から奪えが印象的。実際の巨額脱税事件を元にしているが小説として面白すぎる。清武さんの本は一気読みしてしまう。

  • この世にはごく少数の大金持ちがいて、その資産を守るために税金が安い国に住む人をサポートする金融屋さんの話。。。全く私とは関係のない世界だけど、そのエゲツなさは充分面白かったし、金持ちになってもあまり幸せになっていないなぁ。というのが正直な感想。
    まぁ、一生関係のない話だけど(笑)

  • 相変わらずの取材力と構成力。この本のページをめくることで一人のバンカーとなれ、億万長者とれ、そしてそれを取材する作者自身となれる。それにしてもこの世には桁違いのお金持ちがいるものだ。。。

  • 実話であり、リアルな金融の面白さ(一種の恐ろしさ)を知ることができた。
    自分にとっては知らない世界が広がっており、非常に面白かった。

    野村證券時の苦悩、生きる目的を持つことの意義、自分なりの生き方、働く環境の大切さ、自分の中での正義感、幸せとは、、、様々なことについて考えさせられる本。

    税金についての知識も浅はかながらついた。
    お金を持つとそれはそれで大変だなぁと笑

    「人の人生は、葬式に来た人数で決まる」
    「幸せの絶対的総量は全人類平等」

    これらは深い言葉だと思った。

    私には務まらない仕事かなぁと思ったり、、、

  • 本当の話だから、面白い。金のことだけ考えれば移住一択ですね。残念ですが。

  • ノンフィクションだし、華やかでなく地味な内容なのはリアルさをかもしだしてます。
    野村マン輝いてるなあ。今でもブラックさで名を馳せてますけど。

  • 元読売の清武氏の実名入りノンフィクション。ナベツネとやりあった清武氏だけあって、鋭い切り込みと思う。
    現役プライベートバンカーからの取材が主と思われ、生々しい実態が描かれている。
    同業界に同様の友人がおり、非常に身近な話題でもある。
    業界特有の数字の奪い合いは、この業界(プライベートバンク)ならではの性格がよく出ていると思う。
    一方で、顧客との関係が重要であること、外資のノウハウを得るところは、程度は幾分異なるものの同じく外資のジャパンデスクに単身乗り込んだ事が有る自分にも共感する部分は多い。最後の方に出てくる郷里や日本の四季への思い、そしておかんの言葉にも妙に共感するというか、当時自分も同じ思いを描いたものである。
    在シンガポールの超富裕層が決して幸せそうではないという内容は、やや取材者の主観が入っている気もするが、示唆するところも多いと思う。「人間の幸せの絶対量は同じ」という言葉にも考えされられる。ポジティブに行こう。

  • お金の怖さを改めて痛感する内容。
    どんなにお金を持っていても「もっと、もっと」となり、際限がない。
    節税のために死ぬ前の5年間を捨てて、あの狭いシンガポールにとどまらなければならない。
    お金があっても、自由がない。むなしい毎日。確かに、相続税は節税できて、金は子供に残せるが、それが果たして子供たちのためになるのか?
    最後の梅田の話は、プライベートバンカーに何でも相談し、任せてしまうことの怖さを表している。確かに、どこにどんな金があって、身寄りがないことも含め、すべて知っている相手。信用第一とはこのことだなと痛感。

  • シンガポールの課税優遇制度を利用した、超富裕層の節税対策と、その人たちのための投資案件やシンガポール居住におけるフォローをする、バンクオブシンガポールのジャパンデスクの人たちの話。彼らのような投資銀行の人たちは、別名マネーの執事と呼ばれているそうだ。

    作者が元記者のため、本当に実在する人物を元にストーリーが作られており、ほぼほぼ実話に近い内容の様子。
    周囲にそんな富裕層は居ないが、シンガポールの富裕層優遇制度は小耳に挟んだことがあり、そのカラクリがこの本でよくわかった。

    マネーリテラシーが高くない私は、最初、読めるのかと心配だったが、清武氏のわかりやすい文章と、実在する人物たちを元に描かれた生々しいカネを巡る攻防に一気に引き込まれていき、3〜4時間で読了した。

    自分と同世代の人たちも、新富裕層としてシンガポールで暮らしていたりするが、彼らも皆、節税のためにシンガポールへ一時的に住んでいる。
    お金の為に何処かへ行くのではなく、何かを仕掛ける為にお金を使う、そんな生活を死ぬまでしたいなと思った一冊だった。

  • どこかのレビューで紹介されていたのを思い出して、手に取った本です。
    この本は、実話を基にして、登場人物も実名を使って、シンガポールのプラベートバンクを部隊にした、シンガポールの日本人ムラと呼ばれる裕福層の生活や財産形成、節税の実態を描いています。
    それも小説の体裁をとって描いているので、ついつい引き込まれてしまうのですが、実話を元にしているせいか、わかり易いラストはありません。

    しかし、超が付く裕福層たちのコミュニティは、庶民には縁がなさすぎて、現実感が湧いてこず、本当に小説の中のフィクションではないかと思ってしまいますが、NHKでのドキュメンタリーでもあったように、現実に存在するのですよね。まあ、おカネに執着しなければここまでの成功はないんだと思います。

    しかし、シンガポールで成功した一人の佐藤俊介さんは「幸せの絶対的総量は全人類平等」とツイッターでつぶやいているそうです。若くして成功した超裕福層と庶民は、結局のところ幸せにおいて変わりはないんだとのこと。
    その言葉を信じて、毎日を送ります。

著者プロフィール

きよたけ・ひでとし/元読売新聞編集委員。2004年より巨人軍球団代表を務め、2011年に解任。現在はノンフィクション作家として活動する。2014年『しんがり 山一證券 最後の12人』(講談社文庫)で第36回講談社ノンフィクション賞を受賞。他の著書に『トッカイ 不良債権特別回収部』(講談社文庫)、『サラリーマン球団社長』『後列のひと 無名人の戦後史』(ともに文藝春秋)など。


「2023年 『どんがら トヨタエンジニアの反骨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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