空はいまぼくらふたりを中心に

著者 :
  • 講談社
3.51
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本棚登録 : 101
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062202176

作品紹介・あらすじ

野間児童文芸賞受賞作『うたうとは小さないのちひろいあげ』の続編。主人公の桃子は高校2年生になり、高3の先輩たちを中心に物語は展開します。
付き合い始めたのに気持ちのすれ違うふたり。そして性同一性障害に苦しむ転校生。それぞれに、自分の気持ちを持て余しながらも「言葉」で想いを表現することによって、自分の内面を見つめなおしていく高3の夏。重くなりがちな内容を、作者らしい優しさと明るさで前向きに描いた意欲作です。

感想・レビュー・書評

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  • 『うたうとは小さないのちひろいあげ』の続編。
    清ら部長率いる「うた部」と諏訪業平くん目線の物語。

    純粋にうらやましいですよね。
    題詠も連歌もその言葉を数分考えるだけで
    こんなにも素敵な言葉を連ねることができることが。

    うたうとは…があまりにも好きな作品だったので
    ちょっと続編に期待しすぎて
    トキのことも、もうちょっと深く読みたかったとか
    思いましたけど…。

    短歌甲子園の予選とか、緊張感バリバリで
    ハラハラドキドキが止まらなかったです。

    そのキャラクターに合った短歌は
    どのように作られているんですかね?
    清ら部長の歌、すごく好きです。

    桃子たちが中心になったら、
    どんなうた部になるんだろう。
    続編が楽しみな一冊です。

    私も自分のレビューについて一首。

    ジューサーにかけても濃縮されません
    意図しない味消せぬざらつき

    数分どころか数日考えてこの出来ですからね。
    …うた部の面々に添削をお願いしたい…

  • 前作の『うたうとは小さないのちひろいあげ』も感動したけど、今作も短歌甲子園出場をめぐってアツい戦いがありました。日常の一瞬の情景を切り取ってことばで競い合うってすごい…。

    短歌を作ってお互いに意見を出し合って……という短歌を通しての、その場やその場の空気の共有がSNSなどとは違って心地がいい。ひとりで短歌を作るって虚しさがあるけれど、こうしてみなで作ると一体感はハンパないだろう。うらやましい限りです。

    前作に続き中田高校の面々が短歌をうたいながら日常で起こる出来事に苦悩しながらも成長していく様が見られて気持ちよかった。前はひきこもりの綾美でしたが、今回は清らと業平の恋の行方と、他トランスジェンダーの要素も入り込んで若干盛り込み過ぎたような気がしました。

    途中でゴタゴタし焦点がブレてしまって、わかりにくかったり物足りなさを感じた。欲を言えばもっとトキの方が知りたかった…と思いました。読んでいて“清ら”と“僕ら”とか、二羽の鳶の絡み合いとかの場面もあったので嫌な予感がしハラハラハラハラ。

    みんなの短歌はキレキレだし…道中どうなるんだろうと…心配でした。最後は駆け足すぎて残念だったけど(思わず「えぇー」と声に出てしまった。)けど青春していていいんじゃない?と親目線でみてしまいました。ひとりツッコミなどおかしくて笑える場面も多数。

    清らと初瀬の対決、研ぎ澄まされた感性、恋する揺れる想い、葛藤、すれ違い、叶わぬ願い、トキの思い、あたたかい周囲のまなざし…。わたしにはもうないもの。うーん瑞々しい全部素敵。

    業平ってクールで一本筋でもっと尖がっているのかと思っていた。新入部員の友郎の方がツンツンしていて次回作は一年生メインなのかな…と勝手に考えてしまいました。

    私もうた部に入部したい。色々な句を見て感動して少し涙が出た。うん、素敵。これはシリーズ化してほしいです!(『うたうとは小さないのちひろいあげ』を先に手にすることをおススメします。)

  • 「歌」を詠むことの難しさ
    「歌」を詠むことの素晴らしさ

    「歌」を詠むことで昇華される気持ち
    「歌」を詠むことで満たされる気持ち
    「歌」を詠むことで高められる気持ち
    「歌」を詠むことでつながる気持ち

    登場する全ての若者たちが愛おしい

  • 「今年こそ短歌甲子園出場を」と意気込む中田高校うた部だが
    部長になった清らとサポートする業平の思いがすれ違い始める

    転校生時宗の秘密と新入部員の反発がからまって
    二人の恋の行方と大会結果はいかに

     ゆびきりは願いにもにておさなくてどちらがさきにこのゆびはなすの

    人物のキャラクターによって作風の異なる短歌の書き分けがみごと

    “草花系童話作家”村上しいこの青春小説第二弾
    前作『うたうとは小さないのちひろいあげ』は野間児童文芸賞受賞

  • 「うたうとは小さないのちひろいあげ」の続編。
    前作は友情がテーマで、うた部一年生部員の桃子と綾美が物語の中心となっていたが、今回は恋がテーマで、三年生となった清らと業平二人の恋模様と、転校生だが業平の中学時代の友人時宗らの存在が加わっており、また短歌甲子園も物語の中心をなす。
    付き合い始めたものの、お互いの心の成長(特に清らの)が二人の距離を難しいものとしてしまう。人の懐にはすっと入っていける清らだが、自分のこととなると不器用で、自分に厳しい課題を設けて脱皮しようとする姿にも成長を感じられる。LGBTのことを作品に盛り込んだのも、まだまだ閉ざされている日本の教育への問いかけと感じた。2018.6

  • うた部シリーズの第2弾。桃子達も高2に進級。清らさんたには高3に。起承転結の承転の部。

  • 短歌甲子園出場を目指す高校3年の業平は、うた部部長となった彼女、清らとの関係がうまくいかず悩んでいたところ、同じ中学だった時宗が転校してきて、様子がおかしいことに気づく。また、練習試合をしたライバル校の部長からは、LINEアドレスを交換したとたんに「今度会いたい」とメッセージが来て戸惑う。さらに、同じクラブの後輩彩美から、時宗がトランスジェンダーだと聞かされ、驚くのだった。

    思春期の葛藤を恋愛、LGBT、短歌への情熱と絡めながら、業平の視線で描く。

    結末がドタバタで尻すぼみ的にはなったが、短歌甲子園の様子は手に汗握るものだったし、トランスジェンダーの時宗の気持ちもよく分かった。
    今回も短歌がとても良かった。

    「うたうとは……」の続編ではあるが、ムリに笑いを取る場面が少なく、ストーリーもシンプルなせいか、私はこちらの方が好き。

    男女交際の場面はあるけど、そこまで深くないので、中学生からでいいかも知れません。

  • 空はいまぼくらふたりを
    ちゅうしんに
    決めるのだろう幸せの位置

    青春٩(ˊᗜˋ*)و

  • 最後まで誰にも感情移入ができなかった

  • 『うたうとは小さないのちひろいあげ』の続きですが、今回は業平が視点人物。
    うーん、いと先輩が卒業しちゃうとなあ…清らが部長かあ…。というぼんやりとした頼りなさと、業平ァ…もうちょっとこう!もうちょっとこう!というじれったさにもやもやしてしまいました。
    1巻は友情、2巻は恋愛ということでしょうか。友情は、いいものだなあと気持ちよくなれるけど、恋愛はなかなか楽しいだけには終われないよなあ、青春は難しい…と思っていましたが……やはり短歌は……すごいな。うたに想いをこめることで、動き出すなあ…。
    二戦目のあの展開は思わず笑い出してしまいましたが、同時にちょっと泣いてしまいました。うむ、恋愛も、よいものだ。

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著者プロフィール

村上しいこ
児童文学作家
三重県生まれ。『うたうとは小さないのちひろいあげ』で第53回野間児童文芸賞受賞。幼年向けのおもな作品に、『音楽室の日曜日』をはじめとする「日曜日」シリーズ(田中六大絵、講談社)、『じてんしゃのほねやすみ』をはじめとする「おやすみ」シリーズ(長谷川義史・絵、PHP研究所)などがある。
ホームページ http://www.geocities.jp/m_s

「2018年 『へんなともだち マンホーくん ようかいオッシーをやっつけろ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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