QJKJQ

著者 :
  • 講談社
3.19
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本棚登録 : 926
感想 : 151
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062202190

作品紹介・あらすじ

市野亜李亜(いちのありあ)は十七歳の女子高生。猟奇殺人鬼の一家で育ち、彼女自身もスタッグナイフで人を刺し殺す。猟奇殺人の秘密を共有しながら一家はひっそりと暮らしていたが、ある日、亜李亜は部屋で惨殺された兄を発見する。その直後、母の姿も消える。亜李亜は残った父に疑いの目を向けるが、一家には更なる秘密があった。

「平成のドグラ・マグラ」
「ものすごい衝撃を受けた」
選考委員たちにそう言わしめた、第62回江戸川乱歩賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 両親と兄、家族全員が猟奇殺人鬼の一家に生まれ育った亜李亜。
    「いっそ死んでしまいたいくらい退屈だ。もし、人殺しをしていなかったら、どうやって生き延びていたんだろう?」
    亜李亜もまた手製のナイフで人を殺す。

    ある日、亜李亜は部屋で殺された兄を発見する。そして母も消えた。

    -犯人は父親?

    「なぜ殺人は楽しいのか。どうして人間の興味を引いて止まないのか。殺人を徹底的に知りつくしたい。」
    父親のある告白から、亜李亜が今まで目にしてきた全てのことが覆され、生活が狂い始める…。

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    究さんの本は これで3冊目、かな。
    いつも思うことは、頭の良すぎる人は壊れている!笑
    この本の【父】と亜李亜もそうなんだろう。特に 父親が殺人について語るシーンなんかは こちらの脳みそが追いつかなくて笑 読み終えるのに何日もかかってしまった。
    グロくて怖い、というのは全く感じなかったのに
    読んで寝落ちする度に その夜は殺人鬼が我が家に侵入する夢ばかりみて、寝不足で体調崩しそうになって一時中断してしまった。 映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を観た時と同じ現象だ!観てる間は 眠くなるほど怖くなかったのに、その後 夜 眠れない日が何日も続いたやつ。 わたしの奥底に恐怖を与えてきたのか…怖っ!

    【父】が亜李亜の未来を想うシーンと
    【父】とレストランで食事をしているシーンに
    親の愛情を感じられたか?複雑な気持ちで読了。

    江戸川乱歩賞 受賞作ということで
    お楽しみの 池井戸潤さんの選評をワクワクしながら読んだ笑。しかし それほど酷評ではなかった!
    残念(←笑)

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    はい、これが今年 最後のレビューになりそうです。
    12月17日がブクログ始めてちょうど1年だったようです。仲良くしてくださった皆様、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*) そして 来年もどうぞよろしくお願いしますっっっっ!!!
    良いお年を⟡.·*.

    • ゆーき本さん
      鳩ボンね、わたしも好きだわ笑
      鳩ボンね、わたしも好きだわ笑
      2024/01/01
    • shintak5555さん
      これも読みたいっす!
      でも今日は呪術廻戦の2ndシーズンを一気見してしまい、本に指一本触れずに年を越しました。笑
      改めまして。
      あけましてお...
      これも読みたいっす!
      でも今日は呪術廻戦の2ndシーズンを一気見してしまい、本に指一本触れずに年を越しました。笑
      改めまして。
      あけましておめでとうございます。
      本年も宜しくお願い申し上げます!
      2024/01/01
    • ゆーき本さん
      しんさん
      あけましておめでとうございます⟡.·*.

      うぅ( ߹ㅁ߹)メカ丸ぅーーー。
      わたしは脹相が好き。

      今年もどーぞよろしくお願...
      しんさん
      あけましておめでとうございます⟡.·*.

      うぅ( ߹ㅁ߹)メカ丸ぅーーー。
      わたしは脹相が好き。

      今年もどーぞよろしくお願いします(*´▽`人)

      2024/01/01
  •  語り部は、「わたし」で17歳の少女、物心がついた頃から猟奇殺人一家の長女だった。

     学校では友達がいない。いじめに遭ってもまったく気にしないし、相手にしなければ、そのうち興味がなくなり、いじめられなくなるらしい。それでもしつこく絡んでくる奴は、殺してしまえばいいのだと考えている。

     家族構成は、父・母・兄・わたし。それぞれ殺人の美学があるようだ。ある日、兄が殺された。犯人は?の疑問に父は沈黙した。
     このままでは「わたし」が殺し殺される。

     この作品を読みたいと思ったのは、アルファベットのQJKJQ…が印象的でカードゲームの絵札を連想し、TVのクイズ番組なら容易に解答できる。何故この順番なのか?もしかして乱歩先生の金庫の暗号か?と勘繰った。

     過去に、この作品と似た設定の小説があったと主張する若い選考委員がいたそうだが、事実だとしてもがっかりした。

     僕は新しい形の小説で、敢えて言うなら「幻想ミステリー小説」と。勿論読者によって賛否両論もある。僕が選ぶならこの本を推すが、若い人達や女性ならどうだろうか。世代のギャップと指向性で、読書は自由だと思い乍も孤立する。

     伏線の回収に漏れがないと思う。作品には「わたし」が父に計算しつくされ誘導をされたと書いている。

     この小説はよく出来ていて程よい刺激が楽しい、既に著者の他の作品も買い置きしています。読むのが楽しみだ。

     著書の中に、エッシャーの階段アートを引用していた。永遠に昇り続ける階段は、錯視によるもので視覚から入る平面の情報が、脳を混乱させています。アートとしては面白いが、一生登り続けなければならない階段は存在しない。もしあるとしたら、天国への階段かもしれない。
     
     読書は楽しい

  • かなりハードな内容。
    “家族全員が殺人鬼”という設定がそもそも異様な香りを醸し出しているが、読んでみるとそんな設定が可愛くなるくらいの世界観だった。

    題名の意味が分かった時や、
    読み終わって再度冒頭を読み返したときの「そうだったのか…‼︎」という驚きがとても心地よくワクワクさせてくれた。

    何も知らずに読んだのですが、江戸川乱歩賞受賞作品だったとは!!!
    さすが、受賞されるだけの内容だと納得しました。

  • まず、この日本の裏を牛耳る悪の秘密組織が存在するあたり、スプリガン、アームズ、うしおととらとかなんかそういうわくわくさせる漫画を想起させるし、全員が殺人鬼って言う家族の設定からして非日常の浮上分離で、小説を読む事でその世界に飛ばしてくれる感覚を十分に味わえた。

    ただ、3/4位から急に粗くなって行く。
    これが凄え惜しいんだよな……
    折角文章とストーリーは秀逸なのに、コーヒーの粗挽きがほぼほぼ豆の状態って位粗い

  • Na図書館本
    江戸川乱歩賞とのことで。

    とても不思議。だけどこの空気感、文章は好き。
    殺人一家のお話しかと思いきや。

    夢野久作さんのファンとのこと。ドグラマグラほど尖っていない気がしますが、
    ドグラマグラのような気もします。
    有栖川有栖さんや湊かなえさんらの選評も面白かったです。
    小説を書き上げると言うことは、かくも大変な作業なのだと、あらためて感じた次第。

  • はじめから面白かったけど亜李亜が自身の生い立ちを探るところから加速的にさらに面白くなった。
    中盤、若干理屈ぽいのかなぁとも思わなくなかったけど、殺人者の分析とかこんな定義があると殺人者に対しての感覚がズレてくる。そこがアカデミーの考え方なのか。
    最後に江戸川乱歩賞の選考委員5人の選評がなかなか辛辣で面白いかった。この酷評から這い上がってくるなんて、売れる作家とはすごい人たちだと思う。

  • 暗殺一家のスプラッタもの。ではなかった。
    兄の惨殺と母の失踪。犯人は父なのか?はたまた…

    結局のところ、猟奇的だろうと、グロかろうと、ミステリであろうとも、『少女(少年)の成長』という物語は、絶対的に面白い。それに、今作の異常な設定が付随されると、極上の作品である。ただし、ミステリの部分はよくできているが、文芸ばたけの作品だと認識した方がいい。

    松本人志作品ビジュアルバムの「システムキッチン」を思い出した。社会に組み込まれた人々は、気付かない。安心した生活が当たり前だと思っているのだ。

    思い込みとは危険である。想像を超えた先に待っていた恐怖。鳥肌が立った。

    生活が壊れる。こんな恐ろしいことに挑んだ、危うさにぶれる少女の未来への道標。よくキレイにオトしたもんだ…

    タイトル覚えにくいでしょ?読後、絶対にタイトルを間違うことはない。

  • 奇妙なタイトルが目を引き、一家全員猟奇殺人鬼という興味深い設定と江戸川乱歩賞とのことで手に取ってみた。
    序盤、グロテスクで暴力的な内容が面白くてゾクゾクして読み始めたものの、途中から予想外の展開を見せる。

    中盤から馴染みのない単語が並べられた説明的な箇所は多少斜め読み…
    読後、モヤモヤしたものが残る。

    次作が評価高いらしいので、機会があれば読んでみたいと思う。

  • 有栖川氏の「平成のドグラ・マグラ」という評は言い得て妙。『ドグラ・マグラ』の構造と読後感によく似ている。奇書の酩酊感を現代の丁寧さと綺麗さのニーズみたいなものでブラッシュアップした感じで、ある意味昭和の奇書のいい部分を打ち消しているとも取れなくはない。それでもやはり奇書風で、良いも悪いも含め「平成の」なのかなと思う。物語の前提条件、登場人物と彼らの置かれた環境から、全く先が予想できない。予想外の展開、良い意味での不安定さで読ませた後にあのラスト。ラストが綺麗に収まり過ぎている感はあるが、個人的には好きだ。

  • 第62回江戸川乱歩賞受賞作と言うことで、読んでみた。父も母も兄も、そして17歳の主人公も、家族全員が殺人鬼。序盤から人を殺すシーンの連続。しかも、理由のない快楽殺人。ある日、兄が自宅で何者かに殺され、母も失踪する。父と二人だけになった主人公・亜季亜は、父から真実を告げられる・・・この真実が現実離れし過ぎてて、まず受け入れられない。ここ何年か、乱歩賞受賞作を読んで、当たった試しがないので、今回も「外れた」感は大きい。タイトルも、内容を読んでも、やっぱり意味不明・・・

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著者プロフィール

1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、デビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木賞を受賞。

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