QJKJQ

著者 :
  • 講談社
3.09
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本棚登録 : 546
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062202190

作品紹介・あらすじ

市野亜李亜(いちのありあ)は十七歳の女子高生。猟奇殺人鬼の一家で育ち、彼女自身もスタッグナイフで人を刺し殺す。猟奇殺人の秘密を共有しながら一家はひっそりと暮らしていたが、ある日、亜李亜は部屋で惨殺された兄を発見する。その直後、母の姿も消える。亜李亜は残った父に疑いの目を向けるが、一家には更なる秘密があった。

「平成のドグラ・マグラ」
「ものすごい衝撃を受けた」
選考委員たちにそう言わしめた、第62回江戸川乱歩賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 暗殺一家のスプラッタもの。ではなかった。
    兄の惨殺と母の失踪。犯人は父なのか?はたまた…

    結局のところ、猟奇的だろうと、グロかろうと、ミステリであろうとも、『少女(少年)の成長』という物語は、絶対的に面白い。それに、今作の異常な設定が付随されると、極上の作品である。ただし、ミステリの部分はよくできているが、文芸ばたけの作品だと認識した方がいい。

    松本人志作品ビジュアルバムの「システムキッチン」を思い出した。社会に組み込まれた人々は、気付かない。安心した生活が当たり前だと思っているのだ。

    思い込みとは危険である。想像を超えた先に待っていた恐怖。鳥肌が立った。

    生活が壊れる。こんな恐ろしいことに挑んだ、危うさにぶれる少女の未来への道標。よくキレイにオトしたもんだ…

    タイトル覚えにくいでしょ?読後、絶対にタイトルを間違うことはない。

  • 市野亜李亜(いちのありあ)は十七歳の女子高生。
    猟奇殺人鬼一家に育ち、スタッグナイフで人を刺し殺す。
    一家は秘密を共有しながらひっそりと暮らしていたが、ある日、兄の惨殺死体を発見。直後に母も姿を消し、亜李亜は父と取り残される。
    何が起こったのか探るうちに、亜李亜は自身の周りに違和感を覚え始め―。

    と、ここまでで、オモシロそう~!と思い早速予約w
    本を開いて、猟奇殺人鬼一家それぞれの名前に萌えるww
    ところがどっこい、内容は期待したものとは違う方向へ・・・(何を期待してたんだか?ww)

    それでも、おお、こんな展開かい!と別の期待をしつつ読み続けるも、どうも雲行きが怪しい・・・あー、なんか先がわかるわー・・・みたいな?w

    ふーむ、第62回江戸川乱歩賞受賞作なわけね(知らずに読む奴)、乱歩賞ならアリなのかも、的な?ww

  • 評価が真っ二つ!べた褒めと 受け付けない派。
    発想はぶっとんでるけど
    これ推理かな というのもあったのかも
    うん 推理じゃなかったと思います。
    でも 残酷な話の最後に主人公が
    非常に賢明な判断をしたところに
    拍手したくなりました。
    女の子が颯爽と生きていくのが格好いいや

  • 有栖川氏の「平成のドグラ・マグラ」という評は言い得て妙。『ドグラ・マグラ』の構造と読後感によく似ている。奇書の酩酊感を現代の丁寧さと綺麗さのニーズみたいなものでブラッシュアップした感じで、ある意味昭和の奇書のいい部分を打ち消しているとも取れなくはない。それでもやはり奇書風で、良いも悪いも含め「平成の」なのかなと思う。物語の前提条件、登場人物と彼らの置かれた環境から、全く先が予想できない。予想外の展開、良い意味での不安定さで読ませた後にあのラスト。ラストが綺麗に収まり過ぎている感はあるが、個人的には好きだ。

  • 第62回(2016年)江戸川乱歩賞受賞作品。初読み作家。
    猟奇殺人鬼の父・母・兄と暮らし、自らも殺人者である女子高生の市野亜李亜。異常を自覚しつつも大人しく暮らしていたが、兄が惨殺されることで生活が一変する。翌日には母親も失踪し、亜李亜は父親に疑いを向ける。何が現実で、何が虚構で、そして真実は・・・
    内容に難解なところや、グロテスクな部分もあるが文章は読みやすかった。どうまとめていくのかと思ったが、国家ということになると少々違和感が。
    途中、”大金持の不動産王がいたとして、大統領になって、他国へ”みたいなことが書いてあったのには笑ってしまった。

  • 乱歩賞受賞作。

    帯が良かったんですよね。でもちょっぴり「予告編が興奮のピーク系映画」のような印象もあったり。

    淡々とした筆致が異常性を醸し出し、真相が見えそうで見えないヒントの小出しにやきもきします。

    序盤、主観である少女の視点が、所謂中二感とシリアルキラーキャラのシーソーでギッコンバッタン。ところがところが、うーん……って思っているとそのシーソーが地面の泥水に飛び込むようにグリンっと180度回転。高速でギコバタし始めるのです。向こう側(いや、こちら側?)に跨がっているのは、もう中二っ子なんかじゃないんですよねえ。

    しかし「バイオクリミノロジー」。色々とツッコミ所はあるものの面白い考え方ですね。

    複雑なようで案外親切。一応きっちりと終らせているのだろけれども頭のどっかにモヤモヤしたものが残るのは、自分が拾いきれてない要素があるのだろうかと不安になります。

    いちばん最後のシーンが好きです。でもこれすらも著者の意図した読み解きができているのか自信はない。

    トータル評価に悩む本でした。

    でもこれから先、渋滞にはまったときに「これはもしや……」と、ハンドルをトントンしていた指を引っ込めて居住まいを正しちゃったりするならば、小さくとも己のなかに爪痕が残っているということでしょうね。

  • 本屋で帯の書評にひかれて読んだ本。
    読み始めは良かった。父親、母親、兄、自分の家族全員が猟奇殺人鬼という設定!
    だが兄が惨殺されてその死体が消え、母も姿を消す辺りから面白さが半減していく。すべては自分が作り上げた幻覚であり、実は富裕層に実際の殺人をみせる秘密組織が存在するという。その辺の理論がむずかしくてよくわからなかった。
    ただコメダ珈琲とかめざましテレビとか、身近な単語が出てくるのがいかにも
    現代文学で新鮮だった。

  • うーん…。
    他レビューにもあったが、メフィスト賞なら許せるのかも。これが乱歩賞って…ありか? と思ってしまう、オールドタイプな私である。
    それを言うなら「すべてがFになる」はどうだ、「姑獲鳥の夏」は、と詰め寄られそうだが、もとよりそれらも(ネタという意味では)あまり評価していない。ただそれらは本書に比べれば、まだハッタリが効いていた。
    本書中盤以降の展開は、何よりもまず「恥ずかしい」のだ。いわゆる厨二的な意味で。
    なんで女にするかなあ、と思う。男のくせに。女子高生とOLの物語でなければ、まだしも読めたものになっていたかもしれないのに。なぜならキャラの声が、かつての男子高校生にして今の成人男性たる著者の経験を反映して、リアルを帯びるから。
    厨二ラノベ的な設定を、童貞の妄想くさいリアリティゼロのJKとOLが語り合う。これはイタい。イタいなんてもんじゃないくらい、イタい。
    笑止千万・失笑必至なネタは、いい。ただ、それをやるならそれ以外の部分は、最上級の本物のみで固めるべきだ。

    2018/9/25読了

  • どこからが現実で
    どこからが虚構なのか
    夢の中にいるような感覚
    少女にとっては見えていたもの感じていたものが真実なのかもしれない
    全ては思い込みに過ぎないのかもしれない

  • なんとも言えない読後感。
    ミステリーではないとの声もあるようでしたが、ミステリー(謎)に包まれているある種独特な佇まいの作品だなと感じました。
    また江戸川乱歩賞受賞という事で、たしかにある意味では探偵物と捉えることもできる。


    第三者、そこにあるもの。
    なんだか読んでいてどきり、としたのは読者として<傍観>している自分がいることをどこかで刺されたような気がしたからかもしれない。
    そこで起きたことは止めるすべも無く行われていく。
    私たちはただ見ている。
    そこにはなんの研究も講義もない。
    充足感、快楽を埋めるための読書<傍観>。
    消費される殺人というネタと、それを盛り上げるための謎解きと答え合わせ。
    そして納得させるための動機づけ。
    それはあくまでも、別の世界の創作の話だから、ときっかり分けていい話なのですが、鏡の世界をのぞいたせいか少しあてられてしまったようです。
    謎解きの先には答えがなくてはならない。
    研究の先には結果とそれに対する成果がなくてはならない。
    謎解きの前には謎、事件が。
    研究の前には疑問提議と仮説が。
    何十冊何百冊と読んできた本の殺人シーンを、果たして読者(私)はどんな思いでどんな視線で読んできたか。
    その目線は窓から覗くそれと変わらないのではないか。
    次はどうする、さぁなにをする、と傍観する目。
    謎解きや、解決する爽快感が好きだから、と言っても事件が起きなければそれは始まらない。
    そしてそれを繰り返し見続け、本当だかなんだかよくわからない解釈を連ねて、そしてまた新しい狂気を覗こうとする。
    機関とは「読者」と重なってしまう部分があり、なんだかどきりとした次第。

    何が健全で健全でないか。
    やはり表裏一体、合わせ鏡のようなものでしかないのかもしれないと思う。

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著者プロフィール

1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、デビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。

「2017年 『Ank: a mirroring ape』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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